おおはくちょうのそら (北の森の動物たちシリーズ)

著者 :
  • 絵本塾出版
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864840637

感想・レビュー・書評

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  • 北海道の湖に春が来た。

    仲間たちが皆、故郷の北の国に旅立った後も、出発できないでいる六羽の白鳥の家族がいた。
    一羽のこどもが病気で飛べないのだ。家族はこどもの回復を待つが、こどもは日に日に弱り、季節は日に日に進んでいく。
    ある晩、父親の白鳥は決断をした。

    翌朝、病気のこどもとの別れを惜しみながら、五羽の家族は北の国へ飛び立つ。
    飛ぶことのできない病気のこどもは、湖を泳いで後を追うが、家族の姿はじきに見えなくなった。
    白い雲に親兄弟の姿を重ね合わせて、病気のこどもがないていたその時…



    「どんな時でも家族が家族を思い合う気持ち」というものを、徹頭徹尾、真正面から捉えて描いている。
    端的なのに情感があふれている文章で、読んでいるといつも泣いてしまう(声が詰まるので読み聞かせが難しい…)。
    この穏やかな文章と力強い版画絵のコンビネーションは素晴らしく、安易なお涙頂戴路線とは一線を画する格調高い絵本だと思う。

  • 自然の厳しさのお話。朝昼晩、季節で表情を変える空と白鳥とのコントラスト。構図が美しい。生命の力強さと儚さに胸が苦しくなる。

  • 6歳の娘が読んでいる途中で泣いてしまいました。
    おいていかれた白鳥の子どもの気持ちになって悲しくなったそう。
    4歳の娘は白鳥の絵が気に入って、真似して描いています。
    画面からもストーリーからも、子どもたちの心に強く訴えかけてくれる傑作絵本です。

  • 『カムイチカプ』と同じ作者の絵本だったので、手に取った。
    オオハクチョウの家族愛に胸を打たれた。
    人間の起こす家族間の切ないニュースを思い出し、人間以上の優しさを感じた。

  • 北海道出身の版画家・絵本作家、手島圭三郎さんの北の動物たちシリーズ。北海道の春と秋に、まるで季節の変わり目を告げるかのように空高くに羽ばたくはくちょうの姿。数千キロも及ぶ長い長い旅を共にする子や仲間と隊をなす姿に、私はいつも憧れすら感じる。(ちいさな帆)

  • 版画の素晴らしさに惹かれて手に取りました。手島さんは北海道の版画家なのですね。北海道の方だからか版画だけでなく、野生動物の厳しさが伝わってくる素敵な絵本でした。
    手元に置いておきたくなります。
    原画展が東京でも開かれて欲しいと思いました。

  • 絵に北国の冷たい空気と生命の力強さが宿っている。見ているだけで北国の早春を感じた。また、悲しみと喜びが折り合わさるお話にも余計な物がない。美しいエッセンスのみで構成されている。絵と物語、それぞれの表す物を越え、命そのものを語る、一片の詩のような作品だ。

    子どもが読んだら何を感じるのだろうか。子どもに戻ってもう一度読んでみたい、そう感じさせる絵本だった。

  • 2021.11.11 6-3

  • 悲しい

  • 感動作品

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著者プロフィール

北海道生まれ。『しまふくろうのみずうみ』では絵本にっぽん賞を、『きたきつねのゆめ』はボローニア国際児童図書展グラフイック賞を、『おおはくちょうのそら』はドイツ児童文学賞絵本部門ノミネート賞など、数々の賞を受ける

「2023年 『みずならのいのち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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