『書きたい人のミステリ入門』紹介本。
How Done it。
名作とのことだったけど、自分には合わなかった。かなり微妙だと思った。
全体的に文体がマズく、キャラクターも全然魅力的じゃないし、物語の起動も遅かった。このあたりは現代的な物語に慣れすぎているためだろうか。
トリックに対して全体構成が冗長であるように感じた。
というか敵役のライナッハ医師、家が消えたことに対するリアクションが微妙すぎ。
そして本作の醍醐味である「家が消える」。
「眠らされてよく似た別の場所に移動」はすぐに思いついたトリックでそのままだった。強いて言えば、実は道がカーブしていたというのはなるほどだけど、だったら伏線欲しかった。
それにしても、内装も全く同じ家を2つ用意するってリアリティがなさすぎる。
それに、家が消えるなんてことが現実に起きたらみんなでもっと検証するでしょ。登場人物たちがみな、ただ恐れるだけで引きこもってしまう、というのは作劇場のご都合主義にしか感じられなかった。
令嬢アリスの替え玉もいまいちトリックに対する必然性がわからなかった。ただソーン(元々エラリーが来ることは想定していなかった)を追い返したいだけなら別の方法でもいいような。本物アリスもわざわざ殺す必要あったんだっけ。そもそも、似ている女性がいたという設定もご都合主義的。