年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学

制作 : 安田洋祐(解説) 
  • プレジデント社
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833420822

感想・レビュー・書評

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  • ようやく読み終わった。

    アウトソーシングによって職を失うこと
    アウトソーシングによって、職を失う職種の人々が一番打撃を受ける一方で、一番恩恵を受ける。
    ➡より安いものが手に入る
    ➡スキルの持った人が集まる地域にいれば、その会社周辺の町が繁栄し、それによって、新たな雇用が生まれる。しかも高給取りたちから頂くお金であるため、多くのお金を手にできる。

    能力のある人のところに仕事が集まるし、お金も集まる。
    これを拡大すれば、能力のある人が集まる会社には、お金が集まる。そして、その会社のある地域にはお金があつまる。雇用が生まれる。町が潤う。

    能力のある人々はどうすれば生まれるのか。
    それは、教育と移民の受け入れである。
    移民の受け入れの場合、能力のある人の移民と出稼ぎの移民では、地域に与える影響は大きく変わる。

  • 本の題名がきな臭いけれど、最終的に「教育」が個人と家庭と地域社会にさまざまな好影響を与えて、割の良い投資であると断言し、大学教育に公的助成は必須であるといっている。人的資本の質の向上ということである。

    今の経済の生産性向上を牽引している産業である「イノベーション産業」である。
    人は互いに顔を合わせてコラボレーションするとき、もっとも創造性を発揮できる。
    聡明な人々が集まる社交のなかで学習の機会を得ながら創造の意欲を刺激しあうことによりイノベーションを起こす力が高まる。新しいアイデアやテクノロジーは人的資本を大事にするところから生まれるのだ。

    人的資本のレベルが上がると「知識の伝播」が始まる。「知識の伝播」これが創造性の持ち主が交じり合う始まりの一歩。

  • イノベーションのあるところには、上等なのからそうでないのまで雇用機会がある。イノベーションのあるところに移動するのはむしろ失業者ではなく知識のある労働者の方。

  • 情報には2つある。ネットで、そのあり方は大きく変わったけれども、場所を共有し、顔を会わせて、会話して伝わる情報は、大切であることに、昔から変わらない。ということ。

  • 電子書籍で読んだが、学生に貸し出すために紙で再購入。

  • 読み始めは面白いと思ったのだが、ちょっと冗長かも。
    でも、著者が楽しくて、書きたくてしょうがないテーマだったのだということは強く感じる。

  • 人材集積の効果の大きさ、そして極めて優秀な人材は、まあまあの人の100倍影響力があること、実感。優秀なスタープレーヤーが会社を根底から変える様を間近で見てきて、すごく刺激的だったし、実際に、業績向上の恩恵をものすごい人数が受けていた。きっかけは、1企業や1人であり、そこに様々なモノコトが集まる、ということ。ハブにはなれないまでも、そこに食らいつく嗅覚は持ち続けたい。

  • 刺激的なタイトルですが、内容はアメリカの現状に関する経済的な実証分析で、非常に説得力がありました。
    日本語のタイトルだと、だから儲かる場所を選んで住みなさい、というような生臭い話に聞こえてしまいますが、実際の内容はサブタイトルの方の「雇用とイノベーションの都市経済学」の方が正確に表しており、次々に新産業が起こって発展を続ける地域と、逆に衰退していく地域とがなぜあるのか、どういった契機でそれが起きるのか、衰退地域が復活を遂げるにはどのような政策が有効なのか、無効なのかを、アメリカでの豊富な実証データを元に非常にわかりやすく解説してくれている本です。
    発展のきっかけは、後に大企業となったベンチャーがたまたま創業の地としてそこを選んだとか、スター研究者がたまたまその大学で画期的な研究成果を挙げたとか、結構身も蓋もない結論だったりしますが、でも実際それが現実なんだろうなとも思います。でも一方で、そういう「幸運」を引き寄せるための政策の重要性、とりわけ長期的視点での教育政策の重要性も強調しており、深く納得できました。
    ほとんどはアメリカの話ですが、日本についても若干触れられています。「日本では法的・文化的・言語的障壁により、外国からの人的資本の流入が妨げられてきた。その結果、日本はいくつかの成長著しいハイテク産業で世界のトップから滑り落ちてしまった」というのは、実にもっともで耳の痛い話です。これからこれをどう克服していくのかが、日本の大きな課題でしょう。

  • ちょっと共感できない。

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