利き蜜師物語 銀蜂の目覚め

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  • 産業編集センター
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863111370

作品紹介・あらすじ

国家最高位にあり、蜂蜜に封じ込まれた“時”を読む能力を持つ、利き蜜師の物語。

豊かな花場を持つ村・カガミノ。
蜂蜜の専門家であり術師である利き蜜師・仙道の平穏な日々は、
村に迷い込んだ一匹の銀蜂に気づいたことで一変する。
東の地で悪しき風が吹き始めている……。
仙道は幼い弟子・まゆを連れてカガミノを出るが……。

迫力のスケールで描かれる傑作ファンタジー。第三回「暮らしの小説大賞」出版社特別賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 先日読んだ『異世界転生に感謝を』の挿絵の六七質さんの挿絵に惹かれて手にとった。本当にありそうな雰囲気の世界で、ありそうにないファンタジーな生活がある。ハリーポッターのような、実は私たちが知らないだけで、こういう人々がどこかに居るのではないか?という錯覚を感じる。全体的に優しい。利き蜜師、というのがファンタジー世界での賢者的な職業で、はちみつが栄養であり薬である世界で、まだこの1巻では蜂蜜自体が社会にどういう影響があるのかはしっかりとは語られない。不老不死の呪いで見た目が若い師匠のハルカと天才まゆのコンビに妖精のような金の蜂とヴィランの銀の蜂。敵の設定が大変面白い。

  • 小林栗奈さん、利き蜜師物語シリーズ「銀蜂の目覚め」読了。 今までにない「利き蜜師」という職業が登場するファンタジー。利き蜜師は、蜂蜜を見定めることはもちろん蜂蜜を通し過去、未来を見る特殊な能力を持ち、科学と占星術に優れ、国家の認定を受けた一流の科学者以上の地位をもつ。 物語は、そんな利き蜜師「仙道」が豊かな花場を持つ村「カガミノ」で村人ともに平穏に暮らすところから始まる。そこに一匹の「銀蜂」が村に迷い込んで来たことで状況は一変する。仙道は幼い弟子のまゆを連れ、カガミノを出るのだが。。 ファンタジー好きがワクワクする要素がいろいろ詰まっていて面白かった。物静かな若き利き蜜師、そして行動を共にする金色の守り蜂、優れた素質をもつ弟子の少女。奇妙な流行り病、得体の知れない銀色の蜂など、また登場人物の過去も謎めいています。読み終わって、今後の展開が気になる作品でした。あまり難しい内容はなく、サクサク読めます。ファンタジー好きな人にオススメ。

  • 甘い香りが漂ってきそうな、雰囲気の良いファンタジー作品。表紙のイラストも綺麗で好き。
    まさに蜂蜜のようなとろっとした優しい世界観で、一応不穏な影はあるものの一巻では特に大きな被害とかもないし、危機ではあったんだろうけど緊迫した展開もなくまったり読める感じ。今後もう少し臨場感ある展開が出てくるのか、それとも優しい世界観のままであるのか、そこは気になった。酷い展開がないのならそれはそれで安心して読めるファンタジーなんだけど、ちょっと物足りなさも感じたり。
    まゆはいい子だし、師匠の仙道も優しくて頼りになるんだけど、キャラとしてはちょっと印象が薄めかも。カスミさんの方が好きだったり。
    完全に個人的な感想だが終始出てくる蜂蜜と蜜蜂が似すぎててしょっちゅう誤読したのでどっちかカタカナにするとかしといてほしかった…。

  • 蜂蜜の過去などを読む能力を持つ利き蜜師が主人公のファンタジー。養蜂、蜂蜜の専門家って珍しいなあと思いながら読みました。
    美しい世界観。守り蜂がかわいい。発想おもしろいです。利き蜜師ってすげー!読みやすい文章でさくさく読めました。これからの展開が気になります。まゆの成長も楽しみ。しかし、この作品、国とか人物の名前ってどうなってるんだろう。

  • 2020.10.02

  •  何年か前にこの方の別の作品を読む機会があった。その作品は残念ながら日の目を見なかったようなのだけれど、最近ふと、あの人は今どうしているのかな、デビューできたのかなと思って検索してみたら、この『利き蜜師物語』のシリーズに行き当たった。ジャンルはファンタジーであるらしく、俄然興味がわく。その直後に第一回創元ファンタジイ新人賞の選考過程にもお名前を見つけたので、この方はファンタジーを書く人だったのだなぁと今更ながらに知って嬉しくなった。
     蜜蜂を操り、蜂蜜や花冠を使ってまじないを行う"利き蜜師"という設定は非常に面白く、序盤から引き込まれた。仙道がとても魅力的で、蜂蜜の糸を使って敵をやりこめる所は本当にワクワクされられる。まゆがカガミノへやってきてからの仙道との触れ合いのエピソードも、読んでいるこちらまで心があたたかくなるよう。
     ただ、仙道の一番重い過去をこの一冊で明かしてしまうのはもったいないなぁと思ってしまった。賞に応募するため字数制限と戦いながらこれぞというエピソードを詰め込んだのだと思うので、仕方ないことではあるけれど……。仮に最初の段階から4冊シリーズを想定して執筆されていたら、仙道の過去は3巻の後半辺りで明らかになっていたのではないだろうか。かといって彼の過去を抜きにしたらこのストーリーは成立しないので、どうしようもない。応募作にこのネタを使ってしまったのが本当にもったいない。
     しかし設定がなかなか素晴らしかったので、続刊を読むのはとても楽しみ。もっともっと商業で活躍してほしい作家さんだ。

  • このタイトルは私好みの話に違いない!と図書館で、お取り寄せしてもらった本(^^)そして思ったとおり大好きな世界だった♪ワクワクドキドキのファンタジー(*^^*)始まりという感じで、まだまだ解らない事が多いけれど、利き蜜師の弟子・まゆの成長も併せて楽しみ(^o^)♪

  • 軽い感じで読みやすいのですが、浅くも見えるので蜜師が通常行っている業務とかがもう少し詳しく描いてくれると嬉しい。

  • 蜂蜜、蜜蜂の専門家である利き蜜師のお話。これから先があるんだろうなとは思うけれど、期待過多だったかもしれない。とりあえず続きも読んでみたい。
    2018/3/13

  • 面白いような普通のようなお話だなぁと思いつつ、ラストでガツンとやられました。

    人の弱さとエゴと真心。そして、蜜蜂のおかれている現状。
    多くは語られないからこそ、読み手が考えるのだ。

  • 風、草花、蜂蜜…美しい風景がすーっと頭の中で思い描けて、映像化が楽しみな作品。それだけに、どうしてもそれぞれの人物設定に物足りなさを感じてしまう…。雰囲気は好き、続きは気になる、でももう少し細やかな設定に深みがほしい。

  • 創作で完全に新しい世界を作り上げる事は容易ではなく
    かと言って馴染みのないものが中心に来ると
    かたちを想像して楽しめないタイプの人にはつらいかもしれない。
    そういう意味では読みやすい作品です。

    全体的な世界観が中途半端な感じがするものの(完全な異世界感がないからか…)
    それなりに楽しめました。
    登場するキャラも魅力的というか中途半端な感じで可も無く不可もなくというか。
    ありがちな人物設定というかなんというか。
    皆それぞれに痛みを持っているというのもお約束な感じがしなくもないし
    命をかけるヒロイン的な女性もどこにでもありそうな設定な気もするし…

    しかし続きも読むかと思います。
    何故なら表紙が六七質さんだから。
    不純な動機ですが表紙がきっかけで手に取る事はあると思う。
    六七質さんが関わってたら評価★1だとしても読みます。
    あまり面白くないなと思うのに絵で売れてる本もあるように思いますし、表紙の力は凄いです。
    私は菅 浩江さんの作品が好きですがきっかけは「プリズムの瞳」という本の表紙が綺麗だと思ったからです。
    内容が一番ですが見た目も大事。人も本も同じです(笑)

  • 成長・戦い・愛情・悲哀などポイントを押さえていて、割と世界観のしっかりしたファンタジーらしいファンタジーで面白いと思います。ラスボスはまだ健在のようだし、まゆの成長も見てみたいので次も読みたいと思います。

  • ファンタジーって、世界観を作りあげることが本当に大事なんだなぁ、と思った作品。
    要素はファンタジーなんだけど、いまいち入り込めないのは、世界観が中途半端だからのように思う。
    名前がなんか紛らわしいし。日本と海外が変に混ざってしまった世界のような。

    ストーリーは悪くないのになんか残念。次巻でこの世界に慣れて入り込めるかなぁ?

    2017.10.8

  • 国家最高位にあり、蜂蜜に封じ込まれた“時”を読む能力を持つ、利き蜜師の物語。

    豊かな花場を持つ村・カガミノ。
    蜂蜜の専門家であり術師である利き蜜師・仙道の平穏な日々は、
    村に迷い込んだ一匹の銀蜂に気づいたことで一変する。
    東の地で悪しき風が吹き始めている……。
    仙道は幼い弟子・まゆを連れてカガミノを出るが……。

  • 利き蜜師、何とも面白そうな仕事。
    ハルカの今は無くなってしまった母国は日本だろうなぁ(笑)
    ハルカについて今回、1巻から色々分かったけど、能力が衰えてきた?弱まってきた?理由は分からず終い。
    単に時の流れというのもあるだろうけど、まゆを弟子に取ったことも微妙に関係してそうだなと。

    まゆについては今回そこまで掘り下げられなかったから気になるところが残ったな。
    何故リスカしたのか、何故大きな声?に過敏なのかとか。
    通ってた学校でのまゆも気になる。
    両親とのそれまでの関係や、実家を継ぐという弟も。

    銀黒王は今回復活はしなかったってことで良いのかな?
    そして、黒幕が最後チラッと出てきた?
    銀黒王をも利用する力がある黒幕に太刀打ちできるの?
    まゆがどこまで成長し、仲間を作っていくのかが鍵になるのかなぁ。
    銀黒王はまゆが鍵になりそうだな思った。
    銀黒王は寂しくないのかとか、色々考えてあげられるまゆは銀黒王と良好な関係を築けそうな気が。
    銀黒王がまゆの守り蜂になったりしないのかな?
    守り蜂がどうやって出来るのかが分からないけども。

    孤独の呪いはカスミ、不死の呪いはハルカ。
    ハルカは不死だから死なないのだろうけど、カスミは孤独の呪いだからいつかはやはり寿命が来るんだろうな…。

    アリシアはハルカのことが好きなのだと思ってたけど、カスミのことが好きだったんだな。

    シリーズものみたいだから、早く続き読みたい。

  • 面白かったー。
    後半の展開が、いささか強引というか展開が急というかだったけど、続きがきになる!

  • 言葉を話す蜜蜂が出てくるファンタジー。昔、敵を封じ込めるために自ら蜂蜜の中に取り込まれ、蜂蜜に同化してしまった人がいた。こういう、取り込まれる系の設定は大好き。面白いのに、どの登場人物たちもあっさり書かれていたのが残念。ストーリーもさらっとしていてあまり入り込めなかった。

  • 利き蜜師という魔術師のような人たちが蜜蜂や蜂蜜のある世界を守っている.ところが,銀蜂の王の侵略との戦いが密かに行われ,仙道は60年前に大きな犠牲を払ってしまった.新しく弟子となったまゆとともに立ち向かい,蜂蜜と蜂という道具立てで,呪いを払い過去から蘇る姿は感動的だ.

  • 第三回「暮らしの小説大賞」出版社特別賞受賞作。

    帯には「若き利き蜜師の物語」とあるので、仙道が主人公だと思うのだが、掘り下げが足りないのか、視点がボケる。
    シリーズ化されるのかと思う程に、肩すかしを感じるほどの終わり方。シリーズ化を前提するなど、もう少しじっくり作り込んで欲しかった。

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著者プロフィール

小林 栗奈(Kurina Kobayashi)
1971年生まれ。東京都多摩地方在住。中央大学文学部で図書館情報学を学ぶ。 表の顔は地味で真面目な会社員だが、本性は風来坊。
欲しいものは体力。 2015年、第25回「ゆきのまち幻想文学賞」長編賞受賞。 2016年『利き蜜師』で第三回「暮らしの小説大賞」
出版社特別賞を受賞し、『利き蜜師物語 銀蜂の目覚め』(産業編集センター)として刊行。
他に『利き蜜師物語2 図書室の魔女』『利き蜜師物語3 歌う琴』『利き蜜師物語4 雪原に咲く花』『骨董屋・眼球堂』
『西新宿 幻影物語』(すべて産業編集センター)がある。

「2020年 『骨董屋・眼球堂2 エディス・グレイの幻の絵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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