- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862281067
作品紹介・あらすじ
大自然の叡智を備えた人間の「心=身体」。
だが近現代の人間は「頭」と理性でその豊潤な泉にフタをして生きてきた。そして様々な心身の不調が生まれた。
心に由来する「深い感情」が抑圧され、「浅い怒り」が撒き散らされる現代社会には孤独への恐れ、同調過多のムラ社会、何をすればいいか分からない悩みといった生きにくさの要因が蔓延する。
規則正しい生活への信仰や「大通りを行くこと」を疑い、自分自身の内面と向き合って「にぎやかで豊かな孤独」や「深い怒り」の声に耳を傾けよう──。
医師であり音楽・舞踏にも造詣の深い著者による、「心の復権」をめぐる多彩な小論集。
感想・レビュー・書評
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虚しかったのは、「人とつながっていなかったから」ではなく、「自分自身とつながっていなかったから」なのである。
本書内のこの一説だけでも、ずっと手元において人生の金言としていきたい、素晴らしい本だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
心は瞬時に判断し、本質を見抜く。
孤独は自分の中にいるもう一人の自分との対話を導く。
頭と心の感情。
頭は未来や過去のシミュレーションから生まれる「不安」「後悔」。うまく行って「嬉しい」、思い通り行かず「苛々する」など、「劣等感」「優越感」「嫉妬」「蔑み」など。心の深い感情は「喜怒哀楽」これらは愛のヴァリエーション。
深い怒りが抑圧されると、人は去勢されたようになる。
自然界に肯定も否定もない。
人間は意味を感じないと生きていられない動物。
自分を大事にして余った部分で人のためのことをする。そこには見返りの感情が発生しない。
主体性のない形だけ真似たものを「無主風」(「至花道」世阿弥)という。
映画「エル・ポスティーノ」ルイス・バカロフの音楽。