出版社と書店はいかにして消えていくか: 近代出版流通システムの終焉

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  • 論創社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846007737

感想・レビュー・書評

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  • ドキ!

    『先人の仕事を抜きにして、「知の巨人」も成立しないことを教えてくれるし、私なども何よりも自戒しなければならないと思う。』
    13.立花隆が亡くなり、偉大なジャーナリストとしての追悼の言葉があふれるように続いている。
    出版状況クロニクル159(2021年7月1日~7月31日) - 出版・読書メモランダム
    https://odamitsuo.hatenablog.com/entry/2021/08/01/000000

    出版社と書店はいかにして消えていくか | 論創社
    https://ronso.co.jp/book/出版社と書店はいかにして消えていくか/

  •  図書館より

     本の返本率というのは年々上昇しているそうです。つまり本が売れていない、というわけなのですがそれでも本の出版数自体は増え続けているそうです。

     本の中で書かれていたことで印象的なのが、本の価値の転換の話。昔は文化財として本はその価値を持っていたのですが、それが今は娯楽のための消費財となってしまった、ということ。僕自身再読する本はあまり多くなく、次々と読んでいっているので、本を消費財として扱っている側面は大きいのかな、と思います。

     そのために次々と本を売り続けなければならなくなった出版社、それに加え書店の郊外化、バブル景気などで増長した出版社は今危機を迎えているとこの本は説きます。現状では今一つ実感がわかないのですが、再販制度などの制度が見直されたら、今の出版業界はがらりと変わるのだろうな、とは思います。どこかでブレーキをかけるタイミング、というものが必要になってくるように思います。

  • ふむ

  • 出版流通の分析が通時的にわかりやすくなされている。
    学術書ではないので、読みやすい。

  • 2011 8/6読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。
    書店数の減少が始まりだした当初、90年代半ばの書店・取次・出版事情について書かれた本。
    業界について会計事情等まで突っ込んだ話は著者の本以外今のところ見かけないので有難い・・・と同時にもっと先に読んでおけばよかったとも思う。
    返品率増や新刊ラッシュは書店サイド(書店バブル⇒返品による金融機能の活用)が契機を作っている、という見方は新鮮で面白い。

    ・70年代・・・近代⇒現代への移行とともに業界が苦しくなり、委託制度/再販制度も見直しの時機との論が出始める
     ⇔・郊外型書店が売上を伸ばし問題が先送りになる
    ・80年代郊外型書店ラッシュ・・・出版・取次が変わらないまま書店だけ変わる。
    ・書店バブル・・・開店口座+リース方式+大店法改正で開店は容易に/利益率は悪化。
     ⇒・90年代に書店バブルが弾け・・・

  • マーケットを作るべし。


    本は文化財ではなく、単なる消費財である。

  • 内容が古すぎて(2002年くらい?)参考にならない!

  • 経済の話は難しく、しっかりと理解したとはいい難い。出版の流通システムにおける下部構造に含まれている書店は、その郊外への進出や出店数の急増、また、本の出版数の増大などの影響の中で、変化していっているのに、上部構造としての、再販制度といったシステムは温存されている、という指摘がわかりやすかった。出版業界の未来が明るくは決してことがよくわかり、自分の将来の目標の設定として、そうした不利な状況の中でも生き残っていける企業を見きわめる一つの指針にこの本をしたい。

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著者プロフィール

1951 年、静岡県生まれ。早稲田大学卒業。出版業に携わる。著書に『新版図書館逍遥』(論創社)、『書店の近代』(平凡社)、『〈郊外〉の誕生と死』、『郊外の果てへの旅/混住社会論』、『出版社と書店はいかにして消えていくか』などの出版状況論三部作、インタビュー集「出版人に聞く」シリーズ、『出版状況クロニクル』Ⅰ~Ⅵ、『古本探究』Ⅰ~Ⅲ、『古雑誌探究』、『近代出版史探索』Ⅰ〜Ⅶ、『新版 図書館逍遥』『私たちが図書館について知っている二、三の事柄』(中村文孝と共著)(いずれも論創社)。訳書『エマ・ゴールドマン自伝』(ぱる出版)、エミール・ゾラ「ルーゴン=マッカール叢書」シリーズ(論創社)などがある。『古本屋散策』(論創社)で第29 回Bunkamura ドゥマゴ文学賞受賞。ブログ【出版・読書メモランダム】https://odamitsuo.hatenablog.com/ に「出版状況クロニクル」を連載中。

「2024年 『出版状況クロニクルⅦ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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