周恩来と日本: 日本留学の平和遺産

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  • 三和書籍
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862514639

作品紹介・あらすじ

周恩来(1898–1976)は1917年秋〜1919年春、日本に留学した。治水家の家系に生まれた彼は、古代中国の治水神「禹」の精神が日本に継承されていることに気づき、深い感銘を受けた。帰国後、中国革命に身を投じた周恩来は再び日本を訪れることはなかったが、終生日本を愛し、晩年も日本の桜に思いを馳せていたという。若き周恩来の日本での足取りを詳細にたどり、日中国交回復の原動力となったその日本観形成を解き明かす労作。

感想・レビュー・書評

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  •  第一部では李達など同時代の日本留学生、また嘉納治五郎ら日本側で関わった人々を取り上げる。第二部では嵐山探訪を中心に周恩来の足取りを辿り、第三部では治水神の禹王をテーマに周恩来や日中関係を見る。
     本書からは、周恩来の教養の豊かさがよく分かる。また、親日などと単純化は決してできないが、日本からの帰国後に訪日の機会は全くなかったにも関わらず、73歳になってもかつて訪れた琵琶湖の思い出を語るなど、一年半の日本滞在が周恩来にとって深い印象を与えたのだろうと思いたい。

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著者プロフィール

中国・河北省承徳市生まれ。大連外国語大学日本語学部卒業、四川外国語大学大学院修了。宮沢賢治研究、日中比較文化研究。人文科学博士(お茶の水女子大学)。「文化外交を推進する総理懇談会」や「国際文化交流推進会議有識者会合」など委員も経験。日本ペンクラブ国際委員、朝日新聞アジアフェロー世話人、早稲田大学や関西大学などの客員教授などを歴任。法政大学名誉教授、桜美林大学特任教授、拓殖大学客員教授、周恩来平和研究所所長。
宮沢賢治を中国に初めて紹介したことで知られている。90年に中国優秀翻訳賞、92年に山崎賞、97年に岩手日報文学賞賢治賞を受賞。2009年に文化庁長官表彰。
主著:『周恩来と日本』(三和書籍)、『嵐山の周恩来』(三和書籍)、『禹王と日本人』(NHK出版)、『宮沢賢治、中国に翔る想い』(岩波書店)、『宮沢賢治と中国』(国際言語文化振興財団)、『中国人の愛国心─日本人とは違う5つの思考回路』(PHP新書)、『ほんとうは日本に憧れる中国人─「反日感情」の深層分析』(PHP新書)、など。
共著:『自分がされたくないことは人にもしない』(三和書籍)、『日本初の「世界」思想』(藤原書店)、『<意>の文化と<情>の文化』(中公叢書)、『君子の交わり 小人の交わり』(中公新書)、『中国シンボル・イメージ図典』(東京堂出版)、『中国人の日本観』(三和書籍)、『日中文化の交差点』(三和書籍)など。
要訳:『西遊記』、『三国志』、『紅楼夢』など
中国語作品:『漢魂与和魂』、『十国前政要論全球<公共論理>』、『中日神話伝説比較研究』、『中国小説与伝説在日本的伝播与再創』、『銀河鉄道之夜』、『生活中的日本─解読中日文化之差異』、『宮沢賢治傑作選』など多数。

「2022年 『福田康夫文集 世界の平和を求めて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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