巡礼ツーリズムの民族誌: 消費される宗教経験

著者 :
  • 森話社
4.67
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 30
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864050470

作品紹介・あらすじ

パッケージツアーに取り込まれ、商品化された聖地巡礼は、宗教の衰退した姿でしかないのか?四国遍路の巡礼バスツアーへの参与観察から、「現代の/我々の」宗教的営みが持つ可能性を探る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 旅は、もちろん、消費行動として、すでにあるイメージを消費するだけのものにもなりうるが、しかしその方法によっては、既存の枠を超えていく、つまり「アート」しての体験を誘発させる装置になりうるということを思った。



    ----
    あらゆるものが事前に決められているという設計主義、予測可能性は、消費社会的。消費者は用意された設計図に半ば強制的に、無意識に従うだけで、ある程度の間続巻を得られる。

    旅の目的は自らの世界から離れて他者や異質なものに出会う事

  • 佐渡から行く四国お遍路ツアーを通して研究する巡礼ツーリズムについて。
    旅の手軽さの逆を求めるメンタリティに最初は戸惑う人も。しかしそれがある故に「ありがたい」ものとなる。随行員の語り方にも大きく寄るとのこと。
    実際巡礼ツアーは普通に行くより楽だが、あえてそこを隠したり、巡礼と抱き合わせてほかの観光地に行くことにより「後ろめたさ」を緩和しているケースも。
    目から鱗ってことはなかったけど、新しい視点などちょこちょこあって興味深かった。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

立教大学観光学部交流文化学科准教授。
1978年愛媛県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻文化人類学コース博士課程満期退学。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員、立教大学助教を経て、2015年より現職。専門は文化人類学、民俗学。
著書に、『巡礼ツーリズムの民族誌――消費される宗教経験』(森話社、2013年、日本宗教学会賞受賞)、共編著に、『民俗学の思考法――〈いま・ここ〉の日常と文化を捉える』(慶應義塾大学出版会、2021年)、『〈人〉に向きあう民俗学(叢書・〈知〉の森)』(森話社、2014年)、ほか共著多数。
researchmap.jp/kadota

「2023年 『宮本常一 〈抵抗〉の民俗学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

門田岳久の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×