AI支配でヒトは死ぬ。 ―システムから外れ、自分の身体で考える―
- ビジネス社 (2021年9月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784828423258
作品紹介・あらすじ
仮想通貨、グローバリズム、同一化圧力……。
「令和の常識」はおかしなことだらけ。流行に背を向け、地に足をつけモノを考える自足のススメ。
感想・レビュー・書評
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題名が少し内容と乖離してるかな?と感じるが、養老さんの考え方は非常に興味深いものだった。実際、コロナでグローバリズムの考え方が変化した時期もあった。しかし、教育の考え方は変わらずグローバルの視点を重視している。
わたしは、この本を読むまでグローバルな人になりたいと思っていた。それがいいと、私たちZ世代は義務教育によって洗脳されていたのかも知れない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2階書架 : 914.6/YOR : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410167360
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「現代社会は都会化、システム化、グローバル化、科学主義が進んでいる。これは物事を全て《概念化》して一括りにしようとする世界観。本来の自然は差異に満ちている(あるがまま)。その違った感覚を「身体」で受け止めているのがヒト。「脳」ばかりを肥大化して脳と身体のバランスが崩れると、自然の中の本来のヒトとしての調子が狂ってくる。AIは全てを「脳」で解決しようとする恐るべきもの。」
養老孟司のバランス感覚は、解剖で、死体という《あるがままの現実》と向き合ってきたからか。 -
養老先生と浜崎さんという若手文学批評家のインタビューもの。養老先生の深い言葉が光っています
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通読しましたが、この本は実に難しかったです。私には。養老孟司「AI支配でヒトは死ぬ。」、2021.10発行。かろうじて理解した気持ちになったのは: ①OECD35ヶ国に対して「自分は健康ですか」のQに、9割がはいと答えた国、3割しかはいと答えなかった国。(1位の米国、35位の日本)②自分が知りたくないことについては自主的に情報を遮断するという「バカの壁」③居心地の悪いとこにはいないっていう猫の生き方 ④「修身」のもともとの意味は「自立して生きていく」。
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養老先生と西部邁は同世代であり、表現者クライテリオンと親和性があるのだろうと感じた。やはり戦前を経験して、そこから劇的に変化してきた戦後の世界を見てきたからだろうか。どちらにも、社会を外側から落ち着いて俯瞰するそんな姿や言動が見られる気がする。
現代社会では本来定まったものではない、自然や経済活動を何でもシステム化、理論化しようとする。グローバリズムや現在のコロナ渦においては、脳化社会が進み、自然を排除して型にはまったものを推進しようした結果、身体との不具合が生じている。そして生きにくさに直面し、それをまた脳で解決しようとする。そこから抜け出すには、自分で考え、動くことを放棄しないこと。都合の悪いものが出てきたら、それに少しずつ手入れをし、バランスを取っていく。そのように自足して生活する。それでも都合が悪ければネコのようにそこから立ち去って居心地のいい場所を見つける。それでもいいのだろう。 -
対談形式の本は苦手で、、、
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自足〜が足りないと養老さんはいう。
今、科学は実験室の中で再現可能なものが真実だと言わんばかり。だが果たしてそうであろうか?
養老さんが専門の「解剖学」
学生の頃、解剖すると神経の走り方が本とは違うので、先生に質問すると、「そういうものだ」といわれたそうだ。
画一的に全て同じ結果、全て教科書通りは違う。
データばかりで頭の中でわかった気になる昨今だが、
体を通して、自然を通して実感し、腑に落ちる感覚こそ今一番大事なことなのであろう。