マリオ・ジャコメッリ写真集 <新装版>

  • 青幻舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861523786

作品紹介・あらすじ

1950年代から写真を撮り始め2000年にその生涯を閉じたマリオ・ジャコメッリは世界を代表する写真家の一人である。

本書は、「MARIO GIACOMELLI」LA FIGURA NERA ASPETTA IL BIANCO
(伊・コントラスト社/2008年刊行)の完全日本語版の新装版。


掲載作品:代表作品100余点を網羅。
年譜:ポートレイトを含む貴重な写真を添えて
詩:制作にインスピレーションを与えた詩6篇
寄稿:様々な識者による寄稿文
日本語翻訳:岡本太郎

感想・レビュー・書評

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  • 表紙の写真からして鳥肌が立った。中央にいる少年の存在感は何なのだろう。
    ”詩的”というよくある形容があるがこのマリオ・ジャコメッリというイタリア生まれの写真家のモノクロ写真は詩的ではなくまぎれもない詩だ。

    ルルドやホスピス、故郷のセニガッリアなどで撮られた一連の写真シリーズには、ジャコモ・レオパルディやエミリ・ディキンソンなどの詩作品のタイトルがつけられてもいる。

    田園風景、死を待つ人、祈る人、はしゃぐ神学生、生活する人々、彼らの彼女らの生き生きとした、あるいは生々しい姿が写し取られている。

    けれどもその前景・背景が抽象絵画のようでもあり、どこかこの世ならざる別世界にも見える。本書は意図的にそう見えるような構成がなされているのかもしれない。

    地球とは別の惑星のような田園を写した俯瞰写真に始まり、地上におりていくと、黒衣や白衣をまとった人間たちが、まるでカメラなどそこに存在していないかのように厳しい眼差しで自分の内側を見ていたり、何かを無心に見つめていたり、笑ったり、しょんぼりしていたりする。

    さらに、黒と白とが過剰に際立っているため、それがいっそう劇的な演出効果を与えている。なんだろうこの写真たちの強度は。

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著者プロフィール

1925-2000年。写真家。1955年《スカンノ》《ルルド》を発表し名声を確立。1963年にはMoMA の巨匠シリーズに収録される。

「2014年 『わが生涯のすべて(仮題)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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