「心=身体」の声を聴く

著者 :
  • 青灯社
3.89
  • (2)
  • (5)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 56
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862281067

作品紹介・あらすじ

大自然の叡智を備えた人間の「心=身体」。
だが近現代の人間は「頭」と理性でその豊潤な泉にフタをして生きてきた。そして様々な心身の不調が生まれた。
心に由来する「深い感情」が抑圧され、「浅い怒り」が撒き散らされる現代社会には孤独への恐れ、同調過多のムラ社会、何をすればいいか分からない悩みといった生きにくさの要因が蔓延する。
規則正しい生活への信仰や「大通りを行くこと」を疑い、自分自身の内面と向き合って「にぎやかで豊かな孤独」や「深い怒り」の声に耳を傾けよう──。

医師であり音楽・舞踏にも造詣の深い著者による、「心の復権」をめぐる多彩な小論集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 虚しかったのは、「人とつながっていなかったから」ではなく、「自分自身とつながっていなかったから」なのである。

    本書内のこの一説だけでも、ずっと手元において人生の金言としていきたい、素晴らしい本だと思います。

  • 心は瞬時に判断し、本質を見抜く。

    孤独は自分の中にいるもう一人の自分との対話を導く。

    頭と心の感情。

    頭は未来や過去のシミュレーションから生まれる「不安」「後悔」。うまく行って「嬉しい」、思い通り行かず「苛々する」など、「劣等感」「優越感」「嫉妬」「蔑み」など。心の深い感情は「喜怒哀楽」これらは愛のヴァリエーション。

    深い怒りが抑圧されると、人は去勢されたようになる。

    自然界に肯定も否定もない。

    人間は意味を感じないと生きていられない動物。

    自分を大事にして余った部分で人のためのことをする。そこには見返りの感情が発生しない。

    主体性のない形だけ真似たものを「無主風」(「至花道」世阿弥)という。

    映画「エル・ポスティーノ」ルイス・バカロフの音楽。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

泉谷 閑示(いずみや・かんじ)
精神科医、思想家、作曲家、演出家。
1962年秋田県生まれ。東北大学医学部卒業。パリ・エコールノルマル音楽院留学。同時にパリ日本人学校教育相談員を務めた。現在、精神療法を専門とする泉谷クリニック(東京/広尾)院長。
大学・企業・学会・地方自治体・カルチャーセンター等での講義、講演のほか、国内外のTV・ラジオやインターネットメディアにも多数出演。また、舞台演出や作曲家としての活動も行ない、CD「忘れられし歌 Ariettes Oubliées」(KING RECORDS)、横手市民歌等の作品がある。
著著としては、『「普通」がいいという病』『反教育論 ~猿の思考から超猿の思考へ』(講談社現代新書)、『あなたの人生が変わる対話術』(講談社+α文庫)、『仕事なんか生きがいにするな ~生きる意味を再び考える』『「うつ」の効用 ~生まれ直しの哲学』(幻冬舎新書)、『「私」を生きるための言葉 ~日本語と個人主義』(研究社)、『「心=身体」の声を聴く』(青灯社)、『思考力を磨くための音楽学』(yamaha music media)などがある。

「2022年 『なぜ生きる意味が感じられないのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

泉谷閑示の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×