- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862760777
感想・レビュー・書評
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霞ヶ関の各省庁で働く若手職員有志により結成された「新しい霞ヶ関を作る若手の会」(NPO法人プロジェクトK)のメンバーが、今日のわが国にとっても課題と、これからめざすべき国家像を示し、それを実現する一歩となる霞ヶ関の構造的な改革について提言している。
プロジェクトKメンバーの現在の日本の現状認識、めざすべき国家像(協創国家、小強国家、真豊国家)については大きな異論はないが、その実現手段として、国としての総合戦略が必要であり、総合戦略本部の設置をすべきという提言には少し首を傾げざるをえなかった。
現在、多くの地方自治体においては総合計画を策定しているが、個々の分野の政策を寄せ集めて、後付けの理屈で首長のキャッチフレーズに結び付けているだけのものがほとんどである。しかし、それは仕方のない面もあり、現在の複雑肥大化した行政について、1つの総合戦略で整理しようとすることに無理があるのである。ましては、国においてはなおさらであると思う。内閣において政策の優先順位などの方針を示し、それを内閣のリーダーシップで進めていくことは必要だと思うが、それは現行制度の運用でも可能であり、国としての総合戦略の策定や総合戦略本部の設置などの屋上屋を架す必要はないと思われる。むしろ、そういうものを作ってしまうほうが、無用の混乱を招くように思う。
しかし、提言内容に賛同できない部分があったとしても、霞ヶ関の若手官僚が、このような建設的な提言をすることには率直に敬意を表するし、プロジェクトKの今後の活動にも大いに期待したいところである。 -
今も続く活動がこれまで「変化」を生んだのか。
検証する必要はあるかと。 -
「中央省庁には構造的な問題がある」の問題提起から、霞が関若手の有志らのNPO法人による提言。全体として、真剣に改革に取り組む熱意がすごい。
内容は、中央省庁を中心とした日本の現状についての紹介からはじまり、長期的・総合的にどのように国家を向けていくべきかの戦略論、それらを踏まえて、実現のために必要となる改革について、となっている。
おそらく霞が関の内部にいて、本当に国のために働いて感じる課題が書かれているのだと思う。
後半の改革提言部分は、かなりの具体論で、ついていくので必死であった。
レバレッジメモ
・世界的に、日本は政府部門が民間の足を引っ張っている
・必要に迫られて改革→うまくいく→うまくいかなくなる→必要に迫られて改革→・・・が近代の日本。
・悪いところもよいところもたくさんあるという状態は、程度はあれどきわめて当然な状態であり、これまでも、これからもそうである。 -
これまた熱い!!勉強になる。
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○三つの国家像→共創(官民の役割分担)、小強(明確なビジョンと戦略)、真豊(豊かさの再考)
○五つの価値観PEATH→平和、環境、芸術、技術、人的資源
・役人学三則に沿った、霞ヶ関の現状の的確な要約。
・戦略策定のための仕組みの具体的提案。
・戦略策定における霞ヶ関の位置づけの提案があるが、これからも議論されるところ。 -
世論を喚起したいという出版の趣旨に賛同して購入。
内容は、ごく当たり前の以前から言われていることが書いてあるように思えた。ただ、それだけに霞ヶ関では実現が難しいのかもしれない。
本の中でも紹介されている、会の活動が実際どのようなものなのか見てみたくなった。 -
程度はさておき、霞ヶ関も大企業も抱えている病は同じようです。
本旨とはズレますが、
最後に出てくるワークライフバランスとは、
「家族」「自身」「社会参加」というのには激しく共感っす。