悲しみのゴリラ

  • クレヨンハウス
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本棚登録 : 279
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (41ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861013874

作品紹介・あらすじ

翻訳絵本

感想・レビュー・書評

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  • ママを亡くした男の子。
    ゴリラが現れて、
    そっと寄り添います。

    「ママは どこにいったの?」
    「どうして ママはしんだの?」
    「いつになったら かなしくなくなるの?」
    男の子の問いかけに、
    ゴリラは一つひとつ、
    答えていきます。

    少年は大好きな母親を亡くした。
    寡黙で優しいゴリラは、少年が心に創り上げた存在です。
    ふたりの言葉は、本当は少年自身のつぶやき。
    大切な人を失う深い悲しみのなかで、心の空白を埋めてくれているのがゴリラです。
    そして、パパも自分と同じように深く悲しんでいることを知ったとき、ふたりでママを語りだす。
    パパとふたりで、ママのいない生活を受け止められたから、ゴリラは遠くへ走って行ったのかな…

    現実の日常のなかに、イマジナリーゴリラが必要なのだと切なく感じるけど、本当にいてくれて良かった…と思います。
    ページをめくるたびに、少年の心の色を映したような色彩が、悲しくも希望を感じる色味へ変わっていきます。
    胸がいっぱいになってしまう絵本でした。
    紹介してくれた湖永さん、ありがとうございました。

    • 湖永さん
      あゆみりんさん こんばんは。

      気にとめていただいて嬉しいです。
      とても心に沁みる絵本ですよね。
      こういう出会いがあると絵本コーナーを覗く習...
      あゆみりんさん こんばんは。

      気にとめていただいて嬉しいです。
      とても心に沁みる絵本ですよね。
      こういう出会いがあると絵本コーナーを覗く習慣がやめられなくなります。
      2023/04/24
    • あゆみりんさん
      湖永さん、コメントありがとうございます。

      言葉は少なく、初めから終わりまで静かな絵本なのに、とても深く儚い物語でした。
      自分にとって、大切...
      湖永さん、コメントありがとうございます。

      言葉は少なく、初めから終わりまで静かな絵本なのに、とても深く儚い物語でした。
      自分にとって、大切な絵本になりました。
      これから先、何度も読むと思います。
      ありがとうございました( ・-・̥ )
      2023/04/25
  • ママを亡くした男の子にゴリラがそっと寄り添って、男の子の問いかけに優しく答えていく。

    大切な人を失う悲しみをゴリラがまるごと包み込んでくれるような絵本。
    絵もとても優しい。

    ママがどこへ行ったかは、はっきりわからないけれど近くにいるよ。見ているよ。と気づかせてくれる。


    「どうしてママは しんだの?」
    いのちあるものは かならずしぬんだ。
    あいするものを おいていくのはかなしいけれど。

    「いつになったら、かなしくなくなるの?」
    ママがずっといっしょにいると わかったときだよ。

    この2つの質問に悲しくなるけれどゴリラのことばはとても的確であり、温もりも感じられる。

    最後には男の子がパパも自分と同じような気持ちだと気づいたところにまた感動した。

  • 泣かずに読めなかった。
    どうかあの子の悲しみにもゴリラが寄り添ってくれていますように。

  • 死は生きている限り避けて通れないけれど、まだ幼いのに母親を亡くした少年の悲しみはどれほどだったろう。
    少年の心の声にゴリラは優しく応えていく。
    どうしようもなく悲しいとき、傍にいてくれること。気持ちを受けとめてくれること。
    それは、ただ励ましや慰めの言葉だけをもらうよりずっと支えとなる。
    また、ゴリラの少年への返事がとてもあたたかくて。
    これから先、自分の子どもがこういう悲しみに直面したときには、ゴリラのように、受けとめて、伝えられたらなと思う。
    寄り添うってこういうことなんだね。

    湖永さん、素敵な絵本を教えてくださりありがとうございました。

    • 湖永さん
      ひろさん こんばんは。

      今さらながら…ですが、気にとめて読んでいただき嬉しいです。

      ついさっき、再読した折にひろさんのレビューに目が留ま...
      ひろさん こんばんは。

      今さらながら…ですが、気にとめて読んでいただき嬉しいです。

      ついさっき、再読した折にひろさんのレビューに目が留まりました。(気づくのが遅すぎで、反省しきり…です)。
      失礼お許しください。
      2023/06/12
    • ひろさん
      湖永さん、こんにちは♪
      寝坊して朝バタバタしてしまい今読みました!
      こちらこそ、湖永さんのお名前を勝手に挙げて失礼しました(。>ㅅ<。)
      い...
      湖永さん、こんにちは♪
      寝坊して朝バタバタしてしまい今読みました!
      こちらこそ、湖永さんのお名前を勝手に挙げて失礼しました(。>ㅅ<。)
      いつも素敵なレビューをあげられていて、読むのをとても楽しみにしています(*´꒳`*)
      この絵本も読めて良かったです。
      これからもどうぞよろしくお願いします(⋆ᵕᴗᵕ⋆)
      2023/06/13
    • 湖永さん
      ひろさん こんにちは。

      ひろさんこそ、心に残るすてきなレビューなので自分のが恥ずかしくなります。
      こちらこそどうぞよろしくお願いしますね。...
      ひろさん こんにちは。

      ひろさんこそ、心に残るすてきなレビューなので自分のが恥ずかしくなります。
      こちらこそどうぞよろしくお願いしますね。

      2023/06/13
  • せつない、せつな過ぎる
    悲しみに、そっと寄り添う大きなゴリラに、何となく懐かしさを感じました。きっと遠い昔の子供の頃に、私にもゴリラがそばにいた記憶が僅かに蘇りました。

  • 水墨画を思わせる、ほの暗く静謐な絵。ママを亡くした少年の、癒しようもない悲しみが湛えられた画面に、そっとゴリラが現れ、寄り添います。
    悲しみが消えることはないでしょう。でも、「ママが ずっといっしょにいると わかったとき」悲しくてもママへの想いとともに生きていけるのだと、ゴリラは教えてくれたのですね。
    ラストで、そっと遠ざかるゴリラと、飛び去る赤い小鳥が描き添えられているのが心に残りました。

  • 〝「ぼくのママ、死んだんだよ」>そうだね 知ってるよ 「死んだって、どうやってわかるの?」>からだが動かなくなるんだよ 「心臓がとまる、とか」>そうだよ 「みんな死ぬの?」>そう だれだって いつかは死ぬんだ 「ママはどこへいったの?」>確かなことは 誰にも判らない 「ママは、もう帰ってこないんだよね?」>そうだね でも いつかは きみも判るよ ママはずっと いっしょにいるんだって・・・〟ママを亡くした男の子のもとに現れた<ゴリラ>が、そっと寄り添って、男の子の問いかけに、一つひとつ答えていく・・・大切なひとを失った悲しみを、大きな腕で丸ごと抱きしめて癒してくれる、感涙の絵本です。

  • お母さんを亡くした少年に寄り添うゴリラ。唐突に現れるゴリラに何の説明もないが、それは少年の発する言葉や気持ちを全て肯定してくれる、母親の不在を少し埋めてくれる存在であり、悲しみにくれる父親に気持ちを打ち明けられない少年を、代わりに包み込んでくれる存在であるようだ。

    見開きを使って発するたった一言、「ママに会いたい」の威力。父親とお母さんの思い出を分かちあえるようになるエンディングに号泣です。

  • すべての子どもたちへ…自分の気持ちを信じよう。
    最初のページの作者からのメッセージ…
    ここにすべてがある。

    自分の本当の気持ちを大切にしていい。
    悲しむことを恐れないで。
    さみしさに蓋をしないで。
    誰とも分かち合えないと思っても、ひとりぼっちだと思っても、自分の中にきっと寄り添ってくれる誰かがいる。
    そう語りかけてくれるような気がした。
    その存在に気づいたとき、誰かと悲しみを分かち合えるようになるのかもしれない。

    落合さんはこのゴリラのことをビッグGと呼ぶ。
    いい響きだな、ビッグG。
    私もこれからそう呼ぼう。

    こどもには大人が思うよりずっと大きなチカラを持っている。
    すべての大人たちへ…こどものチカラを信じよう。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/778754

    お母さんを亡くした小さな男の子。
    その死と向き合う時、ゴリラがそばで温かく見守ってくれます。
    やさしいおはなし。

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著者プロフィール

俳優、歌手、スクールカウンセラーとして活動し、子どもの本の作家に。『The Green Umbrella』『If You Want to Fall Asleep』などの作品がある。米国、ニューヨークのロングアイランドで家族と暮らしている。

「2020年 『悲しみのゴリラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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