- Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
- / ISBN・EAN: 9784835441313
作品紹介・あらすじ
幼い頃にお母さんを亡くし現在はお父さんと二人暮しのルミは、以前両親が住んでいたという家へ引っ越してきた。ある日、二人で森へピクニックへ出かけると、お父さんはなぜか突然姿を消してしまう。必死でお父さんを探すルミは、近くの墓地で不気味な"黒いもの"に遭遇するが、何とか逃げ出したところを「とき老人」と李エルザら「オレンジ党」のメンバーに助けられる。世界を司るという三つの魔法、「時の魔法」「黒い魔法」「古い魔法」とは?そして5つの「黒い釜」とは何か?日本が生んだファンタジー文学の傑作、「三つの魔法シリーズ」第一部。
感想・レビュー・書評
-
闇の中のオレンジより話がわかりやすい。不穏な所も少年少女が活躍するので少なくなり希望に向かっていく、しかし、独特な不穏な感じは、やはりある。ドキドキというかモヤモヤというかあの言い表せない不穏な感じが好きだ。次巻も期待したい。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
版画の挿絵が重くて暗い雰囲気を出してるな、と最初思ったけど、段々かわいく思えてくる不思議。ナメクジのところは思わず身震いしました。
-
半分ほどで挫折。面白くないわけじゃないんだけどなんとなく読むのが辛い。今じゃない時にまた読みたい。
なんだか、学級文庫に並ぶ、古臭いボロボロの本に混ざってそうな本。
小学校の頃の嫌な空想がそのまま物語になったみたい。 -
オレンジ党シリーズ一作目。
相変わらず全体に漂う気持ち悪さがとても子ども向けとは思えない。
現実的な地道な作業の部分と、非現実的な戦いの描写の乖離が特徴的。 -
オレンジ党シリーズ第1弾、まだ秘密が解き明かされていないものが多かった。
なんともいえない不気味さがいい。
-
光車よまわれ!の作者による、オレンジ党シリーズ第1弾
-
何かがひたひたと迫ってくるような、なんだか知らないうちに不可思議で恐ろしいことに巻き込まれていく小学生ルミとその仲間たち「オレンジ党」のお話。洋服ダンスの向こうにある別世界、ではなくていま自分の暮らしている世界で次々と妖しいことが起きていくところがミソ。こどもの頃に読みたかった気もするけど、もし読んでいたら、臆病なこどもだった私はコワイ夢を見まくり、どこに行くにもびくびくしていたかもしれない。
-
筑摩書房から1978/06に出版されていたオレンジ党シリーズ第一作。<br>復刊されました。<br>切り絵で抜き取られたかのような日本の風景。どこにでもある団地のすぐ側。逢うが魔時に向こうから来る人影は敵。こどもの頃、知識より先に感覚が訴えていた世界がここにじわじわと広がります。<br>
これはもう絶対買いの一冊。和製ファンタジーの傑作。シリーズ全て揃えたい。<br><br>
↓シリーズ続刊<br>
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/483544132X/clearoccasiob-22" target="_blank">魔の沼</a><br>ブッキング (2004/11)<br>
オレンジ党シリーズ二作目。筑摩書房/1976/12出版の復刊<br><br>
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4835441338/clearoccasiob-22" target="_blank">オレンジ党、海へ</a><br>
オレンジ党シリーズ最終巻。筑摩書房/1983/12出版の復刊<br>
物語はいつか終わるものだけれど、終わってしまうのがあまりにも切ない。もっと続いてくれたらいいのに。そう思ってしまう物語。<br><br>
ところで<br>
参考までに以下のアラン・ガーナーの本を紹介<br>
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4566010821/clearoccasiob-22" target="_blank">ゴムラスの月</a><br>アラン・ガーナー, 久納 泰之 / 評論社 (1981/01)<br><br>
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4566010813/clearoccasiob-22" target="_blank">ブリジンガメンの魔法の宝石</a><br>アラン・ガーナー, 芦川 長三郎 / 評論社 (2000/00)<br><br>
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/456601083X/clearoccasiob-22" target="_blank">ふくろう模様の皿</a><br>アラン・ガーナー, 神宮 輝夫 / 評論社 (1972/01)<br><br>
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4566010805/clearoccasiob-22" target="_blank">エリダ-―黄金の国</a><br>アラン・ガーナー, 龍口 直太郎 / 評論社 (2000/00)<br><br>
これまで<br>
そういう書評、批評を読んだことないので(ゆやの不勉強かも知れませんが)<br>
あくまで自分としてはこういう類似点があるように感じた、ということで書きます。<br>
ただちょっとネタバレもあるので一部反転にしときます(汗)
天沢氏のオレンジ党のシリーズはケルト系。あるいはアイルランド、スコットランド付近に広く分布する民話神話群に想を得ているのではないか。<br>
違うと言うことであればそれは又別に興味深いのだが<br>
<FONT color="#f4f4f4">まずグーンの黒い釜。<br>
アーサー神話で有名な聖杯思想は元は釜であったという。
三人の魔女が釜を混ぜている。三人の魔女は運命を司る。といったイメージが欧神話群では類型的に見られる。<br>
その釜に対するイメージの扱い方がかけ離れているので
一概にその神話民話群の類型と見なすわけではないが
ラストのオレンジ党、海へを読むとケルト系。あるいはアイルランド、スコットランド付近に広く分布する民話神話群によく見られる西の海に向かう。という終わり方とイメージ的に重なる。<br>
これは指輪物語にも見られる土地の言い伝えのようなのですが、日本で言う西方浄土とか、蓬莱とかああいう感じらしいです。</FONT><br>
天沢氏とアラン・ガーナーの物語は土地に対する骨太なとらえ方や、民話神話群をさりげなく物語に織り交ぜるその語り方、視点が非常に似通っているように感じられます。<br>
是非合わせて読み比べていただいたら面白いのではないかなーと。
-
小学生の時何気なく手に取った本が、日本を代表する名作であることは大変うれしい。
ファンタジーとリアリティーが乖離せずに、かといって融合もしない気持ちの悪さも良し。
当時、雨の日は何とも不思議な気持ちになったものでした。