「毒と薬」のことが一冊でまるごとわかる

著者 :
  • ベレ出版
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本棚登録 : 141
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860647094

作品紹介・あらすじ

毒が人の健康、命を奪うものである一方、薬は人を怪我や病気の苦しみから救ってくれるものです。しかし昔から「薬と毒は匙加減」というように、毒と薬の違いは簡単に言えば使用料の違いにあります。多くの医薬品は、少量を使うから薬になるのであり、大量に使えば副作用で人の命を奪うことになります。毒と薬は化学的な目で見れば、多くの場合、同じ化学物質と言えるのです。
本書では、植物、動物、鉱物等、多くの天然物に含まれる毒成分を明らかにし、毒物がどのような作用によって人の健康を害し、命を縮めるか、また、それが薬として利用されることはあるのか、あるとしたらどのような効用があるのかも解説していきます。

感想・レビュー・書評

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  • 簡素で読みやすい説明で
    毒と薬が匙加減であることを
    改めて認識させてくれる本
    毒対毒で 時間差の殺人が
    可能だったか など
    小話も面白いです
    麻酔がいまだ何で効くか分かってない
    というのが衝撃でした

  • 自分が晒されるのは勘弁だが、どんなものかの興味は尽きない。
    そんな怖いもの見たさの代表ような毒。
    そしてそれとある意味表裏の関係だが逆に人類を救済してきた薬。

    そんな毒と薬について、一般人にもわかるように解説してくれている。

    内容もただ、毒の種類を羅列するのではなく、
    限られた紙面の中でどのようなメカニズムで働くのかを著者のもつ豊富な化学の知識から引用されているので、理解が深まりやすい。

    紙面の多くは毒に当てられ、後半の一部が薬に当てられているようなボリューム感。

    薬については人類の凄さを感じる他無かった。

  • 毒と薬の知識がコンパクトにまとめられていて、読みやすくおもしろい本でした。
    毒や薬のことを知ると、日常生活でもいろいろ気をつけようと思えます。身近なところにも危険なものがいろいろあるのが、よくわかりました。

  • とても分かりやすく、脱線しないように
    無駄のない解説でしたが、
    文系なものでどうしても読み込むのに時間が
    かかってしまった…

    ワラビにも毒があるから、そのためにアク抜きが
    必要なんだということを知って驚いた。
    麻酔がなぜ効くのかも不明ということで、
    これはとっても不思議な話。

    もっと沢山の毒のある動植物について
    知りたくなった。
    毒と薬が常に身近に存在して私たちの生活と
    切り離せないような関係なんだと知って
    もう少し詳しくいろいろ調べたくなった。

  • 3月新着
    東京大学医学図書館の所蔵情報
    https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2003638267

  • キノコの1/3は毒キノコ。
    肺炎のチャーチルを救ったのは抗生物質ではなくサルファ剤。
    麻黄の成分はエフェドリン。ぜんそくの特効薬。
    アセチルサリチル酸=アスピリン。人類史に残る合成薬品。
    「石見銀山ネズミ捕り」=江戸時代よく売れた。ヒ素。症状がなく閾値を超えると死ぬ。ヨーロッパでは、ヒ素を検出するために銀食器が使われた。ヒ素では黒くならないが、不純物として含む硫黄に反応して、銀が黒くなる。ナポレオンも胃がんではなくヒ素で暗殺されたという説もある。
    現代では、ヒ素の検出法ができたため、犯行がばれてしまう。=ヒ素は愚者の毒。代わりに使われるのはタリウム。

    毒性は経口致死量で分かる。水でも大量にとれば死ぬ。2g程度のものを毒物、2~20gを劇薬。
    半数致死量(LD50)はシグモイド曲線になる。動物実験のデータ。人間には参考値。ニコチンのほうが青酸カリより少ない。
    薬の半数有効量はED50。ED50が低い量で有効で、LD50が高い量が必要なものが薬。
    分子構造を見ただけでは毒とはわからない。

    p34

  • 平易な文章とは言い難くて、高校化学で追いつかない知識がぽんと出て置去りだったりする。なのでスマホとかで言葉を調べながら。だけどこういった知識を幅広く読めるのはとても面白かったです。辞書と読み物の間くらいの感覚で読むのが丁度良いのかも。
    「なぜシキミをお墓に供えるのか」「お墓の傍にはヒガンバナが沢山咲いてる」「ミイラが不老不死の薬になっていた理由」とか、不思議だけどそういうものとして、調べるきっかけが無かったものを知るのも面白かった。

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著者プロフィール

齋藤 勝裕(さいとう かつひろ)
1945年5月3日生まれ。1974年、東北大学大学院理学研究科博士課程修了、現在は名古屋工業大学名誉教授。理学博士。専門分野は有機化学、物理化学、光化学、超分子化学。
主な著書として、「絶対わかる化学シリーズ」全18冊(講談社)、「わかる化学シリーズ」全16冊(東京化学同人)、「わかる× わかった! 化学シリーズ」全14冊(オーム社)、『マンガでわかる有機化学』『料理の科学』(以上、SB クリエイティブ)、『「量子化学」のことが一冊でまるごとわかる』『「発酵」のことが一冊でまるごとわかる』『「食品の科学」が一冊でまるごとわかる』『「毒と薬」のことが一冊でまるごとわかる』『身のまわりの「危険物の科学」が一冊でまるごとわかる』(以上、ベレ出版)など200冊以上。

「2023年 『「原子力」のことが一冊でまるごとわかる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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