ひとりでがんばらない! 子どもと考える福祉のはなし (大人は知らない・子どもは知りたい!)

著者 :
  • クレヨンハウス
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本棚登録 : 65
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861013966

作品紹介・あらすじ

気鋭のソーシャルワーカー・藤田孝典さんによるはじめての児童書。
子どもたちに語る「福祉って何?」。
なぜ、豊かなはずの日本で貧困が増えているの?
「ひきこもり」は「自己責任」?
生きづらさの原因が見えてきます。
まず大人が知って、そして子どもたちと考えてほしい「社会福祉」を伝える1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 〇日本って何からはじめてよいか分からないくらい自縄自縛の雁字搦めになっているんだなあと。
    かなり尖った内容です。
    〇子ども向けならフォントがUD フォントで総ルビだとよかった
     言葉も難しいかな?
    〇「女性の働かされ方」という表現が気になった。
    言いたい事はわかるけど、別の表現がありそう。
    〇資本主義が必ずしも福祉と相容れないわけではないと思う。日本は民主主義でもあるから。

    ◎「福祉」は「特別なひと」を助けることではありません。自分や家族、友だちをしあわせにするしくみです。

    1:日本の国は「お金持ち」、でも、日本の人は「貧しい」
     ・上がり続ける貧困率
     ・GNPは世界3位←福祉の仕組みが足りない
     ・貧富の差が広がり続けている
     「絶対的貧困」と「相対的貧困」
      ワーキングプア
      生理の貧困
      母子家庭の貧困
      男性にも非正規雇用が増えてきている
      家庭を持つことは贅沢
    2:引きこもりの理由
     ・引きこもりは本人のせいではない
      働く世代の引きこもりの増加
     ・人を使い捨てにする会社
     ・学費のための借金
     ・実家は出られない監獄
     ・「ひとりで死ぬべき」という社会

    3:みんなが生きられるしくみをつくる3つの方法
     ①労働組合
     ②家族で問題を抱え込まない
     ③五大ニーズを非売品に
      …教育、医療、介護、保育、住宅

    4:福祉は資本主義とたたかうもの
     いのちを大事にする福祉の考えが広まると?
     「助けて!」がはじめの一歩
     居場所をつくろう

  • とてもわかり易くく、子どもと一緒に日本の問題点や社会福祉について学べる絵本です。

    相対的貧困や、ひきこもり、自殺率の増加など、いまの日本社会の問題と解決策が、一つひとつ点をつなぐように見えてきます。

    「自助」から「公助」へ。資本主義社会に足りない、生きるために大切な「福祉哲学」を学ぶ絵本です。

    ■メモ:
    ・今まで家族で担っていた子育て、介護などを社会で担う世の中に。

  •  絵本?という印象だが、5年生の漢字からルビを振っているところを見ると小学校4年生~あたりを対象としているようだ。
     対象がその年齢だとして改めて読んでみると、この本はかなりチグハグな印象を受ける。この本は文章や単語は小学生に難しいが、内容は問題を単純化し過ぎて小学生にとっても稚拙に感じる。分かりにくいのに単純。難しいことを分かりやすい文でという子ども向けの本の理想とは真逆である。しかも低学年に語りかけるような語り方をしていてそこも非常にアンバランスだ。
     困ったことに、単純化した内容や低学年向けな語り方によって、この本は子ども向けのある種の思想教育の様に見えてしまっている。その最たるが最後の章の「福祉って資本主義とたたかうもの!」という文だ。こういった極端な言い回しがいたるところに見受けられる。
     絵本の半分とも言える絵は素朴でいい味を出しているのだが、そういった思想教育っぽい文と並ぶことによって絵の素朴さが反転しとても不気味なものに感じられてしまう。プラスにマイナスをかけると大きなマイナスになってしまうのと同じだ。

     同じ様にクレヨンハウスの講演を元に小学生向けに書いた本である浜矩子の『大人は知らない・子どもは知りたい! お金さえあればいい? 子どもと考える経済のはなし』も読んでみた。確かにこちらもやや問題を単純化し過ぎるきらいを感じたが、お金や経済についての難しい部分を小学生にも分かりやすく説明していて、その上で経世済民という本来の経済が持つ役割や自説を展開している。
     同じくクレヨンハウスの『原発に反対しながら研究をつづける小出裕章さんのおはなし』も読んだが、小学生中高学年向けだからといって幼児に語りかけるような書き方は2冊ともしていない。
     なぜこの本だけこんなにもバランスが悪いのか。

     小学生向けの本としてこれはきつい。

  • 基本的でわかりやすい。
    貧困やひきこもりがなぜ起こるのか、なぜ抜け出せないのか。個人の問題ではなく、社会の問題であること。そして、解決するためには福祉の力、集団の力が必要であること。

  • 「福祉は、特別な人を助けることではない。自分や家族、友達を幸せにする仕組みであること」
    日頃、社会福祉を学ぶ私でもこの世界に生きているとふと忘れてしまいそうなことを日本の社会課題をあげながら伝えてくれます。
    今の社会で生きづらさを感じている人ほど、社会を変えていく力をもっている。そうした人たちとパートナーシップを結び、命を社会の中心におく世界にしていきたいです。
    福祉を誤解している人も多いから、大人の人にも読んでほしい(絵本と行っても小学生では一人で読めないレベルな気がする)

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著者プロフィール

1982 年茨城県生まれ。NPO法人ほっとプラス代表理事。聖学院大学人間福祉学部客員准教授。反貧困ネットワーク埼玉代表。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。ソーシャルワーカーとして活動する一方で、生活保護や生活困窮者支援のあり方に関し提言を行う。著書に『下流老人』(朝日新書)、『貧困クライシス』(毎日新聞出版)など。

「2018年 『未来の再建』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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