良き人生について―ローマの哲人に学ぶ生き方の知恵

  • 白揚社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784826990530

作品紹介・あらすじ

"心の平静"を手に入れ、"自分らしく"生きるには?その答えを、古代ローマ人は知っていた。何かを失う不安、失敗への恐れ、人間関係の悩み、他人からの侮辱、死・老い、富や名声に対する欲…。それらネガティブな感情から解放され、喜びあふれる心で生きるためのヒントがここに。

感想・レビュー・書評

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  • ブレない軸を持ち、残りの人生をより良く生きるためにも、今読んでおいてよかったと思える本。ローマ時代から、重ねられてきた思考は説得力が違う。

  • エピクテトス「できることもできないこともあり、分別のある人間はコントロールできることだけにエネルギーを注ぐ」ラインホールド・二ーバーの平安の祈り、と同じ。

    ピタゴラスのイタリア学派、エピクロスなど。ストア派の主要なライバル。もうひとつはアナクシマンドロスのイオニア学派。ソクラテスにたどり着く。
    ソクラテス以前の哲学は、自然の発見、ソクラテスは人間の魂の発見、から始まる。
    ギリシャ時代は、哲学の学校がたくさんあった。
    宗教は似たような考慮にもとづく快楽主義、を持つ。人生哲学は要求しない。古代の本から人生哲学を学ぶべき。人生哲学をもつことはよい人生を送る方法である。

    ギリシャのストア派=どんな運命に対しても心の用意ができていること=ストア派の元とんった犬儒派。ゼノンは犬儒派の禁欲主義を捨てた。ストア哲学は、幸福のための逆説的処方箋。自然に従って生きることが良き生を生きられる。ストアの賢人は理想のモデル。

    ローマのストア派=セネカ、ムソニウス・ルフス、エピクテトス、マルクス・アウレリウス
    人生を楽しむことを制限しない。しかし未練なく捨て去る用意が必要。
    セネカ『幸福な人生について』『ルイリウスへの手紙』
    ムソニウスの弟子がエピクテトス。ホワイトカラーの奴隷。
    マルクスアウレリウスが絶頂。ストア派が廃れた原因は、人生哲学が必要とは考えられなくなったから。

    ネガティブ・ビジュアリゼーション
    快楽適応に抵抗する。それを失ったときのことを想像する。すべては運命からの借り物。
    自分自身の死を考える=今日が最後の日であるコアのように生きる。快楽主義におぼれるのではなく、今日の生を感謝するため。生きていることが楽しみになる。子供にとっては世界はつねに新しい。なんにでも喜ぶ子供のような意識は、情緒的成熟のなさ、ではない。不満を抱えて生きるよりよほど賢い手段。
    投影的ビジュアリゼーション=他人の痛みのように想像する。
    定期的に、立ち止まりすべてが奪われたらどうだろうか、と考える。それについて思い悩むのではない。
    世界は流動と変化に満ちている、と悟る。

    コントロールの二分法
    欲しいものを手に入れる最良の方法は、手に入るものだけ望むこと。達成できない欲望を作り上げて挫折するのはやめる。
    「力が及ぶもの」「完全に力が及ばないもの」「完全に力が及ぶことはないもの」
    力が及ぶもの=自分の意見、衝動、欲望、嫌悪など。
    目標の達成は、完全ではないがある程度はコントロールが及ぶもの」
    外的目標を内的目標に変える。内的目標は外的成果に影響を与える。目標を内部化する。そうすれば心の平静を保てる。
    コントロールの三分法を徹底して、外的目標ではなく慎重に内的目標を設定することで、心の平穏を保てる。
    p107

  • 【生き方】良き人生について / ウィリアム・B・アーヴァイン / 20200723 / (14/854)/ <304/136463>
    ◆きかっけ
    ?

    ◆感想
    ・自分がコントロールできるものにだけ集中。
    ・ネガティブ・ビジュアライゼーション実践。

    ◆引用
    ・人生の哲学を持つことが重要なのか?持たない人がミスリブ(間違った人生を生きる)する危険があるから。本当に価値あるものを追求して生きるかわりに、くだらないものに
    気を散らされて人生を無駄に過ごしてしまう。
    ★自分がコントロールできるものとできないものを区別し、できないものについては悩まず、出来るものだけに集中する。心の平静を乱す大きな要因が他者であることを知り
    彼らに心を乱されないための戦略を実践する。
    ★今自分が大事にしているものを失ったことを想像する。ネガティブ・ビジュアライゼーション。幸運を楽しむ代わりに、別のより壮大な夢を作り上げ、その夢を追求して過ごす。
    その結果、決して人生に満足することはなくなる。それをさけるためのネガティブ・ビジュアライゼーション。
    ・自分を変えることによって、自分の欲望を変えることによって、満足を手に入れる。
    ・コントロール三分法
     -完全にコントロール可能:かかわるべき(自分に設定する目標)
     -まったくコントロール及ばない:かかわらない(明日太陽が昇るか)
     -完全ではないがある程度可能:かかわるべきだが、目標を内部化する(テニスの試合に勝つかどうか)
    ・定期的な子細な不快を経験する人は大きな不快にも耐えられるという自信を持つようになる。
    ・不快を引き起こす経験をあえて選ぶだけでなく、快を引き起こす経験を避ける
    ★瞑想によって、自分と観察者両方の役割を果たす
    ・自分の人生がこれから悪くなるかもしれないと想像することで(特に死)、喜びを経験するチャンスを増やす。
    ・良き人生の第一要素:心の平静。理性によって、不安、悲しみ、怒り、恐怖など心を乱す情動をできるだけ抑えて生きることが幸福につながる
    ・今日が最後の日であるかのように生きる。

  • ストア哲学。ハイスピードで物事が進む現代社会で指針となる考え方の1つ。

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著者プロフィール

ライト州立大学哲学科教授。
ミシガン大学で数学と哲学を学んだ後、カリフォルニア大学ロサンジェルス校で哲学の修士号と博士号を取得。オハイオ州デイトンにあるライト州立大学哲学科教授。『欲望について』で、アメリカ図書館協会CHOICE誌2006年度優秀賞受賞。『良き人生について――ローマの哲人に学ぶ生き方の知恵』など著書多数。

「2020年 『ストイック・チャレンジ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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