神の灯 (嶋中文庫 M 1-5 グレート・ミステリーズ 5)

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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861563140

感想・レビュー・書評

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  • 『書きたい人のミステリ入門』紹介本。
    How Done it。

    名作とのことだったけど、自分には合わなかった。かなり微妙だと思った。

    全体的に文体がマズく、キャラクターも全然魅力的じゃないし、物語の起動も遅かった。このあたりは現代的な物語に慣れすぎているためだろうか。
    トリックに対して全体構成が冗長であるように感じた。

    というか敵役のライナッハ医師、家が消えたことに対するリアクションが微妙すぎ。

    そして本作の醍醐味である「家が消える」。
    「眠らされてよく似た別の場所に移動」はすぐに思いついたトリックでそのままだった。強いて言えば、実は道がカーブしていたというのはなるほどだけど、だったら伏線欲しかった。
    それにしても、内装も全く同じ家を2つ用意するってリアリティがなさすぎる。
    それに、家が消えるなんてことが現実に起きたらみんなでもっと検証するでしょ。登場人物たちがみな、ただ恐れるだけで引きこもってしまう、というのは作劇場のご都合主義にしか感じられなかった。

    令嬢アリスの替え玉もいまいちトリックに対する必然性がわからなかった。ただソーン(元々エラリーが来ることは想定していなかった)を追い返したいだけなら別の方法でもいいような。本物アリスもわざわざ殺す必要あったんだっけ。そもそも、似ている女性がいたという設定もご都合主義的。

  • 推理小説は語り手が最大の情報所有者でないという点で特殊な小説だと言われるけども、エラリーもそれに外れないながら「助手」の存在はない。しかも作者=探偵。その特殊さだけでも面白いのに、トリックがまた何重にもなっているのだから驚き。
    無人称の語り手の心情だと思っていた描写で読者を騙すなんて考えたこともなかった…。
    小説の形態の概念がまたぶち壊されて、私はどんどん文学を斜に見るようになりそう(笑)

    『ミステリ・リーグ』でも思ったけれど、クイーンは本当に推理小説を研究分析解体体系化して、そして何より愛していたひとだなあと、しみじみ。

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著者プロフィール

エラリー・クイーン。フレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーの合作ペンネーム。従兄弟同士で、ともにニューヨーク、ブルックリン生まれ。1929年『ローマ帽子の謎』で作家としてデビュー。ラジオドラマの脚本家やアンソロジストとしても活躍。主な代表作に『ギリシア館の謎(32)、『エジプト十字架の謎』(32)の〈国名シリーズ〉や、『Xの悲劇』(32)に始まる〈レーン四部作〉などがある。また編集者として「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」を編集、刊行した。

「2021年 『消える魔術師の冒険 聴取者への挑戦Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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