- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863541702
感想・レビュー・書評
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情報システムにおいて世界中で使われているマネジメント手法のフレームワーク、ITILについて小説形式で解説した本。
舞台は情報システム部かと思ったら、購買部。ITの現場以外にも使えるらしい。
それほど、今まで触れてきたビジネス本でいっていることと違いはなく、それほど新鮮味もなかったけど、著者があとがきでも書いてあるように、部門長を顧客ととらえるというのはちょっと新しい視点だなとは思った(自分にたいして直接予算や人を付けてくれるかららしい)。ドラッカーも顧客は誰かを定義するのが重要と言っていたような気がするけど、部門長といわれると近い存在で分かりやすいといえば分かりやすいのかな。ちょっと抵抗がある気もするけど。
後、コラムにあった日曜朝にやっているヒーローもの・ヒロインものでの「リアクティブ」「プロアクティブ」の説明が面白かった。リアクティブは事後処理、プロアクティブは事前対策ということだそうだけど、ヒーロー・ヒロインものはヒーロー(ヒロイン)が「リアクティブ」で、敵が「プロアクティブ」になることが多いらしい。まあ、大抵ヒーロー側が勝って敵側が負けるから、ヒーロー側は事前に対策をとらなくていいという考えなんだろうな。よくよく考えれば、今後敵が来ないようにするための対策を考えてもよさそうなもんだけど。
ちなみに、物語自体はそこまで面白いと思わなかった。正直疑問点も多い。主人公がいきなり異動したのはいいけど、結局一緒に仕事してるのは前の部署のメンバーという(異動先の部署でも、上司とぐらいしか接点が描かれてなかった)。後、ITILを親切に教えてくれる情報システム部の先輩は、普段の仕事をほったらかして教えていて大丈夫なのかと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
業務改善をテーマとして、
ITILの説明とPDCAサイクルの回し方について
説明されて本です。
ITILは過去のベストプラクティスが溜まっており、
それを自由に取捨選択してねというスタンスを取っているがゆえ、
そもそもどのタイミングでどんなことに使えるのかの
概要を一通り把握するのが面倒くさい。
その基本的な内容をザッと把握するには、
本書は非常に有効だと思いました。
私もITILそこまで詳しくなかったので勉強になりました。
【勉強になったこと】
・ITILの5つのアプローチ
サービスストラテジ:
ビジネスの目標や要求を明確にして、
それを達成するためのサービスの戦略を作る。
サービスデザイン:
個々のサービスの内容を設計するとともに、
そのサービスにどこまで力をかけてどんな品質で
提供するのかレベルを決めて顧客と合意する。
サービストランジション:
サービスデザインで設計したサービスを開始するために
必要なものや人を揃えたり、トラブルなく運用できるように
するための事前の検証をする。
サービスオペレーション:
日々のサービスを運営する。
継続的サービス改善:
サービスの測定・報告、および改善するための取り組み。
・需要管理
①過去の需要を把握する
②未来のイベントを把握し、需要を予測する
③必要なリソースやキャパシティを見積もる
④キャパシティコントロールや需要コントロールを策定する
・提供するサービスをサービスカタログとして整理する
カタログの主な項目:
サービス概要
サービス提供時間
業務量
運営主体、運用者数
インプット、アウトプット
利用者、利用者数
関連サービス(前後)
停止時のインパクト
優先度
・課題解決のための5R
Remove:原因を取り除く
Reduce:軽減する
React:対応を効率化する
Remain:放置する
Refine:振り返る
・変更のトリガー
インシデント管理で挙がった内容の解決のため
問題解決・予防のため
ビジネス目標実現のため
・PDCAを回すためにはサービスの測定が重要。
そのためにもサービスごとに測定する項目を定義し、
それを簡単に分析出来るような仕組みも作っておくこと。 -
ITILについて、実際の業務改善プロセスの物語のカタチでわかりやすく学べる一冊
対象読者は以下のような方
•複数の人と仕事をしてる
•仕事の業種は問わず (非IT系でも読みやすい)
•業務プロセスに疑問を持っている
•業務プロセス改善のためのなんらかのアクションを起こせるポジションにいる
•ITILを、ほとんどあるいは全く聞いたことがない
逆にフツーの「新人ガール」にはおすすめできない。本書の新人ガールは、部署の業務改善プロセス改善リーダーとして奮闘している稀有な例である。 -
表紙にあるように「小説型ITIL応用の指南書」でした。もしドラのような小説ではない。小説としてのストーリーは薄いが、ITILを理解し易くする順序で話は組み立てている。
IT Service Management教科書のようなくどくどとした読みにくさは無い。
内容はV3。既存サービスのプロセス改善と考えれば、V3の方が理解し易いのかな。
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・サービスデスクを置くメリット
ユーザ側:窓口一本化でわかりやすい。
プロバイダ側:サービスデスク以外のメンバが専業に集中できる。
ユーザの声を集中管理できる。 -
ITILFoundation試験の勉強の導入として読んでみた。
小説としてのあらすじもあり、ITILの説明もあったので、話題がてんこ盛りだった。小説としては読みづらい。
ただ、ITILを業務に落し込むにはどうすればよいかという点では、
具体例が分かりやすく纏まっていると感じた。
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IT専業でやってる人がITILを本格的に学ぶ目的でこの本を手に取ったなら、物足りなささを感じると思うが、畑違いの部署からシステムの運用部門に異動した社員がいたら、真っ先にこれをお勧めしたい。
ITILは、IT業界に限らず役立つマネジメント手法というのは自分も実感しつつあるが、それをより実感ができる、物語の形式の本というのは非常に役に立つ。
非IT部門にITILを導入するという物語の構成上、ユーザーと顧客に近しい部分の記述が細かいのもポイント。 -
会社でITの運用をしている人は、会社で無理やりITILファンデーションの資格を受けさせられる人も多いと思うが、このITILファンデーションの資格の勉強ほどつまらないものはない。
なぜつまらないかというと、非常に無味乾燥なフレームワークで血が通っていないように見えるからである。
しかし、そんなITILについて、この本では、購買課に配属された新人ガールが、日常の仕事をしていく中で、社内のお荷物になっていた購買課の業務プロセスを改善するというストーリの中で、ITILのプロセスを説明してくれていて非常にわかりやすかった。
ITILというIT発祥のフレームワークもどんなサービスにも適用できるということを、誰にでもわかるように説明してくれており、かなりの良書だと思う。 -
業務部門に、ITILの概念を適用するストーリー。 まあ、ITILは成功事例集だし、フレームワーク。業務に対するフレームワークとしての活用は、目の付け所がいいと思った。
この本の狙いは、業務とITの概念レベルでの融合と考えると、両者が一緒に勉強会をするような企画と合わせた活用が良いんじゃないかな。