さよならは小さい声で 松浦弥太郎エッセイ集

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  • 清流出版
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (153ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860294038

感想・レビュー・書評

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  • 松浦さんが出会ったすてきなひと(たぶん、おもに女性)やすてきなものついてのエッセイ。

    「母との最後のおしゃべり」
    お母さんがかっこいい。声を出せる最後の日の息子への説教が「浮気をしないこと」「人の裏切りは折り込んでおくこと、受け止めること」。

    「好きな人の匂い」はちょっと色っぽくてどきどき。色っぽいって、別にやらしいことじゃないんだけれど、恋人の二人だけの秘密を覗き見ちゃった感じ。
    しかもそれを、松浦さん(男性)がこんな繊細な文章で書くんだ、というのに驚きつつ感動。この人は女性的な目をもっているんだな。
    旅先であるパリの、雨の朝のシーツのぬくもりまでリアルな感じがした。
    この繊細な感性と文章のやわらかいうまさ。ううむ、やはりすごい。

  • 松浦弥太郎さんの本を読むとこころが綺麗になる気がする。
    母との最後のおしゃべり は泣けました。素敵なお母さんで羨ましいです。
    今回の本は恋の思い出がいくつか載ってて、ドキドキのような、せつないような…色んな思いがありました。

  • 避けられないことってたくさんあるでしょ。でも、人間って不思議なもので、避けられないことについては耐えられるようになっているものよ。だから逃げる必要はないの。逃げれば逃げるほどに追いかけてくるってこともほんとうよ。


    だめなところを自分でわかっているか、わかっていないかは大きな問題であり、もちろんわかっていた方がよいに決まっている。わかっていないということは、はっきり言って人生において経験不足ということである。


    安心したければ、あいさつをする。他人に自分を受け入れてもらいたければ、まずはあいさつをする。あいさつは他人への思いやりでもある。思いやりを伝えるためには心から言葉をかけること。思いやりとは感謝から生まれ、感謝とは尊敬によって生まれる。なにより大切なのはいつどんな時でも他人を尊敬する気持ちを失わないことである。


    夢は話せば話すほどに自分の心の中でもほんとうの夢になって、それはまたたくさんの人にとってもほんとうの夢になって届くから。


    生活に必要な物を買ったりする行為は消費、物欲を満たすだけの無駄遣いは浪費、利益を生むための資金投下は投資である。この三つのバランスが大事。


    「こんな使い方をしてお金は喜んでくれるのだろうか」


    あたたかいだけが家庭の姿ではない。自由にいられるだけが家庭の姿でもない。家庭にもうひとつ必要なのは、家庭がどういう価値観を持って生きてゆくか、という理想を分かち合うことである。



    朝食を一緒にとること。ランチは別でよい。夕方6時くらいにどこかで落ち合って夕食をとる。それも、もし互いの予定が合えばのこと。僕らは携帯電話で連絡をとり、待ち合わせや帰宅時間を伝え合った。約束というか、それが僕と彼女の旅の流儀だった。それともうひとつ大切なこと、夜は一緒に寝ること。もし喧嘩をしたとしても、これらのことは、必ず守ると約束していた。


    好きな人の匂いは一緒にいる時より、離れている時のほうがよくわかって、ある意味、深く味わうことができる。冷めた匂いはとびきり甘い。

  • 片岡義男の本のような写真が入っていて綺麗。中身は違うけどね。こっちは「いい人」の本って感じ。カバンに入れておいてちょっとした隙間の時間にお茶でも飲みながら読むと、心豊かな時間となりますよ。

  • なんだろう…おしゃれコラムの寄せ集めな印象

  • 同じことでも、感受性の高い人が書くとこんなに素敵になるんだなぁ。

  • なんだか、いつも感じていることをすんなり言葉にされたようなすっきりとした読みごこち。こんなにすんなりと過ごしてみたい。
    いつかなんてこない。人生は一度だけ。やりたいことを。
    なんて、最近思ってたせなかを押してくれる感じ。

  • 松浦弥太郎さんの本を初めて読んだ。大切な友達からもらった本。愛を育むことは、シンプルだけど難しくってそれが自然体でできる方なのだなぁ。
    ビックイベントにも興味があるけど、日常にもそれと同じくらいの気付きが得れるんだよなって気付かされる本。

    クロワッサンを食べる白髪の女性との手紙のやり取りとか、素敵な話。
    手紙で肉筆で伝わる気持ちが素敵だ。
    繊細で器用でやわらかい方なのだと思う。

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著者プロフィール

松浦弥太郎(まつうら・やたろう):東京生まれ。アメリカの古書店にインスパイヤーされてm&co.booksellersを立ち上げる。『暮しの手帖』編集長を経て、現在は会社経営、執筆・編集活動、映像、コンサルタント、商品開発、メディア出演など、枠を超えた活躍を続けている。著書に、『仕事のためのセンス入門』、『センス入門』、『ほんとうの味方のつくりかた』、『僕の考える投資について』、『期待値を超える』など多数。

「2022年 『それからの僕にはマラソンがあった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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