- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834086232
作品紹介・あらすじ
モモヨは小学三年生。オイモはモモヨの家の犬のこと。オイモはときどきいなくなるけど、いつも暗くなるまえに帰ってくる。それが、その日は夜になっても帰ってこなかった。でも心配してるのはモモヨだけ。みんななんでか気にしてなくて。そこにいること、もうそこにはいないこと、ほんとうのこと、ゆめのこと。すべての境目が浮かんでは消えながら、『つみきのいえ』の加藤久仁生の絵とともに紡がれる、ときどきとえいえんの物語。
感想・レビュー・書評
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生と死は遠く離れたものではなく、隣り合って繋がっているものだと思える、温かな作品。
踊るような文章と、たまらなく愛おしい絵の組み合わせがとても良い。
オイモ、オイモ、可愛いねえ…私も撫でて一緒に駆け回ったような気持ち。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
子供向けの絵本かと思いましたが、死別の認識と、悲しみ。命の輝きと思い出の大事さなどが描かれている児童書でした。大人が読んでも結構難しい本で、恐らく色々な解釈が出来る話だと思いました。
へたしたら主人公のモモヨちゃんが既に亡くなっているんじゃないかとヒヤヒヤしましたが、それはないのかなと解釈しました。
ペットはたいてい先に死ぬし、大人も自分が大人になった頃には老境に差し掛かり、ぽつりぽつりと亡くなって行きます。時間の流れは残酷ですが平等だなと読んでいて思いました。 -
1度目より2度目、3度目の方がジーンとくる。おイモは きっとモモヨちゃんが寂しくないように時々いなくなっていたのかな。でも、レオンさんの所で楽しく過ごしていると思えば悲しくないね。みどり、モモ、ヨモギ色、キンモクセイ…ファンタジーのような、でも、きっと本当にあると信じたい素敵な物語。すごく好きだな、この本。
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あかるいかなしみが、しみじみと漂う物語。
「ばたばたばかまる出しにあばれていたのが、今はだかれたままじっとモモヨの顔に顔をこすりつけてくる」p86
歳を取った雑種犬のオイモ。
過去と今とが綯い交ぜになって、記憶の中に混在する。いなくなったり、現れたり。
わが家の雑種犬もおじいちゃんになり、「ばかまる出し」だった幼い頃が懐かしいけれど、モモヨとオイモみたいに、どんどん距離が近づいて、どんどん切なくなっている。 -
びっくりするくらい面白かった。
間違いなく童話なんだけど、大人が読んだ方が面白いかも?いやでも子どもにも読んでもらいたいし。と唸りました。深読みすればするほど面白くなっていく作品。
おばかな犬のオイモと、小3のモモヨちゃんの掛け合いが絶妙におもしろくて、モモヨちゃんがふわふわと夢の世界に入っていくのを、姉のみどりちゃんが連れ戻す。
子どものちょっとおバカな感じ、冒険したくなる感じ、を絶妙に描いている文章が癖になるので、ぜひ読んでみてください。
子どもにも読ませたいけどこれは大人にも読んでもらいたい。天才。 -
オイモは確かにいた。
そして、レオンさんも。
気がつくといなくなっていて、
レオンさんのところにいるオイモ。
でも、オイモもレオンさんもなんだかいつも唐突なのだ。。
不思議な文体が、子どもの頃に好きだった少女マンガみたいだったりして、
おイモは、
子どもの頃一緒だったタロに似ていたりして、
なんだか懐かしかった。
加藤久仁生さんの挿絵、とっても素敵。
モモヨのきいろいかっこいいレインコートや、レオンさんの緑色のコート、すてきなんだよなぁ。
ヴァージニア・ウルフの『波』と、
なんだかどこか
似ている。
ほんとに、
いろんなことを、おもい出しますね。 -
小3のモモヨは、モモヨが生まれる前からいる犬のオイモと両親、中学生の姉みどりちゃんと、田んぼが広がり森や池がある田舎町に暮らしている。ご近所のステキなおばあちゃまレオンさんのお家や、カッパの池、裏のお稲荷さん。モモヨとオイモののんびりなお散歩や、家でのみどりちゃんとの会話がモモヨの目線で楽しく語られていく。
モモヨの楽しげな語り口と、水彩画のやさしい挿し絵でスイスイ読ませてくれる。でも途中から、これはどういうことなのかと不安になり始める。読後をふんわりとした気持ちにしてくれるが、小学生が読んでも状況理解できるかな?そして、時代はいつ頃なのか?
大人のメルヘンになっていないか? -
装丁がとても素敵で、文章とイラストのバランスが心地よい。
モモヨとオイモの深い絆も、レオンさんとオイモが誘うちょっと不思議な世界も魅力的だった。 -
「モモヨは小学三年生。オイモはモモヨの家の犬のこと。オイモはときどきいなくなるけど、いつも暗くなるまえに帰ってくる。それが、その日は夜になっても帰ってこなかった。でも心配してるのはモモヨだけ。みんななんでか気にしてなくて。そこにいること、もうそこにはいないこと、ほんとうのこと、ゆめのこと。すべての境目が浮かんでは消えながら、『つみきのいえ』の加藤久仁生の絵とともに紡がれる、ときどきとえいえんの物語。」