誰が日本の医療を殺すのか: 「医療崩壊」の知られざる真実 (新書y 180)

著者 :
  • 洋泉社
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862481719

作品紹介・あらすじ

病院から医師が消える日もそう遠くはない!小児科医、産科医だけでなく、外科医や内科医も激務に疲れ果て、続々と地域の病棟から逃げ出している。「十年後には医師になりたがる人はいなくなるのではないか」そんな現場の声をよそに、国はさらなる医療費の削減を推し進め、医師の絶対数不足には目もくれようとしない。なぜ、日本の医療はここまで追い込まれてしまったのか。そこには、「医療費は高い」という決めつけの下、財政を締め付けられ続けた病院の悲惨な状況が存在した。「医療崩壊」の最前線から日本の医療の未来を問う。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の愚痴を聞いているような本だった。確かに医療現場には人手が足りていない。だからといって、国の予算を増やして、医学部の定員を増やせば解決する問題ではないだろう。もちろんこの本では書ききれないため、重要であることのみ書いたことも考えられるが。読んでいてとても大変な事態だとはわかったがその打開策がもって読んでみたかった

  • 「超高齢国家の先駆けとしての日本モデル」、「医療費の半分は医療関連産業に流れる」、「医療プロフェッショナリズム:患者の利益追求、患者の自立性、社会正義」、「混合診療や株式会社病院が全面解禁となった場合、富裕層が国の保健から抜け、国民皆保険制度は崩壊する」、「生活習慣病予防をしても医療費がかかる時期が先送りになるだけ」、「Don't ever give up.」

  • 1

  • 2010/05/26

  • 米国在住時には、名前を大きな声で呼ばれるようなこともなく、予約通りに受診できていたことを思い出した。ただし、それは普通の医療サービスを受けられない人が沢山いることの裏返しなのかもしれない。
    日本の医療サービスは受診側としては平均的に良質なものと感じているが、医師の所得にも十分な配慮がないと、優秀な人材は集まるべくもない。それはそれで今後が心配である。

  • 自分が将来身を置くことになる世界のことを何も知らなかったのだと恥ずかしくなりました。これだけで終わらずいろんな医療問題関係の本を読んでいけたらと思います。

  • 医療崩壊が叫ばれた、ちょっと以前の本。
    内容的には今では一般的に知られるようになった事。
    著者はそれを昔から広める活動に携わっていた様子。
    長い道のりだったのだろうが、印象に残るのは官僚の給料と比較するのは大企業の社員給与で医者と比較するのは一般的なサラリーマン給与というくだり。
    官は都合の良い嘘を喧伝する。
    民衆は踊り、官はそれを見てさらに見下す。

    しかしながら、医師会もふがいない。
    医師の増員に反対しているのは医師会も同じではないのか。
    混合診療はほんとうに経済界の誘導なのか。
    裕福な人は完全自費で医療を受けている。

    それでもなかなか読めた。

  • 病院から医師が消える日もそう遠くはない!小児科医、産科医だけでなく、外科医や内科医も激務に疲れ果て、続々と地域の病棟から逃げ出している。 「十年後には医師になりたがる人はいなくなるのではないか」そんな現場の声をよそに、国はさらなる医療費の削減を推し進め、医師の絶対数不足には目もくれようとしない。なぜ、日本の医療はここまで追い込まれてしまったのか。そこには、「医療費は高い」という決めつけの下、財政を締め付けられ続けた病院の悲惨な状況が存在した。 「医療崩壊」の最前線から日本の医療の未来を問う。(「BOOK」データベースより)

  • 現在の医療業界は激務過ぎる。これで医療事故が起きない方が不思議。医療水準を維持するためにも、お偉いさん方は本当の医療現場を知って欲しい。

  • 頭くるんだよね、ほんとに。。

  • [ 内容 ]
    病院から医師が消える日もそう遠くはない!
    小児科医、産科医だけでなく、外科医や内科医も激務に疲れ果て、続々と地域の病棟から逃げ出している。
    「十年後には医師になりたがる人はいなくなるのではないか」そんな現場の声をよそに、国はさらなる医療費の削減を推し進め、医師の絶対数不足には目もくれようとしない。
    なぜ、日本の医療はここまで追い込まれてしまったのか。
    そこには、「医療費は高い」という決めつけの下、財政を締め付けられ続けた病院の悲惨な状況が存在した。
    「医療崩壊」の最前線から日本の医療の未来を問う。

    [ 目次 ]
    第1章 今、医療現場で何が起こっているのか
    第2章 どこを見渡しても日本に医師は余っていない
    第3章 このままでは医療ばかりか日本が崩壊する
    第4章 日本の医療費は本当に高いのか
    第5章 医療崩壊をもたらす国の「甘いワナ」
    第6章 日本の医療に明日はあるのか

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 医師数需給調査のために購入。第二章が日本の医師不足について記載されている。わかり易い内容。

  • たまには、堅い本も読む。
    病院のたらい回し、という記事をを読むと違和感を感じる。ベットが開いてなければ受け入れられないし、当直医が手術にあたっていたら、受けようがない。それなのに、病院が悪いような印象を与えている。
    本当の問題点を現場の医者が告発している。劣悪な環境で身を張っている医療従事者に対し、政治も社会もあまりにつらく当たっている。日本の医療は崩壊しつつある。明日の被害者は我々だ。

  • 「長寿大国」の医療は、高水準であって然るべき。しかし、それがどのような環境・状況で成り立っているか。私が知っていることと言えば、せいぜいドラマの中に描かれる世界でしかなかった。私は医者は当然儲かっていると信じていたし、だからこそ近年の度重なる医療事故に憤然とした覚えもある。命を預かる身で何という…、と。どちらかといえば被害者の側になり得る自分にとって、直接の加害者を責めることに何の違和感もなかったのだと思う。
    知るべきは、「なぜそれが起こり得たのか」。本書には、そんな日本の医療が抱えてきた問題と、実際に現場に立ち続ける者の苦悩が綴られている。私達にとっても、もはや他人事ではないのだと感じた。

  • 全国の勤務医の気持ちを代弁した一冊と言っても過言ではない。

    「人の役に立ちたい」と高い志で医師になったにもかかわらず、人間らしい生活さえできない過酷な長時間の勤務、山のような事務書類、モンスターペイシェントへの対応、最近では逮捕・訴訟の恐怖とも戦わねばならない。

    心が折れて厳しい現場から立ち去る医師が後を絶たない。

    そんな医療崩壊は政府の医療政策の誤りによって引き起こされたのだ、と本田先生は鋭く指摘する。
    世界を見渡しても先進国の中で日本ほど医師数の少ない国も珍しい。しかも、世界一の長寿国でこれからますます高齢化が進むというのに、政府は口を開けば医療費の削減、削減、という。その一方で公共事業費、ODAなどへは多額の予算が組まれている。

    妊婦がタライ回しされた、と報道されれば「スーパー周産期病センター」を、未熟児がタライ回しされたといえば「各大学病院にNICUを」
    って、場所を作って人はどうするの?厚労省の考えることはいつも片手落ちだ。

    医療従事者は今こそ闘わねばならない。

  • 「国民や政治家に正しい判断ができると思いますか?」



    この言葉は、この本の著者が、ある厚生官僚に現在の医療制度を問い詰めた時に帰された言葉だ。
    正しい情報がなければ、正しい判断ができず、それにより一番不幸になるのは国民である」と筆者は結ぶ。


    これは何も医療の問題に限った事ではない。
    そして、医療もまた、謝った情報によりミスリードが繰り広げられている。
    そしてそのミスリードにより不幸になるのは社会における弱者である。

    医療は、これから大きな変革の時期に入るだろう、医療費の高騰に対してどこかで帳尻あわせをする必要があるからだ。
    皆保険制度により保たれてきた日本の安価な医療制度は、遠くない未来崩壊してしまうだろう。そんな事を思う。
    そうしない為には、私達も、こうした実際現場の人々の耳に声を傾け、考えなくてはいけない、判断しなくてはいけない。
    それによって不利益を被るのも、おそらく真っ先に私達であろうと思うからだ。

  • 医者は儲かるって言うのは、一部だけの話なんだろうな、と思わされる一冊。現場と会議室の乖離の典型な気が。

  • 連続勤務でみんな疲れている。働いていても お金は入ってこない。この本を読んでいると道路特定財源って なんだかな と 思いますね私バカだから すぐ影響受けるし。しかし お医者さんの文章って なんで 本でもブログでも 偉そうなんでしょ。たぶん みんな自分はエリートだと思っているんだな 

  • これは是非どなたにも読んで欲しい。私が自分のホームページで書こうと思っていたことが、もっと頭のいい人の手に寄ってものすごく分かりやすく書いてあります。
    これはみんなの問題です。私はこういう仕事をしているから知っていますが、ホントはみんなが知らないといけないことです。

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著者プロフィール

1954年福島県郡山市生まれ。医師(外科医)。1979年弘前大学医学部卒業後、同大学第一外科入局。東京女子医大腎臓病総合医療センター外科を経て、1989年埼玉県済生会栗橋病院外科部長に。2001年同病院副院長を経て、前埼玉県済生会栗橋病院院長補佐。NPO法人医療制度研究会副理事長。医療現場での経験から長年、医師不足や医療費抑制の問題を訴えてきた。著書に『本当の医療崩壊はこれからやってくる!』(2015年洋泉社刊)、『高齢期社会保障改革を読み解く』(共著、2017年自治体研究社刊)、『Dr.本田の社会保障切り捨て日本への処方せん』(2018年自治体研究社刊)など。

「2021年 『日本の医療崩壊をくい止める』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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