発達障害でつまずく人、うまくいく人 (ワニブックスPLUS新書)

著者 :
  • ワニブックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784847060373

作品紹介・あらすじ

「発達障害」という言葉が広まって数年。大人では広汎性発達障害とADHDを合わせると100人中2〜3人はいると言われます。まわりの人の理解を得てうまく生きられる人とうまくいかず苦悩する人の違いは何か?発達障害は治る治らないではなく、大人になっても発達して変わっていくもの-産業医、そして開業医としてうつ病の治療そして復職サポートに当たるなかで発達障害と向き合ってきた著者が、さまざまな症例を交えながら本人と周囲の人が発達障害と「うまくつきあっていくコツ」を解説します。

感想・レビュー・書評

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  • 事例を交えながらの説明が多く、発達障害を知るには分かりやすい本です。しかし、発達障害で、うまくいくためには、社会で必要なことを学んで覚えて、知性で補うことを推奨されているように感じました。また、発達障害の方は知能の高い人が多いという記述が多く、発達障害の方全般に向けたアドバイスではないように感じられるものが多かったです。結局、この本を読んだだけでは、具体的な改善策は得られないように思いました。

  • 『大人の発達障害』などの著書がある精神科医の新刊。
    発達障害の特徴、症例、対処例、社会的支援など多岐にわたる情報がコンパクトにまとめられている。当事者にも、家族などの周りの人にも役に立つ本。
    読みやすくお勧めできるが、情報自体は類書と大差ないので、購入するならどれか一冊で十分だろう。

  • 読み始めたけど、わかりやすい文章で発達障害の具体例を書いてあるので、それ、俺、俺、みたいな感想を抱けます

    発達障害傾向にある人は、漢字など記憶できる分野は強いが、作文は苦手とあり、作文を書かせたら、◯時バスに乗り、◯へ行った、という事実は書くが、自分の感想を述べるのは苦手である、と書いてある。
    それは、僕は今でもそうですね。
    今、就労移行支援で日報を書くが、事実しか書かない、支援員から振り返りを書いてください、といわれて、振り返りはできたこと、苦手なことを書いてください、といわれて、ぼくは、なるほど、その振り返りから特性を見出し、仕事に結びつけるのですね、と答えておきながら今でも、事実を大半に書いて、一行くらい、パソコンのワードの表作成を覚えるのは大変、としか書かない。
    本書には感想文が苦手だ、ともある。ぼくもそうでした。
    社会や理科など、知識中心の科目は強かった、ぼくも社会、得意でした。子供の頃の花形は体育ができる子供で、ぼくはひたすら劣等感しかありませんでした。
    しかも、日本社会は、特に保守的な大人は、知識より知恵だとか、意味不明なことを言う傾向にあり、僕はその知恵とやらもなく、劣等感にさいなまれてきました
    親だから特別な存在ではない、という意識が薄い、とある。僕もそうです。
    発達障害か人格障害か、見極めるためにも、性格検査が必要とあるが、僕が受診した医師では性格検査はしなかった、ウーム、大丈夫だろうかw
    僕の場合は、ADHDのほうが強いのではないだろうか。注意散漫だしw
    発達障害の傾向にある人は、アイコンタクトが苦手で、他人から目を合わせて会話する、とアドバイスされると、ずっと見ているので、逆にそれは、見過ぎだ、といわれ、自然に、とか、適当に、といわれると、なおさら混乱する。
    わかるわあ。

    僕は昭和の人だから、アレコレ、親からいわれて、しかも、父親が怖いので、発達障害特有の社会性障害は、見えづらいかもしれない。一応、挨拶はするしなw

    発達障害の特徴は、言葉を真に受ける、がわかりやすい。僕なんかいつもそうでしたw

    ADHDは、人に対する気遣いはできるので、営業には向いているが、注意散漫だから、事務は向いていません、とある。そうかあ、事務は希望しませんw

    発達障害の素直さと、日本社会が求める素直さには、ズレがある。よく、素直がいいとか、松下幸之助に感化された企業経営者は述べるが、だったら、発達障害の素直さを評価すれば良いが、そうではない。
    素直とは、まさしく、素直であり、上司にも客にも、君、それは、間違いだ、と言えるのが、素直だろ。
    違うか?

    特性エピソードは、大爆笑できたが、対策はつまらないよね。

    最後に発達障害者への励ましの言葉をこの本に書いてある言葉で締めくくります。

    「発達障害は治らないが、発達して変わるから悲観するなよ」
    (精神科医・神田橋條治)

  • 「広汎性発達障害」について書かれた本。
    その障害の特質から、障害を抱えた人のサポートにまで言及されている。

    「広汎性発達障害(含、アスペルガー)」の人は100人に1人はいるという。実感として「そんなに少ないかなぁ」と思うのだが、ADHDを含めると100人に2,3人はいるらしい。

    この障害をもっていたとしても、頭脳は優秀、成績も良く問題もおこさず手のかからない子供時代を過ごしていることが多く、問題視されるのは学生時代を越えて社会で働くようになり「仕事のうまくゆかなさ」「生きづらさ」「二次障害としての鬱」に悩み精神科を自ら受診する場合が多いという。

    ADHDであれ発達障害であれ最近はその言葉にも馴染みがあり、理解しようと思えばいくらでも本があるし、ネットで自己診断さえできる。

    「生きづらさ」に理由が欲しいのは、それを抱えた人なら誰でも共感できること。今まで「他と違う」自分について的確に言い表す言葉もなく「社会に適応できない自分」を常に責めて生きてきた人なら尚更に安心感が与えられるだろう。

    発達障害やADHDとまではゆかないけれども、その境界にいる人もいるだろうし、そういう病名を明らかに拒否している人もいるだろう。
    いろんな症状のミックスされたタイプ、重度、軽度と差もある。
    自分の特質を知ることは大事。知ることで「生きづらさ」が少しでも解消できるのであれば。

    自分が「定型」に発達してると思う人も、このような本を読むことで、人間の理解が深まるのではないかと思う。

  • 発達障害と呼ばれる人々の対処法が書かれている。

  • 成人の発達障害の方が職場などでどうしたらいいのかなどが、具体的に書いてあります。

  • かなりよかった。自分が発達障害かどうかはさておき、空気読めないところ、自分も周りも気づいている。じゃぁ、どうするってところが、自分でもいまいち分からなくて、しっかりしろとかしか言われなくて困っていたけど、手立てが具体的に書いてあって納得した。あとは、これを実践するのみなのよね。こういう本を求めていたのでよかったー!

  • 「たとえ他人から『何をやってもうまくいかないやつだ』などと誹謗されたとしても、『いや、自分はこれでいい』と心から思うことができれば、すっきりと解決できるような気もします」

    この本に出てくる人たちは私と同じ。文章で自分のことを説明されてる感じがして、読んで自分のことを確認してるみたいでとてもすっきりした。

    大人の発達障害に関する本は、最近たくさん出てくるようになったけど、この本は私にとっては、かなりしっくりきて、とてもよかった。

    ADHDじゃなくて、広汎性発達障害やアスペルガー選りの本。

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著者プロフィール

1972年沖縄県那覇市生まれ。精神科医。吉祥寺クローバークリニック院長。精神保健指定医。琉球大学医学部卒業。同附属病院、旧・東京都立府中病院精神神経科、聖路加国際病院麻酔科、JR東京総合病院メンタルヘルス・精神科などを経て、2007年より現職。著書に『発達障害でつまずく人、うまくいく人』(ワニブックス)、『大人の発達障害』(マキノ出版)などがある。

「2017年 『大人の自閉スペクトラム症』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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