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- / ISBN・EAN: 9784864420563
感想・レビュー・書評
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表題作の藤と太一の話。作家さんごとに意識してなくても得意なキャラと言うのがあると思うが、この人の描く「純朴さ」には嘘がない。自然にそういう子を写し取った感じがする。気持ちの部分も無理がない。太一の成長ぶりも自然なんだよなぁ…こういう事する子だから=イノセンス、純朴なの…と言う作者の自己陶酔が一切見られない。あくまでもBLなので、こんな物語が現実にそうそう転がってはいないわけだが、この気持ちはなんだろう、と言う自分で咀嚼できないものへの戸惑う気持ちの部分が凄くリアルだな、って思った。想いを伝える描写に無理がないと言うか、着地の仕方があくまでも登場人物ありきと言うか、上手く言えんが、BLだから告白後に急に物分かり良くならない感じが自然だなぁ。
三田織さんは「欲のない人」を描くのが上手いなぁ、と感じる。不幸を出しにして欲のなさを際立たせるのではなくて、些細な事も喜びを感ずることのできる、清貧と言うと仰々しいが、慎ましやかで欲が薄い…ささいな事も喜びにしてしまえるある意味心が豊かな人、
と言うか…
ARUKUさんも慎ましい人を描くのがとても上手い人だが、その慎ましやかさは三田さんとは種類が違い。種類が違うが、ARUKU作品好きな人はきっと好きになる作家さんだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
BL漫画の短編集。
セクシャルマイノリティものではなく、ほのぼの系日常BL。
だけど、「まほうのおくすり」の親子関係が妙にリアルでなんかうわーってなった。
Xメンのキュアみたいなおくすりをつくりたいおかあさんの息子の話。
描き方は重くない。おかあさんも自己否定もつらいこともみんな回想だからかな。
でも受け取るマイノリティとしてはずしっとくる。
おかあさん(主たる保護者)からの言葉って子供にとってはすごい重みがある。
お母さんは子供に幸せになってほしいから普通にさせようとするし、「そんなんじゃ幸せになれない」のを恐れて、自分にできることをしようとする。
でも、そんなのは子供からしたら「お前は幸せになれない」という呪いにしかならない。
今ここにいるその子を否定するやり方は呪いでしかないけれど、でもこの話の「おくすり」の材料は恥や断罪ではなくあくまで子の幸せを祈るもので、やさしい。
重くて、やりきれなくて、でも愛なのは本当で、切り捨てにくくて苦しい。
主人公があんまり苦しんでない(トラウマ萌えな描き方じゃない)からちょっとほっとする。
娘の安全や幸せを願って女性差別を再生産してしまう母親たちの話、たとえば割礼だったり結婚圧力だったり『タブー』http://booklog.jp/users/melancholideaの話だったりを連想する。 -
全体を通して雰囲気がいい。とても好きな作品たちです。
表題作の太一の成長にかなりびっくりしましたが、こういう子いるなーと納得したり、こういう戸惑いってあるなーと若さを思ったり。
登場人物ひとりひとりが自然に、身近に存在しそうな子たちで、とても愛しいです。
デビュー作の「まほうのくすり」は、母の愛情がかなしくて、お母さんはこころから息子のためを思ってるんだなと感じて、いつかお母さんも含めて3人で食事してほしいです。 -
田舎BL。可愛かった!
意外にごつく育った攻めにびっくり。 -
か、かわいい(泣)ぜんぶかわいい(泣)
短編5作。表題作の白のころの方言、備後弁かなぁ私のしゃべり方に97%似てるw -
絵柄もお話もあたたかくて優しい気持ちになれる作品。とってもおすすめ
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とても良い。キュンときた。
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ずっと好きだった作家さんがついに商業デビュー。素直に嬉しい。
優しい絵柄、優しい話、時々見せる悲しい一面。すごく好きです。
個人的には最後の話が一番好きでした。
これからも応援しています。今後に超期待。