金曜日のあたしたち

著者 :
  • 静山社
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本棚登録 : 159
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863897717

作品紹介・あらすじ

高校受験に失敗し、くさりまくっていたあたしの心に火をつけたのは、金曜日の駅前に立っていた、第一印象だけ良すぎのあいつでした。

感想・レビュー・書評

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  • 第一志望の高校に失敗し、初めて味わった挫折を引きずったまま、新しい環境に慣れず無気力な陽葵。

    彼女が出会ったのは、段ボールに何か書かれたものを持ちスタンディングしている高校生。

    気候時計、知ってますか?
    タイムリミットまであと六年!

    その言葉に何それ?と気になり近づいて声をかけたことが始まりで…。

    彼らは、第一志望だった高校生ということも気になりながら、それ以上に今の環境、温暖化について知らないことを学ぶことで、今の高校生活も少しずつ変化していく。


    何かひとつのことがきっかけで、新たな出会いが生まれ、学ぶことで誰かに伝えて共有したいと思える。
    そんなふうにして知らないことに飛び込んでいけるのは、若さだけじゃなく勇気も必要だと思った。

    気候時計について、これからの未来の環境について学びながら、高校生の眩しい恋愛も知れた。

  • 200ページでこの内容。
    濱野京子さんて本当にすごいなって思う。

    ある金曜日、陽葵(ひなた)が駅前で見かけたのは、自分が入りたかった(入れるはずだった)高校の制服を着た生徒たち…手に手製のプラカードを持ち、なにやら訴えているが...。
    彼らは、FFF(フライデーズフォーフューチャー)、グレタ・トゥンベリさんが始めた気候正義のための活動を実践していたのだ。

    模試ではA判定の出ていた第一志望の私立に落ち、自分よりできなかったはずのいとこが受かった。
    行きたくもなかった公立高校でふてくされて友達もいなかった陽葵だったが、駅前で活動する彼らとの出会いで悔しさがぶり返しそれをバネに気候危機について学び始める...。

    陽葵の心の内の描写が、もうそれな!っていうくらいによくわかる。
    志望校に落ちて自分自身に納得がいかないこともあり、なじめない学校。それでも目をあげてクラスメイトに心を開き始める陽葵。
    最後は色々なことが前に向かって進んでいく感じは出来過ぎな気もするが、大きな挫折を味わったんだから、これくらいのご褒美は頂きたい。
    2023.8

  • 高校生が主人公の爽やかな話でした
    挫折からだんだん立ち直り
    積極的に行動していく姿に眩しさを感じました
    難しい環境問題も題材にしながら
    読みやすく若い子世代にも読んで貰えたら
    良いなと思いました

  • 受かると思っていた第一希望の高校に落ちた陽葵
    は、初めて挫折を体験した。(自分より下に見ていた従姉妹は合格したのに)
    駅でスタンディングをしている第一希望の高校生に出会い、環境問題に関心を持つ。

    世界中の環境問題を陽葵が学ぶことで、一方読者にも伝わる。
    姉妹の様な従姉妹や友情もイイ感じに進む。

    環境問題もわかり、陽葵の恋愛の行方も♬
    中高生に読んで欲しい!

    #中高生

  • 高校生が選ぶ掛川文学賞にノミネートされていたので読んでみた。
    面白い!勢いがある!
    環境問題の啓発が裏テーマ、でも全く押し付けがましくないし、自分でできる一歩がわかりやすいし、登場人物は魅力的だし、環境問題だけではなくいろんな問題にも触れられてるし、なにより物語として魅力的!

  • 志望校に落ちて鬱々と過ごしていた陽菜が、環境問題について訴えるスタンディングに出会ってからの話。
    出会う「前」と「後」。
    環境問題に無関心で危機感のない人たちに「なんで?」と思うが、数日前の自分と重ね合わせ「ハッ」とするシーンが印象的。
    「出会い」って本当に大事。

    環境問題や現状について、高校生の陽菜の日常を通して語られるのでストーリーを楽しみながら知ることができる。
    自分の気持ちの持ち方など、あちこちで気づきも得られそう。
    ラストも良かったし、児童書ってすごいなぁと思いました。

  • 環境問題を語りながら、話も進んでいく。なかなかないのではないか。

  • 読みやすい。
    高校生の陽葵(ひなた)、受かるはずだった志望校に落ちたコンプレックスを抱えて過ごす。その志望校だった高校の環境問題研究会員の活動に出会うことで、意識が変わっていく。活動していたあの人がきになる。志望校に合格した従姉妹に彼氏が。自分のしたくないことはしてはいけない。やる気スイッチの入った陽葵は活動にも前向きに。
    環境問題にも少し興味が持てるかもしれないお話し。

  • 第一志望の私立櫻木学園に落ちてくさりまくっている陽葵(ひなた)
    入学した県立松川高校には居場所が見つけられず、無気力、惰性で通っている

    ある日、駅前広場でプラカードを掲げている高校生のグループを見かける

      ストップ! 温暖化
      気候時計、知ってますか?
      タイムリミットまであと六年!

    金曜日にスタンディングをしている“意識高い系”の4人は、“あたしを拒否った”櫻木学園「環境問題研究会」の2年生だった

    陽葵は、めちゃくちゃさわやかだけど上から目線でえらそうにものを言う涼真に教わりながら環境問題を学び始める

    そして、気がつくと涼真のことも気になるようになって……

    《あたしの心に火をつけたのは
     第一印象だけよすぎの
     金曜日のあいつでした。》──帯の紹介文

    大震災と原発事故、格差社会、ヤングケアラー、コロナなど社会の問題をいち早く作品に取り入れている濱野京子の最新作

    本作は地球環境問題をテーマにした恋と友情の青春物語、2023年6月刊

    あわいの装画を城所潤がさわやかに仕立てた“ジャケ買い”の一冊
    カバーをはずした表紙、裏表紙に勢ぞろいした高校生が頼もしい

  • 5.6年。高校生主人公だが、軽めに読めるのに、気候危機についてもしっかり知りたくなる。陽葵の読んだ本や弟に手渡していた本が何なのか参考文献は書いているがおすすめがあれば繋げられる気がした。恋愛表現も大事なことや爽やかな距離感を感じられてとても良かった。

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著者プロフィール

熊本県に生まれ、東京に育つ。『フュージョン』でJBBY賞、『トーキョー・クロスロード』で坪田譲治文学賞を受賞。主な作品に『トーキョー・クロスロード』(第25回坪田穣治文学賞受賞)、『この川のむこうに君がいる』『with you』(ともに青少年読書感想文全国コンクール課題図書選出)、『石を抱くエイリアン』『南河国物語』『Mガールズ』ほか、「レガッタ! 」シリーズ、「ことづて屋」シリーズなどがある。

「2023年 『金曜日のあたしたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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