元素創造 93~118番元素をつくった科学者たち

  • 白揚社
4.00
  • (2)
  • (0)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 55
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784826902304

作品紹介・あらすじ

核と核をぶつけ、新しい元素を合成する現代の錬金術
原爆のプルトニウム、理研が合成したニホニウム…
周期表を拡張した発見の物語

周期表の93~118番、超ウラン元素と呼ばれる元素は、多くの人になじみがない。天然には存在せず、原子炉や加速器をもつ特別な施設でしか扱われない。そういう特殊な元素が、原爆コア物質として人類史を変えたばかりか、宇宙の秘密に迫ろうとする科学者たちを魅了した。約80年におよぶ米・露・独・日の熾烈な合成レースがくり広げられ、26種の超ウラン元素がつくられた。十分に重い元素は予測と異なる性質を示し、近い将来、化学の土台を揺さぶるという見方まである。

超ウラン元素はどうやってつくられたのか? 119番以降も合成は続くのか? 関係者への広範かつ綿密な取材をもとに、周期表の果てをめざした元素ハンターたちの挑戦をあざやかに描き出す。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 新元素発見に関わった元素ハンター科学者の物語。超重元素と呼ばれる元素は、人工的に作られた元素で、多くの物理学者が関わった。
    元素生成の具体的な方法も紹介されているが、図表の説明がなく、文字だけの説明では素人にはなかなか分かりにくかった。 経緯や人物像、元素の命名のゴタゴタなど様々なエピソードがあって、その辺りは面白かったけれど、全体として理解できたのはこの本の半分ぐらい。元素発見には国の威信もかかっているようだが、科学に興味がない人には、実感は湧かないかもしれない。 日本では、ニホニウムという元素が唯一発見されたもので、これは戦前の仁科教授の時代からの悲願だったようだ。 和光市の理研で発見され、その現場のルポが紹介されていた。 自分の職場が理研に近かったので、とても親近感があった。 面白いノンフィクションだが、科学に疎い人に読んでもらうには、分かりやすさの点でもう少し工夫して欲しかった。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

英国のフリーランス科学ジャーナリスト。1983年サウサンプトン生まれ。『ネイチャー』、『ニューサイエンティスト』、『デイリーテレグラフ』などの誌紙に寄稿し、テレビ・ラジオにレギュラー出演中。2006年ブラッドフォード大学修士課程(薬学)修了。2020年にサンダーランド大学で博士号(科学史・科学哲学)を取得。本書は著者初のノンフィクション作品で、いま2冊目のRacing Greenを執筆中。

「2021年 『元素創造』 で使われていた紹介文から引用しています。」

渡辺正の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×