- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845421770
感想・レビュー・書評
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チェック項目11箇所。誰もやったことのないことに取り組むには、無数の失敗を繰り返して、その経験が蓄積となって、誰もが経験したことのない領域に足を踏み入れることができる、だけど、「失敗してもしかたがない」と思ってやってるんじゃないよ、いつも、成功を前提としながら模索するんだ、「これでいいや」なんて妥協してたら、職人の名が廃るってもんさ。勉強も出来て、親切で、仕事もできる、なんて万能である必要はない、何かひとつでいいから、人よりも抜きんでたこと、自信を持ってできることがあるといい。不可能を可能にする人は、自身を不可能を可能にするレベルまで、まず、高めるんだ、レベルの高い自分に自身を変換させることで、その立ち位置に立って挑むから結果を出せる、高い位置に立つという志があれば、限界を超えることは可能なんだよ。たとえ、気の遠くなるような失敗を重ねても、おれは、完成するまで絶対に諦めない、諦めないから、深絞りできなかった仕事は、ただの一つもないんだ。誰にもできない仕事というのに挑む時は、頭の中の固定観念を拭い去り、若々しい思考に立ち返らなければならないんだよ。天に任せるっていうのは他力本願みたいに聞こえるが、実は、もっと深い意味がある、他力とは、他者のはたらきや力に頼るのではなく、自助努力を行なう事で、はじめて菩薩の力っていうか神通力みたいなものが働いて、後押ししてくれるものなんだ。自動車はかつては自動車メーカーしか製造することができなかった、しかし、これからは、中国をはじめとしたアジアの資本金の小さな会社が、ベンチャーでも、電気自動車をつくることができるということなんだ。人間の本質は道具をつくることだ、もし売っている既製品でものをつくる、売っている機械に合わせて製品をつくる、そんな狭い了見だとしたら、陳腐な枠内でしか、ものをつくれないし、つくれるものも限られる。手を抜かないでいいものをつくる、よこしまな考えを持たずに、客の立場をくみとって仕事に取り組む、これが、職人の心意気だ。理想の自分と現実の自分のギャップに苛まれて、不安定になることなんて、人間なんだから、しょっちゅうあるさ、アインシュタインも、小さいことにクヨクヨする男だったらしいし、釈迦も想像するに、相当、自己嫌悪の強い人間だから、全てを捨てて出家したんだな、きっと……。発想というのもひとりでするものだが、もし、そのアイディアを、みんなが賛成したら、その発想は斬新ではなく一般的なものだ、みんなが反対するアイディアこそが斬新なんだ。
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深絞りの技術で、痛くない注射針で有名になった、岡野工業社長の岡野雅行さんの本。
技術にこだわり、出来ないことはないといったこだわりの親父さんのお話し。
近々、岡野氏の講演を聴く機会があり、ちょうどいいタイミングに読むことができた。
読書メモは目次に沿って、気になった部分を、より原文に近く抜粋引用しておく。
第一章 目に見えないもの
泣き言で明日は拓けるはずはない
次元を超えた視点から
幸運の女神の好みのタイプは?
燻っている時間の意味
・人生でくすぶっている時間というのは減り張り(メリハリ)の減り。その後は必ず張りがやってくるのだから、燻っている時間というのは、その時に何をするかで無駄な時間ではなくなるのだよ。
目にはパンチだ
ポルシェに乗る人
・作っている間は、誰も褒めてくれないからモチベーションを維持するには、自分で自分自身を盛り上げるしかない。いくら努力しても最終的に品物が完成しなければ、全く評価されないのが「製作」というさぎょうなんだ。
ヒトのプログラム
鈴でわかった、つながっている感覚
・継ぎ目のない鈴(ラオスの鈴:鋳造)
不可能を可能にするレベル
・たとえ気の遠くなるような失敗を重ねても、俺は完成するまで絶対に諦めない。諦めないから不可絞りではできなかった仕事は、ただの一つもないんだ。
親父とおれ
大病して気がついた
第二章 発想
子供に可能性がある理由
ひらめきというもの
・発想には元手というのがちっともかからない
・画期的な発想というのは、自分自身の限られた頭脳で思考するというのではなく、もっと大きな全体をとらえて、どうすれば不可能が可能になるかをイメージし、それを繰り返しながら、具体的なことに落とし込んで行くんだ。
俯瞰で全体を
・昔の中国の人は「燕雀いづくんぞ鴻鵠の志を知らん哉」と言った。
・傍目八目
勝負師は運を天には任せない
成熟した技術
第三章 技術
ドイツでも真似できない
決断するということ
たいへんな時代が到来した
・自動車=電気メーカー、アジアのベンチャーがつくれる
謙虚になれる人
職人組合バンザイ!
第四章 道理
売れない時代、どうやって売り込むか
町工場は日本の油田
あんた耳も悪いけど…
情報万有引力
修学旅行に憧れて
空腹を抱えて夢を抱く
技術の空洞化がとまらない
馬鹿にはつける薬がない
中庸の徳たるや
お金の話
とどのつまり
第五章 世渡り
学がなくても
見えるか、見えないか?
孫が「岡野工業を継ぎたい!」っていったら
火事場の馬鹿力
先んずれば…
・世の中は絶えず動いているから、新製品が世に出れば、消える製品も出てくる。仮に一斉風靡した製品でも、より安価なもの、優れたものが出ると淘汰されるから、経営者は、「革新」「情報」「見極め」を更新し続けなければ、時代に取り残されてしまうのだ。
健全な仕事は突き詰めていくと
人とつきあう覚悟
知恵のある人、慈悲のある人
・人づきあいでた維持なのが、謙虚であること。人間、器の大きい人や上に登っている順に謙虚な人が多いのが世の中だ。
変わった人がトップに
町工場の社長は営業してナンボ
「つぅ」「かぁ」のコミュニケーション
新円切り替えの可能性
鍛冶屋の息子とは釣り合いにくい
第六章 生きることは全力疾走なり
勤勉を馬鹿にしておかしくなった
微分積分が解けることより重要なこと
神の奇跡を超える業績
認めてもらわなければクズ同然
平身低頭でも羽振りがよくなると
・(アマダの所長の話)35万円の頭金で、60回払いのローンで旋盤を購入。さらに、仕事をとってきてくれて得意先を紹介してくれた。
小さいことにクヨクヨして何が悪い
鉄砲玉の若い衆がモテる理由
語録―考えて行動する種