星空の谷川俊太郎質問箱

著者 :
  • ほぼ日
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感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865013115

感想・レビュー・書評

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  • 星空の絵の表紙がとても美しい、谷川俊太郎さんへの読者からの64の質問と、谷川さんの答えです。
    65問目は谷川さんから読者への質問。
    巻末のエッセイは詩人の最果タヒさんです。
    谷川さんの詩も5編載っています。

    その中で特に心に残った質問と答えを二つ。

    質問四十八
    毎日、食べて寝て、しあわせな顔をしています。
    オレたち、ほんとにこれで合ってんのかな?
    (上野動物園のバクとカピバラ 七歳、八歳)

    谷川さんの答え
    合ってます合ってます。
    何かしなくちゃいけないと思うのは人間だけ。
    他の生きものたちはみんな
    そこにいるだけで満足してます。
    いのちはただ生きているだけが基本。
    ただ生きているだけでは
    満足できなくなった人間は、
    いのちプラスアルファのおかげで
    不幸になりましたね。

    質問六十四
    人は、何をしに生まれてくるのですか。
    (みもりん 十歳)

    谷川さんの答え
    人は何かをしに
    生まれてくるわけではありません。
    生きているのが楽しくて
    幸せだと思えるように生きる。
    そのために生まれて、
    生きてるんです。

    • あちゃ太郎さん
      こんにちは。
      姉妹編とは?
      こんにちは。
      姉妹編とは?
      2020/08/14
    • まことさん
      あちゃ太郎さん♪こんばんは。

      コメントありがとうございます。
      『谷川俊太郎 質問箱』という本もあります。
      お薦めです。
      あちゃ太郎さん♪こんばんは。

      コメントありがとうございます。
      『谷川俊太郎 質問箱』という本もあります。
      お薦めです。
      2020/08/14
    • あちゃ太郎さん
      ありがとうございます
      ありがとうございます
      2020/08/14
  • 谷川俊太郎さん。
    詩集を出されている人としか知らずにいましたが、この本を読んで人柄も好きになりました。
    皆さんからの質問に優しさとユーモアを含めて真剣に答えてくれます。
    挿絵も素敵です。
    質問も自分には思いつかない考えた事もないものに谷川俊太郎さんの答えがしっくりときます。
    質問者と谷川俊太郎さんが会話しているのを聞けているような本でした。

  • 谷川さんは詩人であって聖者ではないのですが、大詩人で人生の先輩でと考えると、まるで聖者のようなひとなのではないかという先入観で見てしまう。僕の詩人観がすこし歪んでいるからです。でも、注意深く、こういった本を読むと詩人が聖者じゃないことはなんとなくわかってきます。それは僕にとって、とてもよいことです。どの答えもおもしろい、しかし、僕の読みとは必ずずれている答えになっていました。僕が野球の打者で、谷川さんがキャッチャーとしてピッチャーの投球をコントロールしていたら、僕はまったく配球を読めていないで、空ぶったり見逃したりして三振しているでしょう。それは相性のせいかもしれないですし、僕のあたまが単純にすぎるからかもしれません。またこのこととはちょっと違いますが、とらえどころのなさのある方だとも感じました。

    ただまあ、ひとつかふたつくらいは、僕が答えるだろうものに近い答えを発されているものもあります。それは「大切な人が亡くなったとき、どうやって乗り越えてきましたか?」への答えがまずひとつ。<泣きながらカーステレオの音楽を流し放しでどこへ行くあてもなくドライブしたり、飲めない酒を飲んで無理やり自分で自分を寝かしつけたりしました。>というのがそうです。これはガードを解いた時ときのひとりの人間のそのままっていう感じです。

    もうひとつあげると、オリンピック選手に恋焦がれていてどうしようもないんだけど、どうしたらいいのかという質問に対する答えの一部分。<恋愛ってある面では反社会的なものなんだよ。>です。こんなにはっきりと僕の内では言語化されていませんでしたが、さっきの配球のたとえでいえば読みの範囲内といえるくらいのところです。

    また、考えさせられるタネもいっぱいあるんです。偽善についてのページがあってそこでの谷川さんの答えを大きなヒントにして考えました。それは、偽善的なことって思い浮かぶものだけれど、そんなこと考えもしないと言ってしまえる人が偽善者だ、というようなものでした。例外はあるけれど、悪いことだとか下心だとか、誰もが考えることです。それを、「そんなこと考えてない」と言いはってしまうのが偽善で、それはほんとうにそうだと思いました。仮にほんとうに考えていなくても、指摘されたら戸惑ってしまうでしょうし、戸惑ったときに「やってしまうかもしれない」可能性を少しであっても感じるものだと思うのです。で、そういった下心などが頭に浮かんでいても、自分を律して自制心で行動するのが偽善への対処だと思うのです。それが自己完結の場合であっても。

    下心を思い浮かべた時点で偽善になるということじゃないと僕は考えます。そんなのは誰にもあることで、当り前の領域なのではないか。下心の奴隷となりその欲求のとおりに行動したりすれば、それこそが偽善。自律的に自制心で下心をとどめて行動できたなら、下心を内に抱えていたとしても偽善ではないと思うのです。たいていの場合、こころに少しでも邪なものが浮かんでいたなら、それに反した行動をしても他者がそれを見て「偽善だ」と糾弾してくるものですよね。こころにやましい考えが浮かぶか浮かばないかで判断するのは、人間のこころを見透かす存在つまり神様を認めた世界観(宗教観)からきているではないか。人間がピュアならやましいことは考えないはずだ、という考え方によってはナイーブで厚かましい人間観がそこにあるのではないでしょうか。人間はそんな単純に割り切れるものじゃないです。ピュアという単純さをよしとするのは、扱いやすい人間をよしとすることです。つまり、子羊たる人間であれ、というように。だから、下心が思い浮かぶか浮かばないかで人を偽善かどうかを判断するのはくだらないことどころか、害悪でもあると思うんですよね。浅薄な人間観ですから。

    ひとりの人が、どう世界と関わるかだとか人とコミュニケーションをとるか、距離をどうとるかっていうのは、その人の世界観や人間観から発生することです。ですから、浅薄な人間観が害悪になるだろうと考えられるのでした。

    ちょっと個人的な脱線が著しかったですが、本書は考えるヒントをいただける本であり、谷川さんと張りあうかのようにさまざまな質問に対して自分なりの答えを考えて谷川さんの答えと比べて楽しむというのも悪くない本だと思います。

    詩人の思考方法からなにかを得よう・学ぼう・盗もう、というよりも、構えずいっしょに楽しんじゃったほうがずっといい種類のものだと思いました。本質をつく質問にはハッとします。でも、うまく答えられなくてもその質問から逃げない姿勢でいたほうがどうやらいいみたいだ、という感想を最後に持つことができた本でした。

  • 大切にしてる一冊。ひとつひとつの質問に、俊ちゃんらしい言葉でさらりと答えている。答えひとつひとつに繊細な心を感じるなぁ。

    気持ちと気分を分けて考えているところ
    当事者である自分と少し離れたところから大きな流れのようなものを
    見ている自分と、いのちをとても近く遠く狭く広く捉えていると思う。
    魂の宇宙と体の宇宙、なるほどなあと思った。

    失恋は、私を人間的に成長させてくれたんだろうなあ。

  • まず質問がみんな良い

    あともちろん谷川俊太郎さんの答えも

    答えを求めて読んでるんじゃなくて谷川俊太郎さんの感性に触れられて面白いと思ったり共感したりじんわりあったかくなったりするこの感じが最高です

    1番好きなのは気分の浮き沈みの変化を山の天気の変わりやすさに例えて自然現象だからしょうがないよって答えているところ
    人間も自然のひとつだもんね

    あと
    結局自分で突き詰めて考えなさい が多くて好き

    明日読んだらまた違う感想を持ちそう
    それくらい詩的な答えがたくさんあります

  • 小学生の頃、谷川俊太郎さんの詩が好きで、よく読んでいました。中学生以降はほとんど読んでいなかったのですが、最近本書に出会いました。装丁や絵がとても綺麗です。あったかいお茶を飲んでホッとするように、心が穏やかになりました。谷川俊太郎さんのように、正解がない問いに対して、自分なりの意見を持てる人間でありたいなと思いました。

  • 谷川さん、後悔しない生き方なんて、
    できるものなのでしょうか?

    この宣伝コピーに腰砕け。

    帯にあるような、いろんな質問に谷川俊太郎さんが答える、
    いかにも「ほぼ日」な一冊。

    前回のがものすごく良かったので、
    今回も期待大♡でした。

    お墓参りに関する質問の答えが、
    わたし的にはご名答!

    「谷川さん、結婚という制度について、どう思いますか?」と聞きます、もし聞けるなら。

    東京オペラシティで開催中の「谷川俊太郎」展にて購入。

  • ひとつひとつの質問に真摯に答えてくれる
    谷川先生の言葉がいい。
    私もきいてみたいな、と思う。

  • これから何回も、何回も読み返すだろう。
    驚くことは、谷川さんの答えだけじゃなくて、質問を読む時も自分の中に新しい感情を見つけること。あたたかくなったり、せつなくなったり、文を読んで湧いて出てきた自分の気持ちを大切にとっておきたいです。

  • おもしろかった
    優しい気持ちになる
    質問考えてみたくなる

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著者プロフィール

1931年東京生まれ。詩人。1952年、21歳のときに詩集『二十億光年の孤独』を刊行。以来、子どもの本、作詞、シナリオ、翻訳など幅広く活躍。主な著書に、『谷川俊太郎詩集』『みみをすます』『ことばあそびうた』「あかちゃんから絵本」シリーズ、訳書に『スイミー』等がある。

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