不思議の国のトムキンス[復刻版]

  • 白揚社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784826910002

感想・レビュー・書評

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  • 『ドミトリーともきんす』のネタ元的名著ということで読んでみた。軽いタッチで書いてあるけど、十分難しかった。。

  • そ···想像以上に難しかった···!!
    高校時代に物理から逃げてしまった身には、教授の講義部分はお手上げ状態。

    でもトムキンス氏が迷いこむ不思議の国の魅力にがっつり掴まれました。
    汽車で旅する人は町に住んでいる人よりもゆっくり年をとる?
    ぐるりと象を囲んだ虎は本当は1匹しかいない?
    現実では起こり得ないような現象のようだけれど、これで相対性理論や量子論を解説してくれるのです。

    自分に物理の基礎知識がないため、トムキンス氏と一緒に不思議の国をぶらぶら観光してきたような読書でしたが、わからないなりにふんふん楽しみました。

  • 本書は、相対性理論と量子論の基本的な考え方を、豊富な比喩を用いて物語の中で解説してくれる本だ。相対性理論から導かれる「同時」という概念が崩壊した世界、量子論から導かれる位置と速度が一意に決まらない不安定な世界、それらを直観的に理解できる形で描いてくれている。物理学に興味があり、相対性理論や量子論を理解したいが、なかなか本質を掴むことができていない人におすすめの本だ。
    私は、本書を岩井克人氏の『経済学の宇宙』という本で、彼が青年期に読んでいた本として挙げられていたのをみて知った。

  • 古典的科学読み物です。
    著者のジョージ・ガモフ(1904-1968)は理論物理学者です。
    ロシアに生まれ、レニングラード大学を卒業したのち、コペンハーゲン大学、ケンブリッジ大学などに在籍、ボーアにも師事しています。のち、渡米して、ジョージ・ワシントン大学教授を経て、コロラド大学物理学教授となります。
    興味の範囲が広い人で、業績は、量子力学のトンネル効果、原子核のアルファ崩壊理論、宇宙創造論と多岐に渡ります。さらには、生物の遺伝情報理論にも興味を持ち、(DNA二重らせんで知られる)ワトソンやクリックとも交流して、「コドン」の概念の確立に貢献します。
    多才なガモフは、一般向けの科学読み物の書き手としても知られています。本書はガモフの人気シリーズであったトムキンスものの冒頭部分にあたります。

    トムキンスさん(Mr Tompsins)は、平凡な銀行員です。
    彼は物理学に興味があって、大学の市民講座に行きます。そこで相対性理論の話を聞いた夜、不思議な夢を見ます。
    夢に出てきた町では、光の速さはなんと時速20km。さて、そんな「のろい」町に行くと、いろいろと奇妙なことが起こります。
    平べったい人が自転車に乗ってくる。
    自分が自転車に乗ると道が短くなる。
    汽車に乗って帰ってきた人が、出迎えた孫よりも若い。
    とてもおかしなことでしたが、よく考えると、それは昼間聞いた相対性理論の考え方で説明がつくことばかりでした。

    普段、私たちが暮らしている世界ではほとんど認識されないような差が、極端な設定ではこのような現象として現れるだろう、というお話です。
    直観ではなかなか理解しにくい理論物理の話を、たとえ話で楽しくわかりやすく語る趣向です。
    ちょっとしたSFのようでもあり、思考実験のようでもあります。
    当時としては、科学読み物として画期的なものだったのだろうなと思います。

    トムキンスさんは夢の中で、さまざまな国を旅し、宇宙について、量子について学んでいきます。
    その合間に、導き手として、老物理学者が理論について解説もしてくれます。こちらはかなり高度な話も入ります。
    老物理学者には娘さんがいて、時々一緒に冒険に加わります。どうやらトムキンスさんは、シリーズ中で、このお嬢さんとゴールインすることになるらしいです。

    こちらの白揚社版では挿絵はジョン・フーカムのものを掲載していますが、ガモフは絵も描けたようで、自身の手による挿絵というのも別の版では見ることができるようです。

  • G・ガモフ「不思議の国のトムキンス」読了。
    トムキンスさんが紛れ込んだ不思議な世界は、相対性理論や量子力学が拡張された摩訶不思議な世界だった。歩く人の形が面になったり、狙わず銃を撃って猛獣を仕留めたりする彼の不思議な体験を通じて現実世界で実感できない物理法則に魅了された。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50018492

  • #科学道100冊/科学道クラシックス

    金沢大学附属図書館所在情報
    ▼▼▼▼▼
    https://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BN07750988?caller=xc-search

  • 請求記号 420.4/G 18

  • トムキンスという銀行員が、物理定数(光の速度、重力定数、プランク定数)が我々とは異なる世界に入り込んでしまうという架空の物語です。

    例えばその世界では光の速度cが非常に小さい(遅い)ために、相対論効果によって自転車ほどの速度でも物質は縮み、時間はゆっくり流れます。一方でプランク定数が大きいために、量子効果が目に見えるようになります。

    一般向けの科学啓蒙書とは言いつつも、特殊相対論の式が少しだけ出てきます。ですが、あくまで特殊相対論や量子論のエッセンスを感じ取るだけですので、これらの式を計算できる必要はありません(ただし、分数、平方根、四則演算の概念はわかっていることは前提)。

    また、特殊相対論にとどまらず、空間の曲率の話や等価原理など一般相対性理論の話も登場し、それらが巧妙に物語の中に組み込まれています。その他にも宇宙背景放射、宇宙の膨張・収縮、不確定性原理、零点振動、トンネル効果etc...

    この本に出てくる例え話はいわゆる「思考実験」であり、本の8割がこの「思考実験」で構成されていると言っても過言ではありません。アインシュタインは思考実験の達人と言われていますが、その片鱗をこの本では味わうことができると思います。

    非常に昔の本なので、現代的文章に慣れている我々にとっては少し(いや、かなり)日本語に違和感を感じます。そのため相対論の話と相まって全体的にわかりにくくなってしまっています。

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