雇用の常識「本当に見えるウソ」

著者 :
  • プレジデント社
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833419123

作品紹介・あらすじ

派遣切り、ワーキングプア、就職氷河期…すべてを「小泉改革」のせいにしていいのか?"人事・雇用のカリスマ"が定説、俗説を斬る。

感想・レビュー・書評

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  •  本当に見えるウソとウソのような本当

     これって結局統計をどう読むかによって変わってくることではないのだろうか。

     今の時代政府発表の統計も過去と対比させるほど有能なものではないしなおかつ外国の統計との比較なんて強引すぎる気がする。

     うまく統計を読んでまとめて再構築されているのは分かるのだがそれがすべて有効だかはわからないのがもどかしい。

  • 定説と思われることを否定するせいもあるが、とにかく定量的にデータを使って説を展開する。このへんは類書にない信頼性を感じる。ただ、「引きこもり問題」の分析は完全に誤解。対人業務につけない人程度の認識なのだろうか。社会から撤退していることが問題なのだが。
    なお、派遣形態や、移民についての提言の部分は、私見として、一歩引いてみるべき。本書の文脈だけで論じれるようなトピックスではないだろう。

  • 他の著書やエンゼルバンクでも披露されているが、移民受入・教育安保という世界戦略は、面白い。

    実行するには色々な問題が発生するのだろうが、それでも今の日本には、このようなクリエイティブな政策が求められているのだと思う。

  • みんなが年功序列を維持したがる理由 - 読んだものまとめブログ http://t.co/ZgCb0aQ via @sadadad54

  • 終身雇用は崩壊していない。転職は一般化していない。成果主義は一般化していない。派遣社員の増加は請負業者の変わったもの。正社員はむしろ増えている。しかしそれよりさらに派遣社員が増えた。格差は20年間広がり続けているが、それは高齢化と経済の成熟によるもの、etc.

  • 終身雇用や成果主義といった人事体系に関することから、派遣社員の問題、正社員の減少等、世の中に流布することをアンチテーゼとして数値という根拠を持って説明し自論を展開している。

    この中で興味深かったのは女性が社会進出することで、20年間といったスパンでみると正社員も派遣社員も総体的に増えている。それに対して男性の労働力率は女性に押し出されるようにして低下している現実がある。そんな中問題は全体的に日本人の働き手が減少している点である。

    全体的にいま世の中で問題視されていることについて、分母にあたる数値の取り方や人口動態から考えるとマスメディアなどが報道していることが果たして本当なのか疑問を感じてしまう。それを確かめるには面倒くさがらず自分で実際に調べる必要がある。そうすると現実が見えてくるかも。

  • 逗子図書館

  • 数字で突く労働問題の核心 ― http://www.president.co.jp/book/item/314/1912-3/

  • 面白くなかった。タイトルにある「常識」がそこまで「常識」なものかな?と思い始めてからは特に面白くなかった。事実の羅列なのか、それに対する反論なのかのスイッチの切り替えの曖昧さも読みづらかった。

    2009年の本だからか、森永卓郎の発言を引用した「常識」が頻繁に出てくるけど、彼はタレントであって識者じゃないし、極端なことを言ってるだけなのに、「これはこういう事実があるから違う」とか書いてあるのがまたなんか萎える。そんなに真面目に反論するような言説でもなんでもないだろうに…

    あと「TV番組で言ってた」は読者が確認する術がないからやめてほしい。(web記事の引用もかな…)もしかしたら違うメディアで訂正してる可能性は考慮にいれていないようだし、なんかズルい。

    ・細かな気になった点
    構成図の棒グラフで全部の要素が同じ色のものがあった。見づらい。(P178)
    あとがきの抽象的な感想文は図をいれた方が絶対わかりやすい。
    「識者はこう見る」のコーナーのレイアウトが変わり過ぎ。
    挿絵の「エンゼルバンク」が意味不明。本文との関連が薄すぎる。
    小見出しの誤字(P128)

  • 読むのがたいへんな本である。
    常識と思われていることを、データをもとに丁寧に検証しており、その検証を追っていくことで頭をつかう。

    終身雇用は崩壊していない、
    転職はちっとも一般化していない、
    正社員は減っていない、
    派遣社員の増加は、正社員のリプレイスが主因ではない、
    などと検証する定説は、検証しがいがあるものばかり。

    何をもって日本型雇用が変わってきたというのか、
    データをもとに語ってこなかった自分は考えさせられるものがある。

    3年くらい前に購入して、なかなか読み進めることができずにいたが、あらためて読んでみると2009年頃の風潮を少し感じる。
    それでも、今読んでも、発見がある検証をしている。

    人口動態の変化の影響、少子化による大学全入時代の到来、女性の社会進出の増加などの影響は案外軽視されがちかもしれない。
    昔の日本の雇用はよかった、今の日本の雇用はけしからんという人にこそぜひよんでいただきたい1冊。

    “急速に増えた女子大生は、就職も好調。そのあおりで男子は就職数・率ともに低下。”

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著者プロフィール

雇用ジャーナリスト、経済産業研究所コア研究員、人材・経営誌『HRmics』編集長、ニッチモ代表取締役、リクルートキャリア社フェロー(特別研究員)。
1964年、東京生まれ、大手メーカーを経て、リクルート人材センター(リクルートエージェント→リクルートキャリアに社名変更)入社。新規事業の企画・推進、人事制度設計などに携わる。その後、リクルートワークス研究所にて「Works」編集長に。2008年、人事コンサルティング会社「ニッチモ」を立ち上げる。『エンゼルバンク─ドラゴン桜外伝』(「モーニング」連載)の主人公、海老沢康生のモデル。
主な著書に、『「AIで仕事がなくなる」論のウソ』(イースト・プレス)、『雇用の常識「本当に見えるウソ」』(ちくま文庫)、『面接の10分前、1日前、1週間前にやるべきこと』(小学館文庫)、『仕事をしたつもり』(星海社新書)、『女子のキャリア』(ちくまプリマー新書)、『無理・無意味から職場を救うマネジメントの基礎理論』『経済ってこうなってるんだ教室』(ともにプレジデント社)など。

「2018年 『名著17冊の著者との往復書簡で読み解く 人事の成り立ち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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