- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840241694
作品紹介・あらすじ
リュビンハイゲンでの騒動が丸く収まったことを祝し、ホロとロレンスはノーラと食事をしていた。しかし、体調を崩したホロは、不覚にも宴会の最中に倒れてしまう。そんなホロを見て、ロレンスは看病をしようとするのだが…?シリーズ初のホロ視点で語られる書き下ろし「狼と琥珀色の憂鬱」に加えて、ロレンスと出会う前のホロの旅を描いた「少年と少女と白い花」、港町パッツィオでの二人の買い物風景「林檎の赤、空の青」など、「電撃hp」に掲載され好評を博した2編を収録。絶好調の新感覚ファンタジー、"色"をテーマに綴られた珠玉の短編集。
感想・レビュー・書評
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狼と香辛料シリーズの七巻は短編集。初めてホロ視点で話が展開する「狼と琥珀色の憂鬱」など中短編、計3編の構成になっています。
語るべくはやはり「狼と琥珀色の憂鬱」
時系列的には2巻の直後。羊飼いの少女・ノーラとなんとなくいい雰囲気のロレンスに対し、ホロが抱いた感情とは?
いつもロレンスを翻弄し笑っているのがホロに対するイメージですが、その見方がちょっと変わる一編。神様・精霊、そんな人ならざるホロの人間らしさ、さらに言うなら女の子らしさがこれでもか、とさく裂します。
ロレンスはロレンスでいつもホロに心を乱されていますが、ホロもホロで意外と心の中はひっちゃかめっちゃかでした(笑) 天然の恐ろしさというべきか、惚れたものの弱さというべきか。
まあこの二人の場合は、両方が両方とも弱いという印象になるけれど。
「少年と少女と白い花」は、ホロがロレンスと出会う前のエピソード。
一人の少年を軸にまだ見ぬ世界への冒険、初恋、恐怖と勇気などが描かれます。全体的に瑞々しい印象があって、どこか児童文学を思わせる懐かしい雰囲気がありました。
そうなるとホロの部分だけがなんとも刺激が強い。耽美な雰囲気になるところもあって、ちょっとどぎまぎしてしまった。少年に対してうらやましいような、同情してしまうような不思議な感情になりました。やや中途半端に終わった印象があるから、後日談があったらうれしいなと思います。
「林檎の赤、空の青」は1巻直後のエピソード。この話は狼と香辛料シリーズらしく、商人同士の心理戦や駆け引きが面白かった。ホロという美女の存在をこれでもかと利用するあたり、ロレンスという商人の抜け目のなさを改めて感じます。
ロレンスがホロの心理を推察する場面は、シリーズの中でちょくちょく見られたけれど、この巻で彼女の心理が明確に描かれたことで、よりシリーズの読み方が深まりそうな気がします。せいぜい最終巻まで面倒くさく、イチャイチャしてくれ、という感じです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最後のホロ視点の羊に見立てるのが良かった
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背ラベル:913.6-ハ-7
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蛇足パート2。
話にも引き込まれるところは少ない。 -
今回は短編集です。
第一話「少年と少女と白い花」は、ロレンスに出会う前のホロをえがいたエピソードで、領主の死にともなって住んでいた家を追い出されることになったクラスという少年と、アリエスというなぞめいた美少女の旅に、ロレンスが加わることになります。
第二話と第三話は、本編のサイド・ストーリーです。旅の疲れからなのか寝込んでしまったホロを、ロレンスが介抱する話では、ややデレ成分が強めのホロがえがかれています。 -
『狼と香辛料』シリーズ初の短編集。
『少年と少女と白い花』
領主の死をきっかけに、屋敷を追い出された少年クラスと少女アリエスが旅の途中でホロに出会い、旅路をともにする。
『林檎の赤、空の青』
1巻と2巻の幕間。ホロの服を買うために出かける。
『狼と琥珀色の憂鬱』
2巻と3巻の幕間。ノーラを交えた祝宴で、体調不良から倒れてしまうホロ。ロレンスに看病されながらホロはなにを思うのか。
『狼と琥珀色の憂鬱』で、ホロは日頃はこんなことを考えながらロレンスとやりとりしているんだなぁと知れたのが楽しい。そして可愛い。
商売要素はほとんどないが、キャラクターのやりとりを平和な気持ちで眺められるのでロレンスやホロが好きなら一読の価値あり。(『少年と少女と白い花』にロレンスは出てこないが) -
話は少し遡り、再度エピソードの話に。
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前回の続きたと思っていたから、短編集でビックリした。
まあ、落ち着いて読んでみれば楽しめる内容だったので問題無し。
半分はホロが一人旅をしているのが印象的だな。ロレンスに出会う前なのか、出会った後なのかで一人旅の意味合いが大分異なってくると思うが、明記されていなかったのがもどかしい。
残り二つの短編は今までの話の間話になると思うが、両方が大きな出来事が終わった後なので仲が良く、読んでいて顔がこそばゆい感じだったよ。
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前半は狼と鳥以外の動物神?が出てきたのが印象的だった。後半はホロのロレンスに対する思いが明記されているのが意外だったよ。