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- Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
- / ISBN・EAN: 9784846014063
感想・レビュー・書評
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講義録なら理解しやすいかと思ったが、アーレントの政治に関する著作についてのものではなく、哲学的な側面にフォーカスしたもの。おかげでさっぱり分からない。
講義録とほぼ同分量の、訳者による「解題」はそれなりに分かりやすいのだが、どうも訳者の恣意的な部分が気になってしまう。
なかで、人間の複数性を担保する原初として、『創世記』には両性間の区別がすでに明らかに語られているのであり、神は「男と女にかれらを創った」ことも明らかにしているとするアーレントの視点には首を垂れるのみだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アーレントは思想活動よりも実践的活動を高く評価する。
アーレントはユダヤ教がユダヤ性となる世俗化の過程には所属という名前での特質の放棄が見られるが、そういう世俗化の過程が20世紀欧州のショア―に至る不幸な結果をもたらしたことは明らかだと解釈している。ユダヤ人であることが、どこに行っても宗教的、政治的な意味を抜きにして心理的に拒絶反応を呼び起こすものとなり、ユダヤ性にすり替えられてしまい、それ以降は優秀だけを基準に扱うようになった。
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