- Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
- / ISBN・EAN: 9784826902304
作品紹介・あらすじ
核と核をぶつけ、新しい元素を合成する現代の錬金術
原爆のプルトニウム、理研が合成したニホニウム…
周期表を拡張した発見の物語
周期表の93~118番、超ウラン元素と呼ばれる元素は、多くの人になじみがない。天然には存在せず、原子炉や加速器をもつ特別な施設でしか扱われない。そういう特殊な元素が、原爆コア物質として人類史を変えたばかりか、宇宙の秘密に迫ろうとする科学者たちを魅了した。約80年におよぶ米・露・独・日の熾烈な合成レースがくり広げられ、26種の超ウラン元素がつくられた。十分に重い元素は予測と異なる性質を示し、近い将来、化学の土台を揺さぶるという見方まである。
超ウラン元素はどうやってつくられたのか? 119番以降も合成は続くのか? 関係者への広範かつ綿密な取材をもとに、周期表の果てをめざした元素ハンターたちの挑戦をあざやかに描き出す。
感想・レビュー・書評
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新元素発見に関わった元素ハンター科学者の物語。超重元素と呼ばれる元素は、人工的に作られた元素で、多くの物理学者が関わった。
元素生成の具体的な方法も紹介されているが、図表の説明がなく、文字だけの説明では素人にはなかなか分かりにくかった。 経緯や人物像、元素の命名のゴタゴタなど様々なエピソードがあって、その辺りは面白かったけれど、全体として理解できたのはこの本の半分ぐらい。元素発見には国の威信もかかっているようだが、科学に興味がない人には、実感は湧かないかもしれない。 日本では、ニホニウムという元素が唯一発見されたもので、これは戦前の仁科教授の時代からの悲願だったようだ。 和光市の理研で発見され、その現場のルポが紹介されていた。 自分の職場が理研に近かったので、とても親近感があった。 面白いノンフィクションだが、科学に疎い人に読んでもらうには、分かりやすさの点でもう少し工夫して欲しかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示