小説集 徳川家康

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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861829314

作品紹介・あらすじ

東の大国・今川の脅威にさらされつつ、西の新興勢力・織田の人質となって成長した少年時代。秀吉の命によって関八州に移封されながら、関ヶ原の戦いを経て征夷大将軍の座に就いた苦労人の天下人。その生涯と権謀術数を、名手たちの作品で明らかにする。
2023年NHK大河ドラマ『どうする家康』視聴者必読!

家康は温和な人だという評言は秀吉の家康についての極(きま)り文句のようであった。秀吉は知っていたのである。(…)家康も温和な人だ。けれどもいつの日かその眼前に天下に通じる道が自然にひらかれたとき、そのときを思うと家康という人は怖しい。いったん道がひらかれた時、そのかみの彼自身が俄(にわか)に天下をめざす獰猛(どうもう)な野心鬼に変じた如く、家康も亦(また)いのちを張って天下か死かテコでも動かぬ野心鬼となる怖れがある。そういう怖れをいだくのも、家康自体にその危さが横溢しているためよりも、時代の人気があまり家康に有利でありすぎたせいだった。――坂口安吾「家康」より

感想・レビュー・書評

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  • 昔の人の作品なので読む事のない人の小説を読めたのはよかった。家康の幼少期はほとんど知らなかったので余計楽しく読めたのだと思う。家康と信長の同盟は裏切りが当たり前の世の中でありえない事と坂口安吾は言っており、最初の作家の信長と家康の主従関係が幼少期に培っているからと知る。史実がどうかわからないが坂口安吾の作品の家康とその背景を描いた作品は家康は元は天下は興味なく、周りが家康か利家かに分かれて、三成が背後にいるし、石高も少ない利家より家康を持ち上げたためとある。
    家康の生涯を他作家の作品を寄せ集めた本なのでイロが違い変な所で集中力が途切れることがなかった。

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著者プロフィール

(わしお・うこう)1892~1951
新潟県生まれ。早稲田大学英文科在学中に、ダヌンツィオ『フランチェスカ』を翻訳(本名の浩名義)。大学卒業後は、植村宗一(後の直木三十五)と出版社の冬夏社を経営し、性科学者のハヴロック・エリスの著書を自ら翻訳、出版するなどしたが、関東大震災で会社が倒産。その後も翻訳家として活動する一方、1935年から書き下ろしの連作長編『吉野朝太平記』の刊行を開始。同書は第2回直木賞を受賞し、全6巻からなる大作となる。これ以降は歴史小説が活動の中心となり、『織田信長』、『若き家康』、『覇者交代』などを発表した。

「2022年 『小説集 徳川家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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