胃ろうという選択、しない選択 「平穏死」から考える胃ろうの功と罪
- セブン&アイ出版 (2012年12月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860086169
感想・レビュー・書評
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胃ろうを選択するかしないか、公平な立場で話してくれている本だと思う。選択したからといってそれが終わりではなく、そこからどうするかが大切である事を知る。胃ろうをしていた身内がいたので、もっと早く知っておけばなぁというのが正直な気持ち。
胃ろうの選択はある日突然訪れることもある。
そんな時に調べたりする余裕があるとは限らないし、冷静な判断はなかなかできない。
元気な時に家族と話したりしっかり考えておくべきことである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ケアマネと言う仕事をしていると急性期病院退院時に胃瘻を勧められて悩む家族に接することが多い。
家族と言ってもそばで介護する人だけでなく別居の家族もあれば遠方の親戚もある。死生観もさまざまでどういう選択をしたとしても結局後悔はついて回るのかもしれない。
ケアマネとしては家族がどういう選択をしてもそれが良い選択だったと思えるようサポートしたい。
胃瘻をしたらハッピーな胃瘻の期間をより長く保つために必ず嚥下リハビリと口腔ケアをセットで行う必要がある。これを忘れずケアプランに入れてご家族にも理解していただけるよう説明できるケアマネになりたいと思う。
またこの本にはさまざまな家族がいて長く在宅医療をやってこられた長尾先生でもびっくりされる家族がいることが書かれていた。
本当に家族もさまざま。介護を外注して自らの手を汚さないですまそうとする家族もあれば、本人の意思よりもここまでやってあげた自分に満足したい家族もいる。
在宅医はただでも過酷なのに長尾先生は本を書いたり講演をしたり。自分の身体を大切にして先生こそ長生きして欲しいと思う。 -
図書館で借りてきてから、読み出すまでに一週間かかった。
なぜなら、自分たちの選択が間違いだったと言われてしまうのではないかと思ったから。
でも、勇気を出して、読んで、とてもとても参考になった。読んでよかったと思った。
ハッピーな胃ろうとアンハッピーな胃ろう。
自然死、平穏死、尊厳死。
死生観。
生と死は決して対立概念ではなく、表裏一体。
考えさせられた。
このような先生との出逢いがあれば在宅介護はどんなに救われるだろうか。
福祉用具としての胃ろうという捉え方には驚き、でも希望も見えた。
嚥下リハビリ、口腔ケアの重要性も改めて強く感じた。
本人の状態をよく見ること。
自分はどう年を取っていきたいのか、よく考えておくこと。
大変参考になりました。 -
胃瘻は漠然と栄養摂取できない人のための処置と考えていたが、癌のように家族の病気という一面もあるとのこと。
終末期医療はほとんどの人が希望しなくなってきている昨今。
気管切開や人工呼吸と比べると胃瘻というのは確かに意味合いが違う。
これを拒むのはなかなか勇気がいるだろう。
著者の主張する内容には非常に共感できた。