日経新聞マジ読み投資術

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  • 総合法令出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862806536

感想・レビュー・書評

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  • 1. 新聞を読んでいますが、自分に足りない視点が何なのを学ぶために読みました。

    2.証券マンとして日経新聞や四季報を駆使して、お客さんと関わってきました。その自身の経験を本にし、日経新聞の読み方を基に、投資をする上での大切なポイントを説明してくれています。

    3.「関連しそうなキーワードを繋いでいく」という考え方が欠落していることを学びました。今までは「これが起きたからこの業界」という短絡的な思考に陥っていました。しかし、この原料が切れたらどこまで影響が出てくるのかという視点を持たなければ、投資で儲けることはできません。投資で儲けるためには株価が低いうちに買うしかないので、本書で出てくるキーワードを基に、自分の投資したい会社を選んでみようと思いました。

  • 「四季報読破 」 「日経新聞の切り抜き 」 、そして日々の株価指標や出来事を書き留める 「指標ノ ート 」である 。これら 3つを私たちは 「投資の三種の神器 」と呼んでいる 。


    牛丼チェ ーンの吉野家のキャッチフレ ーズである 。 「うまい 、やすい 、はやい 」という短い言葉で吉野家の特徴を的確に言い表している 。この要領で 、記事に書かれている背景を短い言葉で要約すると 、書かれていることが理解しやすい 。

    日経新聞ほど読者に強い思い込みを抱かせる新聞もないのではないかと思う 。その思い込みとは 、次の 2点だ 。
    ❶ 「日経新聞を読んでいる 」という自負はあるものの 、その実 、目を通しているだけで内容が頭に入っていない
    ❷ 「日経新聞は当たらない 」と当たる ・当たらないを基準に読む

    情報を活用するために日経新聞を読むには 、どのような心構えが必要なのだろうか 。これには 3つの視点がある 。

    ①新聞に 「何が書いてあるか 」を理解する
    ❷自分の考えをまとめる
    ❸反対側の見方を考える

    本当に大事なのは 、情報の量ではなく 、無数に流れている情報の中から 、いかにして本当に活用できる情報を絞りこむかという視点なのである 。

    リンチ氏は 、裏庭や商店街 、職場などを例にしながら 、 「投資のテ ーマは身近にある 」と説明している 。リンチ氏の考え方には共感する 。これを日経新聞に合わせて考えれば 、身近な場所とは一面の記事にほかならない 。

    誰もが毎日見ている記事に出ているテ ーマにすら 、多くの投資家が気づいていないことが多々あるのだ 。

    後ろから読むことは 、こうした論調に左右されず 、事実やデ ータをつかみ取るという効用があるのだ 。

    見出しや本文にある際立つキ ーワ ード (言葉 )に注目する読み方だ 。 「最 」や 「初 」 「新 」といったいくつかのキ ーワ ードに注目するだけで 、現在進行形で起きている大きな変化を簡単に捉えることができる 。

    新聞記事では 、フロ ーデ ータに言及されることが多い 。しかし 、できればストックデ ータに注目したい 。これはストックデ ータを知って 、記事で報じられている内容の規模感を知らないと 、前述の大きな転換点のインパクトを見誤りかねないからだ 。

    ストックデ ータが新聞に出るのは年末年始が多い 。
    マ ーケットデ ータについては 、第 3章で解説している 。


    記事を読んでいく際に重要なポイントは
    「変化をつかむ 」
    「マ ーケットを把握する 」
    「景気の方向性を見る 」ことだ 。


    ❶年 (例 : 2 0年ぶりに復刻 、 2 0 1 0年以来の快挙など )
    ❷初 (例 :初年度 、初期 、世界初の取り組み 、業界初の出来事など )
    ❸最 (例 :最高 、最低 、最長 、最多 、最古 、最大など )
    ❹新 (例 :更新 、新技術 、新たな取り組みなど )
    ❺発 (例 :発見 、発明 、発表 、日本発など )
    ❻転 (例 :転換 、反転 、転機 、移転など )
    ❼脱 (例 :脱退 、脱 ○ ○など )
    ❽改 (例 :改革 、改正など )


    世界や社会が動く背景にサイクルがあると考えると 、 「 ○ ○年ぶり 」はサイクルが一巡したり 、次のサイクルに入ったりしたことを示す転換点と読むことができるだろう 。


    海外に初の工場を作るなら 、同業他社もその後に続き 、設備投資や建設需要が増えるかもしれない 。設備投資なら 1 0年 、建設なら大体 2 0年のサイクルである 。
    I o Tや A Iといったテクノロジ ーを導入する企業が増えている場合 、在庫管理に活用するなら 3 〜 4年サイクルだし 、設備投資と捉えるなら 1 0年だ 。
    これら技術によって人々の働き方や生活が大きく変わる可能性があるなら 、 5 0年のサイクルがこれからスタ ートするのかもしれない 。


    半導体業界には 「シリコンサイクル 」という特有のサイクルがあるといわれる 。
    サイクルの周期は通常 、谷の 「底 」と 「底 」の感覚で測る 。
    周期は 4年前後で 、在庫と連動するキチンサイクルに近い 。
    半導体は技術革新のスピ ードが早く 、製品の入れ替えも短期化する傾向がある 。
    そのため 、その時々の主力となる製品に合わせて生産量や出荷量が変わるというのがこのサイクルの背景である 。

    売買のタイミングを考える際にはサイクルを意識することが重要で 、現在の株価がサイクルのどの位置にいるか踏まえることで 、高値づかみを避けることができ 、高値で売り抜くこともできるようになるのだ 。

    株に絶対はないが 、サイクルが下向きつつある銘柄を買うのは 、私はリスクが大きいと思う 。

    投資先の選別では 、つい業績や指標 、チャ ート上の値動きといった細かなところに目がいってしまいがちだ 。
    しかし 、会社の利益はマ ーケットから生まれる 。枝葉末節な部分にとらわれないようにするためにも 、個別企業に関する情報をうまく活用するためにも 、マ ーケットに関するデ ータを集め 、マ ーケットを知ることが重要なのだ 。

    マ ーケットデ ータの重要性は 、マ ーケットの大きさに比例するといっても良い 。

    なぜ世界のマ ーケットデ ータが重要かというと 、世界のマ ーケットが土台だからである 。その土台の上に日本市場があり 、各業界のマ ーケットがあり 、個別銘柄が乗っかっている 。そのため 、土台が安定していれば日本市場の景気も良くなりやすいし 、各業界の指数もよくなり 、個別銘柄も値上がりしやすくなる 。

    注目したいのは 、 「 S D G s関連ビジネスの市場規模は約 1 2兆ドル (約 1 3 0 0兆円 ) 」という点だ

    変化をつかむための基準値として 、今のデ ータを押さえておくことが重要なのだ 。

    フロ ーはフロ ー 、ストックはストックでデ ータを集めていき 、その上でマ ーケットの規模や成長を分析していくということだ 。

    そこで便利なのが 、日経新聞が年に 1回 、 5月中旬に出す業績集計の記事だ 。これは日経がまとめている情報の中でも特に重要なフロ ーデ ータで 、各業界の経常利益の平均がどのように変化するかを予想したものだ 。

    ●増益転換 …経常利益が減益から増益に転換する業種
    ●業績改善 …経常増益が前期から今期にかけて高まる業種
    ●業績鈍化 …経常増益が前期から今期にかけて低下する業種
    ●減益転換 …経常利益が増益から減益に転換する業種

    一般的に使われている景気という言葉は 、感覚的で気分的なものだ 。
    感覚には個人差があり 、気持ちは常に揺れ動くものだからこそ 、景気の実態をつかむのが難しいのである 。

    景気動向指数を見れば今の景気はわかる 。
    その動向を読み解くための方法としては 、景気動向指数を 、 「先行 」 「一致 」 「遅行 」に分けると良いだろう 。
    記事を読む際には 、その記事が 3分類のどこに当てはまるのかをまず考えた方がいい 。

    世の中全体が好景気だと感じたり 、景気が良いと伝える記事がたくさん出たりしたときが 、たいてい景気のピ ークであるからだ 。そのときに株を買えば 、当然 、高値づかみになる 。投資で稼ぐためには 、変化の兆しをつかみ 、変化が起きる前に買い 、ピ ークのときに売るといった世の中より半歩くらい先を行かなければならない

    重要なのが景気の先読みであり 、先行デ ータを見ながら変化をいち早く察知することなのだ

    どうすれば連想する力を高められるのだろうか 。
    1つ目のポイントは 、記事から単純に連想できることに止まらず 、もう半歩先をイメ ージして見ることだ。
    連想で大事な 2つ目のポイントは 「誰が儲かるか 」を考えることだ 。
    連想する際の 3つ目のポイントは 「世の中がどう変わるか 」を連想してみることだ。

    「こんな未来がくるかもしれない 」 「こんな世の中になったら面白い 」といった発想でイメ ージを膨らませていくことが大事なのだ 。

    どこがメインとなるインフラを作るか 、という視点で見ることも連想していく際の 1つの鍵になるのではないかと思う 。

  • 記録。為にはなった。

  • 日経新聞を読んでいるが、もっと深く読みたいなあと思い、今回の本を読んで見た。




    著者は野村證券で個人投資家への資産コンサルティングや機関投資家向けへ日本株セールスに携わってきた。その後、独立して複眼経済塾代表取締役社長に就任。




    野村證券時代に所属していた部署で行われていた「日経新聞・読み合わせ会議」に参加したことが、今回の本へとつながっている。




    対象記事は、すべての記事で、進行役の部員から当てられた部員は、記事に関して様々なツッコミが飛ぶ。




    この経験から日経新聞を読んでいるつもりになって、内容が頭に入らない、そして日経新聞は当たる・当たらないの基準で読むのは、情報を活用していないと指摘している。





    朝にテレビ番組で流れる占いコーナーじゃないので、日経新聞から得た情報をどのようにして役立てるかにかかっている。





    著者は、日経新聞を一面からではなく最後の文化欄から読んでいる。それは、新聞社の論調に左右されないためと述べている。





    キーワード、データ、トレンドに着目するのが良いと勧めている。キーワードで、大きな変化・転換点に気づく。データで、マーケット規模を知る。そしてトレンドで、景気の方向性を見る。





    注目の仕方として、各記事の「見出し」がポイントとしている。次の8つの漢字に注目している。




    年、初、最、新、発、転、脱と改だ。




    どうして注目しているのかと言うと、市場や事業の変化を伝えたり、変化の兆しを示唆したりする記事によく使われる漢字だからと説明している。





    欠かせないのが「会社四季報読破」「日経新聞切り抜き」と日々の株価指標や出来事を書き留める「指標ノート」だ。著者はこれらを「投資の三種の神器」と呼んでいる。日々の読み込み、メモを地道にすると見えてくるものがあるようだ。




    そういえば、週刊東洋経済「特集 株の道場 新年相場編」の中で、著者は「10倍株はこう探す」でも「投資の三種の神器」の活用を勧めている。

  • 日経新聞の読み方について解説した書籍であるが、著者の頭があまり良くないのか、推敲が足りないのか、展開が不自然で読んでいて納得感がない部分が多い印象だった。
    書籍本文の内容と「おわりに」に記載している内容もちぐはぐであり、書籍全体としてのレベルの低さを感じた。

    同じ記事を見ても人と違う視点を持って付加価値をつけることを推奨していたが、この人の思考力では、たいした付加価値が付かないだろうと感じされる内容であった。
    そもそも日経新聞を読んでトレンドを把握し、それを投資に活かすというスタイルが好みではないので、別の投資スタイルを探っていきたい。

  • 会社四季報の達人の著者。
    この本もなるほどと思う内容が多い。

    詳細株情報に記入。

    カジノが要注目との下りが特に面白い。

  • 1年後あたりにこんな読み方ができるようになればいいなぁって思いました。新聞読みが少し楽しみになりました!
    今から意識できるポイントがたくさんあって、個人的にとても参考になりました。

  • ・景気の「気」は気分の気。気を読む
    ・世界→国内→業界の順に気を読む
    ・キーワード、数字、トレンド
    ・8つの漢字(1:年、2:初、3:最、4:新、5:発、6:転、7:脱、8:改)
    ・景気循環(1:チキン、2:ジュグラー、3:クズネッツ、4:コンドラチェフ、5:ヘゲモニー)
    ・業種を4つに分類。(1:増益転換、2:業績改善、3:業績鈍化、4:減益転換。1:経常利益が減益から増益に、2:前期から今期にかけて高まる、3:前期から今期にかけて低下、4:増益から減益に)
    ・景気動向指数を3つに分類。(1:先行、2:一致、3:遅行。1:数か月先に先行する。着工、受注、マーケット。2:現状。生産、出荷。3:生産や販売の結果。家計消費や物価。)(1:最終需要財在庫率指数[逆サイクル]、鉱工業用生産財在庫率指数[逆サイクル]、新規求人率[除学卒]、実質機械受注[製造業]、新設住宅着工床面積、消費者態度指数、日経商品指数42種、マネーストックM2・前年度比、東証株価指数、投資環境指数[製造業]、総資本営業利益率[製造業]、長期国債10年・新初債流通利回り、中小企業売上見通しDI(2:生産指数[鉱工業]、鉱工業用生産財出荷指数、耐久消費財出荷指数、所定外労働時間指数、投資財出荷指数、商業販売額[小売業]、商業販売額[卸売業]、営業利益(全産業)、中小企業出荷指数[製造業]、有効求人倍率[除学卒])(3:第3次産業活動指数[対事業所サービス業]、常用雇用指数[調査産業計][前年同月比]、実質法人企業設備投資[全産業]、家計消費支出[勤労者世帯][前年同月比]、法人税収入、完全失業率[逆サイクル]、きまって支給する給与[製造業、名目]、消費者物価指数[生鮮食品を除く総合]、最終需要財在庫指数)
    ・マーケット(1:食品、2:繊維、3:パルプ・紙、4:化学、5:医薬品、6:石油、7:鉄鋼、8:非鉄金属、9:機械、10:電気機器、11:造船、12:自動車・部品、13:精密機器、14:建設、15:商社、16:小売、17:不動産、18:鉄道・バス、19:陸運、20:海運、21:通信、22:ガス、23:サービス)
    ・国策は買い
    ・テーマ株の周辺で「誰が儲かるか」。(ex.ゴールドラッシュの時にスコップを売った人)

  • 一番なるほどって思ったのは”8つの漢字を探しながら見出しを読む”のところ。ともすれば流し読みになりがちなのは自覚していて、かといって逐一読む時間も無いし…ってのが悩ましいところだった。それに対する一つの解にはなりそう。ひとまず、漢字によるスクリーニング読みを取り入れてみようと思う。

  • 2019年12冊目。満足度★★★☆☆ 前著の方が内容は深い。でも、そこそこ参考になる。

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著者プロフィール

1967年生まれ。1990年筑波大学第三学群基礎工学類変換工学卒業後、野村證券入社。個人投資家向け資産コンサルティングに10年、機関投資家向け日本株セールスに12年携わる。 野村證券本店在籍時より、『会社四季報』を1ページ目から最後のページまで読む「四季報徹底読破」を開始。2014年の独立後も25年以上継続中で、2022年10月1日には四季報100冊読破記念月例会を日本の株式取引発祥の地、日本橋兜町ホールで開催。 テレビ・ラジオなどの投資番組に出演多数。 「会社四季報オンライン」でコラム「四季報読破邁進中」を連載。『インベスターZ』の作者、三田紀房氏の公式サイトでは「世界一『四季報』を愛する男」と紹介された。『会社四季報の達人が全力で選んだ 10倍・100倍になる!超優良株ベスト30』(SBクリエイティブ )、『四季報を100冊読んでわかった投資の極意』(ビジネス社)、『会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方』(東洋経済新報社)など著書多数。

「2023年 『本物の長期投資でいこう!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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