琉球という国があった (たくさんのふしぎ傑作集)

著者 :
  • 福音館書店
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834085495

作品紹介・あらすじ

現在では、47都道府県のなかのひとつである沖縄県ですが、昔は「琉球王国」という、王さまが国を治める独立国で、日本とは別の国でした。東南アジアの国々や中国を相手に貿易で大変栄えていました。琉球王国が繁栄した陰には、明が琉球王国を破格に優遇したという事があります。では、なぜ小さな島国に過ぎない琉球王国を、大国明はそんなに優遇したのでしょうか。昔々の沖縄の歴史をたどり、その秘密にせまります。

感想・レビュー・書評

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  • 多くの絵で分かりやすく琉球の繁栄を描いています。
    日本と中国などを結ぶ「かけ橋」として活躍した琉球王国の物語です。
    琉球には、多くの人達が住み。多くの言葉を話し。多くの地域と貿易をして繁栄していました。
    それが1609年。突然琉球王国に、薩摩の大名、島津氏が攻め込み琉球王国を征服しますが。その後も、琉球王国は存在し、中国との関係も続けるという難しい道を歩みます。
    いまから142年前の1879年。明治政府によって琉球王国は廃止され、日本の「沖縄県」として新しい道を歩むまで琉球王国は存在したのです。

    【読後】
    日本本土と中国を結ぶ要衝の地にある沖縄は、その地理的な利点を最大限に活用して多くの国と貿易して富を得ていたことが分かる本になっています。現在は、アメリカ軍が、手放さないほど中国及びアジアへ軍を進めるのに格好の場所なのです。

    琉球という国があった (たくさんのふしぎ傑作集)
    2020.02発行。字の大きさは…中。2021.10.23読了。★★★☆☆
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    【バックナンバー】
    たくさんのふしぎ傑作集シリーズのバックナンバーは、私の本棚より「タグ」→「タグの一覧を絞り込む」に「たくさんのふしぎ傑作集」と入力。または、その中から゛たくさんのふしぎ傑作集゛を探してください。そうすると゛たくさんのふしぎ傑作集゛の本が一覧表示されます。
    私は、本を登録するときには、著者名と登録した年(2021)で登録しています。たまにシリーズ名でも登録もします。例えば「風烈廻り与力・青柳剣一郎」などです。

  • 勤め先の学校は、修学旅行で沖縄に行く。
    事前学習用の資料として、沖縄の公共図書館の蔵書を検索するなどして、様々な沖縄関連の本を集めている。

    今回この本は、またもやフォローしている方のレビューから。本当にありがとうございます。

    たくさんのふしぎ傑作集は、20年以上前に購入された蔵書が学校にあるのだが、これはなかった。
    沖縄が琉球国となり貿易で栄えた頃のことが詳しく書かれている。
    様々な国との交易、中国の明に重用されていたことなどその当時の港の様子がよく分かる。
    日本では戦国時代の頃、沖縄は日本とは異なる文化、外交で栄えていた。

    江戸幕府になってから、薩摩藩による搾取が始まり、今もなお沖縄の民意は汲み取られない…。
    沖縄独立運動があるのも分かる気がした。
    2020.6.9

  • 大規模火災で多くが失われた首里城 その歴史を伝える「琉球という国があった」ハードカバー版が2月5日刊行|好書好日
    https://book.asahi.com/article/13020303

    上里隆史|note
    https://note.com/mangaryukyu

    琉球という国があった|福音館書店
    https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=6559

  • 本書「琉球という国があった」は、琉球王国について知ることができる読みもの絵本です。
    字が多い児童書には難色を示す子どもでも読みやすいよう、写真やイラストをたくさん使って解説してくれています。
    特に首里城を正門から見た見開きの写真は、まるでそこに建って建物を眺めているかのような気分になりました。
    琉球の人たちの服や建物が、なぜ着物ではなく、中国の影響を色濃く受けたデザインになっているのか、それもこの絵本が一つ一つ、わかりやすく教えてくれました。

    学校で習う日本の歴史だけでは、琉球王国のことを詳しく知ることはなかなか難しいものです。
    本書を読み、琉球王国が王国として成り立っていた背景には、その時代の他の国々の事情をも知ることにつながるのだと、しみじみ思いました。
    そして琉球王国を知ることは、日本と世界の歴史とつながりを、より深く知ることでもあります。

    小学中級からとなっているが、本書はオトナが読んでも勉強になる絵本です。
    そして読み終えたときには、きっとじかに沖縄を見たくなっているはずです。
    今は行くことはできないけれど、その願いを叶えるためにできることは何かを考えていけば、きっと沖縄の地を踏めるときが来ると、信じています。

  • 「琉球」の歴史を文と写真と絵で紹介する絵本。
    元々は2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」がユネスコの世界文化遺産に登録したことを契機に、2012年に月刊「たくさんのふしぎ」として刊行されたもの。
    2019年10月の火災で首里城に甚大な被害が出たことを受けて、「たくさんのふしぎ傑作集」版として、ハードカバーで出版された。
    再刊にあたり、本文の内容はそのまま残されたが、巻末に著者が寄せた一文が載せられている。

    首里城にも見られるように、沖縄の文化は独特である。日本から見ればどこか異国を感じさせる多くの文物がある。
    南の島国、沖縄は、日本の本州、あるいは中国や東南アジアの各地を結ぶ地であった。
    700年ほど前、中国・元で戦争が起こり、それまで使われていた博多・寧波間の航路が使えなくなったのにしたがい、新たに九州から沖縄を経由して、南の福州などをつなぐ航路が生まれる。その際、港として使われたのが現在の那覇の地であった。この地は浮島という漁村であり、川から淡水が流れ込むためにサンゴ礁が育たず、大きな船も乗り入れやすかったのだという。
    やがて各国から人が入ってくるようになり、さまざまな国の文化が持ち込まれた。
    中国大陸に明が誕生すると、貢物とその返礼という形で貿易が盛んに行われ、陶磁器や織物、銅銭が数多く入ってくる。貿易の際には、沖縄に住み着いた中国人が大きな役割を果たし、一方で室町幕府との交渉は日本人の僧侶が行った。
    「琉球」は中国による沖縄の呼称だが、関係が深まるにつれ、沖縄の人々も自らを琉球と呼ぶようになる。呼称だけではなく、役人の冠や衣服、また暦も中国式のものが用いられた。一方で文字はひらがなが主に用いられていた。
    海洋国として、さまざまな文化を取り入れ、独自の文明を作り上げてきたのが琉球だった。

    首里城正殿にはかつて、「万国津梁の鐘」と呼ばれる鐘がつるされていたという。
    津梁とは「架け橋」を指す。銘文には以下のような内容が刻まれる。
    琉球は、南の海の恵まれた場所にあり、朝鮮からは優れたところを取り入れ、中国や日本とも大変親しくつきあっている。この日中両国のあいだにある「蓬莱の島」のような琉球は、船によって世界に橋をかけ、めずらしい宝は国内のいたるところに満ちあふれている。


    蓬莱の島とは中国の東の海の向こうにあるとされた仙人の住む理想郷のことである。

    大海の只中に、1つの島国があった。
    国と国を結び、繁栄を謳歌し、独自の文化を発展させた。
    美しい写真と細密な絵で、「蓬莱の国」へといざなう1冊である。

  • 今まで見たことがある日本のお城と全然ちがって、おどろいた。沖縄がもともと日本じゃなかったこととか、島津がせめていったこととかは知っていたけど、こんなに文化がちがうと思わなかった。お城だけではなくて、住んでいる人とか、宗教とか、服とかが、本当に独自で発展したんだなと思った。
    楽しくてにぎわっているふんいきで、いいな。
    首里城は炎上しちゃったけど、復興してほしい。ぼくも寄付したいし、そういう気持ちも伝えたい。いつか見てみたい。(小5)

  • 「首里城や琉球王国の歴史を知る入り口に

    現在では、47都道府県のなかのひとつである沖縄県ですが、昔は「琉球王国」という、王さまが国を治める独立国で、日本とは別の国でした。東南アジアの国々や中国を相手に貿易で大変栄えていました。琉球王国が繁栄した陰には、明が琉球王国を破格に優遇したという事があります。では、なぜ小さな島国に過ぎない琉球王国を、大国明はそんなに優遇したのでしょうか。昔々の沖縄の歴史をたどり、その秘密にせまります。」

  • 明から恵国待遇を受け発展してきた。
    貢ぎ物の硫黄と小馬、倭寇対策が理由と言われているとのこと。

  • 絵本という形だけど、知らないこともあり、無知だなあと気づく。(沖縄は中国から破格の待遇を得ていたとか、知らなかった) 首里城再建!

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著者プロフィール

琉球歴史研究家。浦添市立図書館長を経て、内閣府地域活性化伝道師。NHKドラマ「テンペスト」時代考証や、NHK「ブラタモリ」案内人などメディアでも活躍。著書に『知れば知るほどおもしろい琉球王朝』等。

「2022年 『マンガ 沖縄・琉球の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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