邪悪なものの鎮め方 (木星叢書)

著者 :
  • バジリコ
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感想 : 107
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862381606

感想・レビュー・書評

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  • p224 「おせっかいな人」の孤独
    落ちている空きカンを拾うひとは働くモチベーションのある人である。
    それは例外なく仕事ができる人である。

    労働者と多くの左派知識人は「できるだけ自分の仕事を軽減することが労働者の権利である」という硬直した思考にしがみついている。

  • 大学教授のエッセイ
    人を見る目、大事です

  • 内容は安定の内田センセイ節で良いです。
    ただ分厚くてなかなか骨が折れました。
    ブログはブログで読んだほうがよいのかもしれない。

  • ディセンシー、身体感度の高さ、オープンマインド。ブログの継接ぎなので気軽に読めます。

  • 内田さんが過激派だったとは知らなかった。

    道徳律というものはわかりやすいものである。
    自分のような人間ばかりだと暮らしやすくなると思う人は自分に祝福を贈っていることになる・・というところに同感。
    自分で自分に呪いをかけないように。
    マルクスは話がでかくて面白い・・とあったので読んでみようと思う。

  • 童子-秩序にまつろわぬもの


    読みたくなった本リスト

    村上春樹「四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に
    出会うことについて」
    池谷 裕二「進化しすぎた脳」「脳は何かと言い訳する」
    グレゴリー・ベイトソン 
    内田樹「若者よ、マルクスを読もう」
    廣松 渉「今こそマルクスを読み返す」

  • 内田先生は本当に神戸女学院大学が好きなんだなあと思いました。入ゼミの面接で学年の1/3の学生と面談したと書いてありました。面接時間は一人10〜20分。12時間経過してもまだ残り20名ほどいたとか。大変な人気ゼミです。他者との妥協にあらず、誰とでも友だちになる精神の共生がなせるわざ。誰もが魅力を感じるセンセイだったのだなあと思いました。

  • タイトルにもなっている「邪悪なもの」とは、
    ・常識や倫理観が無効になるくらい「どうしたらいいか分からない」
    ・しかも放っておくと厄災が起こる
    と定義されている。

    あー。確かに。
    大人になってから、殊、30歳を越えたあたりから、つとに感じるなー。
    そういう意味で、家庭や学校は極めて理知的だ。
    世の中ほど、理不尽に、不条理に満ちた世界もないもんだ。

    本作はそういった「邪悪なもの」への処し方が書かれてあるが、
    大元には内田氏自身の純粋な知的好奇心が脈々と底流している。
    ちょっとうがった見方をすれば、生の社会でさえ(だからこそ?)、
    彼にとっては体系化・構造化のための観察地なのか、とも読み取れる。

  • 内田樹の本は大好きで、ほとんど読んでいるが、
    今回はあまり面白くなかった。

    たぶんブログをまとめて本にしているので、
    エッセイ的な部分が強く出ており、
    どうしても内容が薄く、まとまっていない印象を受ける。

    目のつけどころや思想はとても面白いので、もう一度まとめ直した
    ものを読みたいと思った。

  • 内田さんの考え方は、少々極端に思える部分もありますが、全体的には好きです。こんな状況の日本だけれど、変に自信喪失する必要はないんだなって思えます。

  • 2010.11.10. さらっと読める。内田さんのゼミに行ったら、楽しく勉強できそう。大学の在り方とか、良いなぁと思う。

  • とても読みやすかった。
    面白い人だなと思った。

  • 新聞や雑誌などに寄稿したものを一冊にまとめたもの。
    得体の知れないものに対する心の持ちようを説いた本で
    タイトルだけだとオカルト的なものに感じるが内容は
    至って真面目というか【効率的なもの、正しいとされるもの】
    だけを追求することに疑問を投げかける、『それは変だと思う』
    ということが主。コラムをまとめたものなので一日一編
    少しずつ読んだ。内容になるほど、と思うことも多かったが
    全体に漂う『私はこんなに頭がいいんだ、周りはバカだ』
    という感じに馴染めなかった。書いてあることは凄く実のある
    ものだったので後は文体というか筆者のキャラがあうかどうか。

  • 本の目次に使われてる字や本文の組み方、
    表紙、別丁・・・装丁がとにかく好みです。
    たまりません。

    本文は「子どもについて」と、あとがきの「言葉を発していくうちに答えが見えてくる」という表現が好きでした。



    ・・・しかし本として、手元に置いておきたくなる一冊。
    ほしいなぁ。

  • ■書名

    書名:邪悪なものの鎮め方
    著者:内田 樹

    ■概要

    どこかの大学の教授が考えた世の中の色々な事について
    書いてある一冊

    ■感想

    カウンセラー教室の知り合いに教えてもらいました。
    恐らく、教えてもらわなければ、自分では手に取ることは
    なかったと思う本でしたね。

    久しぶりに新しい読書体験でした。
    面白い文章を書いているので、こんな捉え方もあるんだ
    な~と刺激になりました。

    論理的なように書かれている本ですが、結構感情的だな~
    と感じました。

    著者の方は、言葉を知っているから、読み手がそれらの
    言葉に惑わされてしまう時もありますが、結局、"世の
    中矛盾だらけですが、頑張ってうまく生きていきたい"
    という思いが出ているよう思います。

    難しい哲学的な言葉で相手に物事を伝えるのは、難しいの
    で簡単な言葉で表現してみました。

    話しがずれますが、時々、哲学的な言葉を使う人はいま
    すが、相手に伝える意思があって使っているならいいで
    すが、哲学的な言葉を使っている自分に酔っている方は
    うっとおしいです。

    話しを元に戻しますと、新しい視点が欲しい方は読んで
    みると面白いかもしれません。

    ■気になった点

    ※自分の言葉で少し直している部分があります。根本的
     には本の中で同じこと言っています。

    ・なぜ、わたしたちは"父(神)"を要請するのか。
     それは、私達が"世界には制定者などいない"という
     "真実"に容易に耐えることが出来ないからである。

    ・ふるまい方のマニュアルが存在しない世界で、人は
     人として振るまえるのか。

    ・実態的な暴力が人を選ぶとき、そこには"私達が理解
     できるような基準が見えない"。これを邪悪なものと
     表現している。つまり、邪悪なものには合理性が一切
     ない。

    ・"子供"には子供の仕事がある。それは、"ここ、変だよ"
     とアラームを上げることである。しかし、システムを
     修復するのは、子供には出来ない。現代日本は、子供
     の数が増えすぎた社会である。

    ・トラウマというのは、記憶が"書き換えを拒否する"病態
     である。

    ・精神の健康は、"耐えず過去を書き換えることが出来る"
     能力によって、保たれている。

    ・自分の学力を上げることと、他人の学力を下げる事は
     同一の意味である。そして、他人の学力を下げる方が
     はるかに効果がある。だから、お互い学力を下げようと
     すれば、全体的な学力は低下する。

    ・権利を主張するのは、被害者の立場を先取すること

    ・裁判員制度の前提は、"裁判が身近でなく、わかりにくく、
     司法に対する国民のみなさんの信頼が低下している"という
     のが論理的にはあるはずである。誰も、それを言わないが。

    ・無差別殺人の怖い部分は、殺された人がどういう人とか関係
     なく、殺された人数だけが残る点である。また、事後、事件に
     ついて語る人(私も含めて)は、被害者を記号的に利用した
     加害者に加担することになる。

    ・科学的というのは"そこに何かは分からないが、何かが存在
     すると仮定しないと話しが進まない"場合には、そういうもの
     があると仮定することである。分子も原子も素粒子もこのよう
     に発見されてきた。

    ・私達に危険を及ぼすもの90%ぐらいは、私達には見えな
     い部分から発生している。だから、危険が見えてから
     回避する能力よりも、危険は見えないけど、それを検知
     する能力を育てた方がいい。

    ・武道と言うのは、外形的には、効率的に人を殺傷する技術
     である。

    ・"自分が何を探しているか分からない状態で、自分が必要な
     ものを探し当てる能力"というのが知的パフォーマンスの
     最高の様態である。

    ・素人がお稽古事をする目的は、"ペナルティのない失敗
     を繰り返す事が出来る場所で多くの失敗をして、おのれ
     の未熟さと不能さを学ぶこと"である。

    ・死ぬことは生物が体験できる至上の快である
     それは、一度死ぬともう死ねないから。

    ・"誰の仕事でもない仕事は自分の仕事である"という人を
     仕事のモチベーションが高い人というのである。

    ・政治的に正しい人は、システムの不調を前提として主張
     をしているから、何でもやる人は、孤立する場合がある。

    ・日本が内向きなのは、内向きでも飯が食えるからである。
     外向きになるのは、外向きじゃないと飯が食えないから
     である。これらを比較する時に、国内事情、国民の人数
     などを抜きにして比較しても無駄である。
     (何でもかんでも海外に目を向ける必要は無い。)

    ・今の生活レベルはいくらでも乱高下するものである。そん
     なので、一喜一憂するのはおろかなことである。

    ・危機の時、失ったものリストをつくっていては、未来はな
     い。何が残っていて、残っているもので自分と他人に何が
     出来るのかを考えた方が健全である。

  • 20100610読了。いくつもグサっと来る。

  • いいこと言ってるのに読んでるそばから忘れてく。

  • 面白い。面白いからこそ、一度腰を落ち着かせて書いたものも読みたい。最近、対談や過去の文書をまとめたものが多いから。

著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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