新「根性」論 ~「根性」を超えた「今どきの根性」~ (マイコミ新書)

著者 :
  • 毎日コミュニケーションズ
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784839930103

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  • [ 内容 ]
    大不況を乗り切る強い心は「星飛雄馬(巨人の星)」より「桜木花道(スラムダンク)」型。
    100年に一度の大不況、根性さえあれば乗り越えられる。
    ビジネス、スポーツ、世界を問わず、大きな成果も夢ではない。
    だがしかし、昔ながらの根性では、心は磨り減り、増えていくのはストレスばかり。
    不安や焦りもつきまとう。
    それでは、いつしか心は折れてしまうし、成果なんて出せっこない。
    心をかき乱す雑音と、どう闘うか。
    それが真に問われている。
    本書で示すのは、今どきの新しい根性。
    手に入れるのは、大変だけれど、「プチ楽しい」とさえ感じられ、大不況さえ乗り越えられる新根性の世界にご案内。

    [ 目次 ]
    第1章 知らぬ間に旧根性で乗り切ってきた
    第2章 根性にも新しい根性がある
    第3章 偽の根性とは
    第4章 新根性の宿る人・組織
    第5章 新根性を鍛える
    第6章 新根性は自分のためだけじゃない!
    第7章 新根性はこうして鍛えられる

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    [ 参考となる書評 ]

  • 先日この本を購入しました。作者の辻秀一先生に目が留まったからです。辻先生は、私が通っていた鍼灸学校に併設されている柔道整復科の講師をしており、一度だけですが、臨床医学総論が休講になったときに、その代講として辻先生が授業をしてくれたことがあります。辻先生のお父様は元外科医で、私たちの臨床医学総論の授業を担当していたので、その代講として息子さんがいらしたという背景がありました。
     さらに鍼灸学校を卒業後数年経ったころ、何気に点けていたテレビで辻先生をお見かけしましたが、それはある事件の体験談を語る医師というニュース映像ででした。その事件とは、フライトシュミレーターマニアの男性が、機長を殺傷して操縦席に入り込んで飛行機を運転してしまうというとんでもないハイジャック事件でした。辻氏はたまたまその飛行機に搭乗していたようで、殺傷されたパイロットの脈を診て死亡を確認したことや、事件が起きたときの機内の状況などを語っておりました。
     一回しか受けていない授業でしたが、辻先生は一つ一つ理屈を積み上げていくような納得のいく、魅力的な授業をしてくれまして、とてもいいん先生だなぁと言う印象が残っておりました。またニュースで事件を語る先生は、とても冷静な視点でしたので、やっぱり信頼できる先生だったんだなぁと感じておりましたので、本屋さんでこの新書を見かけたときに、懐かしくもあり、またタイトルにも魅かれて購入しました。

     と、前置きはこの辺にしておいて、本書の内容です。

     タイトルからも分かりますように、これまであるようないわゆる“すぽこん(スポーツ根性もの)”的な、悲壮感漂う根性至上主義ではなく、それにかわる、新しい根性を考えてみようというものです。
     氏は本書の中で、ある状況や出来事に対して、人が取る思考パターンを四つに分類しています。それは「根性なし」「偽根性」「旧根性」そして「新根性」です。最初の二つは、解決すべき問題に対して向き合うことを避けているので、問題を解決しようとする以前なので、ほぼ除外しています。後者の二つは、問題に対して真剣に取り組もう、一生懸命に努力しようという方向性は同じなのですが、そのアプローチする心持ちが違うという分類です。
     旧根性は「気合い」「苦しさに耐え忍んで」「歯を食いしばってがんばるんだ」という精神状況にあり、耐えることによっていい結果が出ると思っている思考だそうです。それに対して新根性は、自分の心は自分で決めるという信念の元に、思考や表情、言葉や態度と言ったものを常に高い位置でキープしておくことを言っています。

     単純に、思考や表情、言葉や態度が高い位置にあればそれは“好調”と言うのは当たり前で、それが新根性だといっても、新しい価値観の想像にはなっておりません。それができないからみんな困っているわけです。

     そこで本書では、その高い位置とはどのようなものかというのをフロー状態と定義しています。

     フロー状態とは、「揺るぎがなく」「とらわれがない」状態のことを言います。具体的にはどのようなことを指すかは本書を読んでいただくとして、本書の内容を突き詰めていくと、最終的にはこの“フロー状態の維持”をすることが、新根性であると要約されると思います。
     本書には、このフロー状態を維持するための方法論がいくつか載っておりますが、“言い訳をしないこと”“自分自身が選んだ道であると自覚すること”“今に生きること”などが挙げられております。
     これらもまたごく普通といいますか、ごく当然のことと思いますが、実は実際の生活ではあまり意識してできていることではないのかもしれません。毎日のよしなしごとに右往左往し、自分がどこに進んでいるのかわからないことも多く、どんな状況にいるのかも見えていないのかもしれません。だからこそ、辻先生が本書で説くような、ごく当たり前のことをきっちりやっておくことが、結果として自分を向上させる“新根性”になるということなのかもしれません。

     本書は、努力をしているのに一向に向上している感覚がない方や、努力の仕方がわからない方、気持をどう維持していいかわからない方などにお薦めです。辻先生の人柄が表れた好著ですので、とても読みやすく判りやすい内容になっております。

  •  この本は、東京保育のRずきに去年オススメされてて、読んでみた本。「スラムダンク勝利学」の辻秀一先生の書いた本。まだ直接お話したことはないけど、Rずきはもちろん、wakuwaku39ちゃんも先生と慕っていたり、もっと身内の○○○も一緒にやっていくことになったとか、時間が経てば経つほど身近な人から名前を聞くようになってる、今年絶対会うことが予感できる人です。
     で、この本が大きく伝えたいことは一つだと思いました。「自分の夢を実現したいなら、その為にがむしゃらに頑張ることを今どきの根性とは言わない。頑張り方にも方法論があって、それが今どきの根性であってそれを身につけてる人こそが『根性のある人』っていうんだ。」ってことでした。
     で、その方法論は一言で言えば「『揺らがず、捉われず』の理想的な精神状態になるべく早くなり、より長く維持できるようにするやり方。」になる。詳しくは本を読んでみて欲しいと思いますが、あまり特別なことは言ってないと思います。ただ、それが何故大事なのかがたくさん書いてあって、腑に落ちる。いい本でした。
     僕が一番大事だと思ったことは、失敗しちゃいけない場面での失敗も受け入れること。どんなに完璧に準備をしても、うまくいかないこともある。100%なんて無理だ。それを受け入れることで、ちょっとうまくいってるときも変に気負わずにリラックスできる、だからこそ本来の力が発揮できる。そういったことは「自分の持てる全てを傾けてこれに打ち込むんだ」ってしがちな自分ではあんまり考えていなかったことで、もちろん手を抜くというわけではないけど、力を抜いてもこなせるレベルに持ってったら無理しなくても良いのかもな、と思いました。
     「いつも70点の人がえらくなれない理由は、100点が必要な場面でも70点しか取れないからだ。」こういう一節がどこかの本に書いてあった。これも間違いないと思う。ただ、その100点を取るには、気負っちゃいけないんだなと。もう少し、自分の意識の使い方を考えてみるべきかなと思いました。あと、結果が出ないことで自信がつかない。これがナンセンスだって話も参考になった。元々、自信なんてものは「自分を信じること」に過ぎないのだから、結果の良し悪しは自信の有無には無関係。確かに、そうだ。
     「自分を信じているかどうか?」と問われたときに間違いなく「Yes!」と言える自分でいるなら結果は関係ない、と思うと、なんとなく気が楽になりました。
     この本は新しい発見があると思います。ビジネスもスポーツと同じでチームワークと個性がうまく噛み合うことで結果を出していくのであれば、使える場面はそこら中にあるんじゃないかと思います。よかったら読んでみてくださいね。

  • スポーツドクターである辻先生の著書。

    セミナーに参加した際に、本書をいただきました。

    内容としては、旧態依然の精神論である旧根性、その他にも偽根性など様々。

    これらと、新たな根性論である「新根性」の比較のお話がメイン。

    スラムダンク勝利学の著者であるだけに、文中にスラムダンクの逸話が複数出てくるので、スラダン好きにはなるほどなと思うかもしれません。

    イチローが新根性の持ち主という例えは、すごくわかりやすかったです。

  • チクセントミハイのフロー理論。
    目的に向かって夢中になっている時が最高の状態。
    縮むのではなく、目的に向かって目の前のことに開いて真剣に。

    一生懸命を楽しむ
    感謝する
    今に生きる

  • 今時のスポ根は星飛遊馬ではなく、桜木花道!だと。確かに何となくわかる。
    日常生活でも、些細なことごとの捉え方ひとつで世界が変わる、何にでも役立たせることができる応用スポーツ心理学の本。

    スラムダンク勝利学もおもしろい。

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著者プロフィール

辻 秀一:1961年東京都生まれ。北海道大学医学部卒業、慶應義塾大学で内科研修を積む。その後、「本当に生きるとは」を考え、人が自分らしく心豊かに生きること、すなわちクオリティーオブライフ(QOL)のサポートを志す。スポーツにそのヒントがあると閃き、慶大スポーツ医学研究センターでスポーツ医学を学ぶ。99年、QOL向上のための活動実践の場として、株式会社エミネクロスを設立。スポーツ心理学を日常生活に応用した応用スポーツ心理学をベースに、個人や組織のパフォーマンスを、最適・最大化する心の状態「Flow」を生みだすための独自理論「辻メソッド」でメンタルトレーニングを展開。37万部突破の『スラムダンク勝利学(集英社インターナショナル)』をはじめ、『リーダー1年目からの教科書(ぱる出版)』『自分を「ごきげん」にする方法(サンマーク出版)』『禅脳思考(フォレスト出版)』 『さよなら、ストレス(文春新書)』など著書他多数。最新刊は『Play Life, Play Sports~ スポーツが教えてくれる人生という試合の歩み方~(内外出版)』

「2018年 『メンタルトレーナー直伝 先生の“ごきげん思考”で、授業はうまくいく!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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