憂鬱探偵

著者 :
  • ワニブックス
3.11
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  • (2)
本棚登録 : 201
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784847072543

作品紹介・あらすじ

「情熱大陸」出演で話題!
現代ショートショートの旗手、最新作。

月曜日は気分が沈む……
注文した料理がなかなかこない……
スマホの充電がすぐなくなる……

「そんな依頼はおれにまかせ――
ないでほしい。ぜったいに。」

「憂鬱な出来事」の裏にひそむ〝秘密″をイヤイヤ暴く!
どこか冴えない探偵のショートショート。

【収録作品紹介】
足を踏ふまれる 
「私、電車でよく足を踏まれるんですよ」「お気持ちはお察ししますが、あいにく私は探偵でして……」――気乗りしない依頼のはずが、ある組織の存在が浮き彫りに……。

料理がこない
「自分よりあとに注文した人の料理がいつも先にくる」――どうにかできる問題ではないはずの依頼に困惑するも、陸上のユニフォームを着た若者が暗躍しているのを見つけ……。

ジャンケンでいつも負ける
「完全にたまたまでしょ」――しぶしぶ調査に乗り出した先には、怪しい闇賭博場が。
そこには、あいこにすら一度もならず、すべての相手に勝ちつづける男がいて……

靴下をよくなくす
「とにかく、気をつけるしかないんじゃないか」――そう思われた矢先、「うちの家は昔からやんちゃだからよくなくなります」と、謎すぎるコトバを口にする女性と出会い……

スマホの充電がすぐなくなる
「なんでこんなに減るんだろうって、毎日すごく憂鬱なんです」――どこから突っこんでいいものかと思い悩んだが、ある大学教授のスマホの使い方に愕然とし……

――など、誰にでもある「憂鬱な出来事」の裏側にある秘密を“意外な視点”で暴く。
「情熱大陸」出演で話題の現代ショートショートの旗手による9篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 「足を踏まれる」「なかなか料理が来ない」「保存しないままファイルを閉じる」「ジャンケンでいつも負ける」「靴下をよくなくす」「スマホの充電がすぐなくなる」「服が他人とかぶる」「パスワードのリセットボタンがぜんぜん届かない」「月曜日は気分が沈む」ーーー

    あるある、自分も!と思った方もいるのではないだろうか。
    憂鬱探偵こと西崎が、助手の女子大生・若菜と、そんなちょっぴり憂鬱な出来事を調査して、意外な真実を知る。
    西崎自身があまり覇気のないタイプで、好奇心いっぱいの若菜に引っ張られて、さまざまな出来事に遭遇する。
    それが赤川次郎さんとかのライトな探偵小説っぽくて懐かしくてたまらない。
    プラス、ショートショートらしい奇想かな。
    癖のない文体、程よい分量の短編集で、気軽に楽しめる。
    ゴツくてエグい小説の箸休めにもいいかもしれない。

    あと、表紙イラストが少しホラーっぽいけれど、怖いところは全然ないので、苦手な方も安心して手に取ってください。

  • シュールなイラストに惹かれて、読みました。
    日常にある、靴下が片方失なる、頼んだ食事が提供されるのが遅い、ジャンケンで負け続ける、、、等々のちょっとした憂鬱の謎を解き明かします。
    この憂鬱の原因が実際にこうだったら、ちょっとは気持ちも晴れるかな!

  • お、おぉ...はぁ......って感じの物語たち
    ...んなわけ!!と激しく突っ込みたくはならない
    思わず一歩下がって、遠くから眺めた

    元気すぎる助手?さんの雰囲気によって
    なんともシュールな?世界観が際立ってる

    この方が書いたお話が教科書に載っている!?
    今はそれが気になってしょうがない!!!

  • 「足を踏まれる」
    「なかなか料理がこない」
    「保存しないままファイルを閉じる」
    「ジャンケンでいつも負ける」
    「靴下をよくなくす」
    「スマホの充電がすぐなくなる」
    「服が他人とかぶる」
    「パスワードのリセットメールがぜんぜん届かない」「月曜日は気分が沈む」
    9話収録の短編集。

    各タイトルを見ただけでその憂鬱さが伝わる。

    間違っても探偵に依頼しそうもないこれらの案件を憂鬱探偵・西崎と助手の若菜が調査し解決に導いていく。

    発想の飛ばし方が半端ない。
    もはや依頼内容を忘れてしまいそうな展開に苦笑。

    装丁も含めシュールでぶっとんだ作品集。

  • 憂鬱な出来事ありますか?もしあったら憂鬱探偵まで。

    こんなこと相談されても困るやろ〜思わず「ブハハッ」と笑ってしまう。だけど、不思議と解決しちゃうのが憂鬱探偵。この世には知らない世界がたくさん潜んでいるようで…
    ほら、あなたのそばにもいるかもしれませんよ、彼らが(笑)
    どの話も調査内容が地味で、馬鹿馬鹿しいけど、クセになる面白さがありました。脱力系探偵物語。


    『足を踏まれる』
    調査内容…満員電車に乗って足を踏まれまくる。

    『なかなか料理がこない』
    調査内容…定食屋でランチをする。

    『保存しないままファイルを閉じる』
    調査内容…適当に文字を書いては、わざと保存せずにファイルを閉じる。

    『ジャンケンでいつも負ける』
    調査内容…じゃんけんにまつわる聞き込み。

    『靴下をよくなくす』
    調査内容…靴下がよくなくなるという人を訪ね歩く。

    『スマホの充電がすぐなくなる』
    調査内容…スマホの使い方にまつわる依頼主へのヒアリング。

    『服が他人とかぶる』
    調査内容…服が被ったことのある人に色々聞く。

    『パスワードのリセットメールがぜんぜん届かない』
    調査内容…WEBサービスに登録、パスワードの再発行申請を次々と行う。

    『月曜日は気分が沈む』
    調査内容…月曜日についての聞き込み。

  • 表紙はホラーのようだけどそんなことはない。足を踏まれるとか充電がなくなるのはそんな理由があったとは!

  • 日常の中で、困ったり不満に思ったり、イライラしがちなこと。足を踏まれる、なかなか料理がこない、スマホの充電がすぐなくなる、など。実際に同じ不満や困ったことに直面した時に、この本にある現実ではあり得ない理由を思い出すだけで、少しは憂鬱が和らぎそう。

  • 日常にあるちょっとした憂鬱を、探偵・西崎が引き受ける話。
    各タイトルが◎
    すごく困るというほどではないし、そんな目に遭うと気が滅入る匙加減。
    でも、探偵稼業なのに意外な世界の裏側を暴くので、ミステリよりSF?
    凝ってたのは、パスワードリセットのメールがなかなか届かない話。

  • 憂鬱な出来事を調べる探偵さんの連作短編集
    次はどんなくだらない相談が来るのだろう。って興味で一気に読めた。
    調べるだけで解決はしないのよね。そこらへんもゆるくってていい。

    しかし明るく元気な女子大生押しかけ助手ねぇ
    こういうキャラが受けるんでしょ って感が透けて見えてそこは興醒め

  • 短編の物語としてテンポや情景の表現は楽しめた。
    物語のオチがイマイチの物語もあった。
    家が靴下を食べる事がokなら、どんな話しも許されるでしょう。

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著者プロフィール

(著者プロフィール)
田丸雅智(たまる まさとも)

1987年、愛媛県生まれ。東京大学工学部卒、同大学院工学系研究科修了。
2011年、『物語のルミナリエ』に「桜」が掲載され作家デビュー。
12年、樹立社ショートショートコンテストで「海酒」が最優秀賞受賞。
「海酒」は、ピース・又吉直樹氏主演により短編映画化され、カンヌ国際映画祭などで上映された。
坊っちゃん文学賞などにおいて審査員長を務め、また、全国各地でショートショートの書き方講座を開催するなど、
現代ショートショートの旗手として幅広く活動している。
書き方講座の内容は、2020年度から小学四年生の国語教科書(教育出版)に採用。
2021年度からは中学一年生の国語教科書(教育出版)に小説作品が掲載。
17年には400字作品の投稿サイト「ショートショートガーデン」を立ち上げ、さらなる普及に努めている。
著書に『海色の壜』『おとぎカンパニー』など多数。
メディア出演に情熱大陸、SWITCHインタビュー達人達など多数。

「2023年 『憂鬱探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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