アルマ

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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861828348

作品紹介・あらすじ

自らの祖先に関心を寄せ、島を調査に訪れる大学人フェルサン。
彼と同じ血脈の末裔に連なる、浮浪者同然に暮らす男ドードー。
そして数多の生者たち、亡霊たち、絶滅鳥らの木霊する声……。
父祖の地モーリシャス島を舞台とする、ライフワークの最新作。
ノーベル文学賞作家の新たな代表作!

 ぼくは帰ってきた。これは奇妙な感情だ、モーリシャスにはこれまで一度も来たことがないのだから。見知らぬ国にこうした痛切な印象を持つのはどうしてか。父は、十七歳で島を離れて以来、一度も戻ったことがない。(…)父は戦後母と出会い、二人は結婚した。父は故国を離れた移住者、今で言う「一族離散(ディアスポラ)」による移住者だった。(「砂嚢の石」より)

 アルマ。この名はごく小さいときから言える。ママ、アルマと言う。ママとはアルテミジアのこと。母さん(ママン)のことはよく覚えていない。母さんはおれが六つのときに死んだ。(…)意地の悪い奴らは、母さんがよそへ行けばよいと思っている、レユニオン島生まれのクレオールで、分厚い縮れた髪をしているからだ。(「おれの名はドードー」より)

感想・レビュー・書評

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  • その昔、「調書」と「大洪水」を読んだきりになっていたル・クレジオ。
    ノーベル賞をもらったのは気づいていたが、ずっとご無沙汰だった。新刊が出たので久しぶりに手を出す。
    モーリシャス第4作

    読みながら感じていたのは、ロレンス・ダレルの「アレキサンドリア四重奏」。
    シチュエイションも筋立ても、まるで違うが引き込まれている世界の雰囲気が似ている。
    ただ、もうこういう小説世界を辛抱強く読み続けるだけの気力・体力がなくなった。
    途中で放棄。(150頁)

  • これがノーベル文学賞作家の作品か〜難しい、そして深い。

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著者プロフィール

(Jean-Marie Gustave Le Clezio)
1940年、南仏ニース生まれ。1963年のデビュー作『調書』でルノドー賞を受賞し、一躍時代の寵児となる。その後も話題作を次々と発表するかたわら、インディオの文化・神話研究など、文明の周縁に対する興味を深めていく。主な小説に、『大洪水』(1966)、『海を見たことがなかった少年』(1978)、『砂漠』(1980)、『黄金探索者』(1985)、『隔離の島』(1995)、『嵐』(2014)など、評論・エッセイに、『物質的恍惚』(1967)、『地上の見知らぬ少年』(1978)、『ロドリゲス島への旅』(1986)、『ル・クレジオ、映画を語る』(2007)などがある。2008年、ノーベル文学賞受賞。

「2020年 『アルマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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