GOSICKs(2) ―ゴシックエス・夏から遠ざかる列車― (富士見ミステリー文庫)

著者 :
  • 富士見書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784829163528

作品紹介・あらすじ

少女は白いドレスを着て、緑の絨毯の上で待っていた。草いきれすらも、心地よい。会えるのだから。二人しか、ここには居ないのだから。そう、陶製の人形のような少女-ヴィクトリカは、今日も彼が来るのを待っている。少年・久城一弥が、かけてくるのを。芽吹いた緑たちが。噴水からこぼれおちる水の青が。そしてそれらを照らす陽の赤が。すべての色が輝きを増し、光に包まれ、命が生きようとする季節-夏。やがて訪れるであろう崩壊と、別離を前にした一瞬の平和-刹那。二人だけの学園にて、一弥とヴィクトリカは同じ時を生きる。世界を語る。謎を-混沌のむこうにある心を知る。そして、お互いを思う。ひと夏の間に重ねられる、淡い逢瀬の物語。ゴシック・ミステリー短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 四巻と五巻の間、二人きりの夏休みの学園で出会う謎たち。久城の兄からの挑戦状を一秒で解いて見せる嬉しそうなヴィクトリカ、地中海でバカンスのアブリル、警部の留守を預かる手を繋いだ二人、グレヴィールと幼馴染みの警視総監夫人。セシルと寮母が学生とメイドだった頃の話、久城の姉の古風な話が特に新鮮で良かった。

  • GOSICKの短編集第2巻。一弥の姉である瑠璃の話が面白かった。

  • ゴシックシリーズ短編集第二弾。聖マルグリット学園の夏休み。他の生徒が帰省やバカンスで学園を去る中、ヴィクトリカと一弥だけが残ります。短い夏に起こった数々の小さなミステリーを、退屈しのぎに解いていく自堕落なヴィクトリカが可愛い。今回は長編で語られない一弥の姉、瑠璃の話が特に面白かったです。またこの妙ちくりんな姉と恋人(?)には登場して欲しいなあ。相変わらず微笑ましいシリーズ。長編はシビアですが、短編の緩さもたまには良いものです。

  • 7冊目で短編2巻目。
    久城とヴィクトリカだけの夏休みの話。
    といっても手紙や電話で舞い込んでくる謎を退屈しのぎにヴィクトリカが解いていくという展開。

    姉からの手紙に出てきた"吉良"とかいう人物は結局何なんだろうかね。
    (あからさまに絵画泥棒な感じはするんだけど)

    グレヴィールは小物だけど好きな人に対しては全力で助けるなあ。
    たとえそれが叶わぬ恋だとしても、我が身を犠牲にしたとしても(笑)
    クレヴィールの頭が二股になった理由がわかってすっきりしました

  • 武者小路さん、かっこいい!瑠璃さんも可愛らしいし♪ヴィクトリカと九城くんの二人きりの夏休み。この頃が二人にとって一番穏やかだった時なのかな、と思います。このあとベルゼブブの頭蓋へ向かうのかと思うと、その後を知ってるだけに切なくなります。きらきらの飴玉に瞳を輝かせ、ふわふわのオレンジケーキを奪われて涙ぐみ、レースとフリルに囲まれて、ビスクドールさながらのヴィクトリカは相変わらず可愛い❤「なにさ、ヴィクトリカのいばりんぼ!」とお決まりのセリフも板についてきた九城くんとの名コンビも出来上がりつつあり嬉しいです。

  • (収録作品)仔馬のパズル/花降る亡霊/夏から遠ざかる列車/怪人の夏/絵から出てきた娘/初恋

  • ゴシックの別冊。
    本編四巻と五巻の間の出来事。

    セシル先生と寮母のゾフィの話が一番好きかな。
    でも久城の姉が出てくる回も好き。
    暗い雰囲気があって時に重い本編と比べると、明るくて楽しい側面が強いです。

  • 4829163526 269p 2006・12・1 3版

  • 陶製の人形のような少女は白いドレスを着て緑の絨毯の上で待っていた、久城一弥が駆けてくるくるのを。芽吹いた緑たちが。噴水からこぼれおちる水の青が。そしてそれらを照らす陽の赤が。全ての色が輝きを増し、光に包まれ、命が生きようとする季節-夏。やがて訪れるであろう崩壊と別離を前にした一瞬の平和-刹那。二人だけの学園にて、一弥とヴィクトリカは同じ時を生きる。世界を語る。謎を-混沌のむこうにある心を知る。そして、お互いを思う。


    GOSICKsⅡ
    書き下ろし3本が入っているGOSICK短編集第二弾。時間軸ではGOSICKⅣとⅤの間になり、次のⅥを読むに辺り、どうしても読んでおきたい一冊です。さらに本編であるGOSICKとリンクしている部分を含む短編もあるので、非常に面白いと思います。特に(意外とシャイな)ブロワ警部のドリル増加の謎や一弥姉に触れている物語は印象的です。


    私が一番印象的に感じたものを挙げるとすると、先に述べた一弥姉の物語でしょうか。この話の主軸はいつもと同じように謎でありミステリーであり、それはそれでヴィクトリカがいつものごとく冴えを見せます。ですが私がその物語を気に入った要素はそこではなく、一弥姉の物語に時代背景がしっかりと組み込まれていたことです。


    特に「女性は何も言うな」という風習は一弥(アブリルにもっと愛情を!)の国籍が恐らく日本であることから、昔はよくあったことだと思います。そのよくあったことがしっかりと一弥姉の物語に組み込まれ、そこから今回の謎が発進しているだけに、非常に納得もあり、いつもの読み応えもありでした。またもう一つお気に入りは「夏から遠ざかる列車」です。いや、「初恋」もかなり捨てがたいですw


    いつもの登場人物に触れた短編もあり。また、いまさらですが、イラスト担当の武田氏とカバーデザイン担当の桜井氏はこの作品には欠かせないですね。イメージの具現化がすばらし!

  • 少女は白いドレスを着て、緑の絨毯の上で待っていた。草いきれすらも、心地よい。会えるのだから。二人しか、ここには居ないのだから。そう、陶製の人形のような少女―ヴィクトリカは、今日も彼が来るのを待っている。少年・久城一弥が、かけてくるのを。芽吹いた緑たちが。噴水からこぼれおちる水の青が。そしてそれらを照らす陽の赤が。すべての色が輝きを増し、光に包まれ、命が生きようとする季節―夏。やがて訪れるであろう崩壊と、別離を前にした一瞬の平和―刹那。二人だけの学園にて、一弥とヴィクトリカは同じ時を生きる。世界を語る。謎を―混沌のむこうにある心を知る。そして、お互いを思う。ひと夏の間に重ねられる、淡い逢瀬の物語。ゴシック・ミステリー短編集。
    (BOOKデータベースより)

    ***

    一弥の姉・瑠璃の顔が一弥にそっくりでびっくり。

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著者プロフィール

1971年島根県生まれ。99年、ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞。著書『少女を埋める』他多数

「2023年 『彼女が言わなかったすべてのこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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