かえりみち (ハリネズミ×感想×切り絵【2歳・3歳・4歳からの絵本】)

  • ひさかたチャイルド
3.58
  • (4)
  • (10)
  • (8)
  • (0)
  • (2)
本棚登録 : 202
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (25ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865492798

作品紹介・あらすじ

家に帰る途中、小さなハリネズミには見たいものがいっぱいありました。「ちょっと待って」そういうたびに、大きなハリネズミは、そばに寄り添っていっしょにながめます。沈む夕日、昇る月、香る花、フクロウ、ホタルの群れ。数えきれないほどの星をながめ、やがて家にたどり着くふたり。小さなハリネズミは、大きなハリネズミに抱かれて、気持ちよく眠っていました。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • おおきなはりねずみとちいさなはりねずみ。
    そらが夕日に染まる頃、家に帰り始めたのだけれど、何かにつけて「ねえねえ、ちょっとまって」とちいさなはりねずみの気になるポイントに付き合うおおきなはりねずみ。

    性別については明言されていないのだが、何となくお父さんとちいさな男の子をあてこんで自身と照らし合わせてしまう。

    子どもの「ちょっとまって」は尽きないもの。
    それに苛立つことなく根気よく付き合う大きなはりねずみに感心。
    こんなおおらかに構えていたいもの。

    結局、全部に付き合って帰ったら、家に着いたのは星空瞬く夜、しかもちいさなはりねずみはだっこされて夢の中。
    そうやって振り回されるのもいつまでかなと思うと愛おしい時間。
    おおきなはりねずみさん、お疲れさまでした。

    隠し絵という程ではないけれど、茂みの中をじっくり目を凝らすといろんな虫やら動物やらが見つかる絵のテイストも楽しめる。

  • 2019年読書感想文課題図書になった「かべのむこうになにがある?」の作者さんです。
    ゆうひで空がまっかにそまり、夜へとむかって刻々と姿を変えて行く、自然いっぱいの帰り道の様子が、とても美しく描かれています。
    夜へと準備を始める自然や生きものたちに興味を持つ小さなハリネズミと、それに答える大きなハリネズミのやり取りがとても微笑ましいです。
    鮮やかな色と深みのある色を繊細に重ね合わせ、奥行きのある絵がとても好きです。カサカサとハリネズミたちの足音が聞こえてきそうです。

  • お家へ帰って行くハリネズミたち。夕暮れの美しさを、一つ一つ、大切に眺め、耳を澄まします。時の移ろいの美しさは、こんなに豊かなものなのです。仕事に追われていると、眺める余裕もなく(それどころか職場から出ることも出来ず)見過ごしてしまいますが。

  • 大きなハリネズミと小さなハリネズミ、夕陽の中を帰ります
    小さなハリネズミは「ちょっとまって!」
    お日さまが沈む様子や明るく大きなお月さま、花の香りやホーコーと鳴くフクロウの声が気になるのです
    大きなハリネズミはそのつど歩みをとめて、眺めたり、耳を傾けたり、香りを楽しんだり。
    そして、「さあ、もういいね、いこうか」

    ゆっくりゆっくり帰っていきます


    〇素敵な絵本だ
    ページをめくるたびに深呼吸したり、ゆっくりと場面を味わったり
    〇大きなハリネズミと小さなハリネズミ、読み手の状況で親子にも友人にも恋人にも
    〇こんなにゆったりとした帰り道、いいなあ
    〇絵もすてきだ

  • 「大きなハリネズミ」と「小さなハリネズミ」のコンビが、家への帰り道に遭遇する夕暮れの自然とのふれ合いの光景を、ドイツ人絵本作家<ブリッタ・テッケントラップ>の情緒あふれる華麗な絵のなかで語られるゆとりある特別な時間への招待状。・・・「ねえねえ、ちょっと待って」 「なんだい?」と大きなハリネズミ。 「お日様がどんどん沈んでいくよ。 見えなくなるまで見ていたいな」...二人は、眺めのいい処に坐って、陽がすっかり沈むのを一緒に見ました。少し行くと、小さなハリネズミが「ねえねえ、ちょと待って」...

  • おおきなハリネズミとちいさなハリネズミは家に帰る途中です。「ねえねえ、ちょっとまって」「なんだい?」夜へと向かう時間を美しい絵で表現。空を見上げる時間もないほど忙しい子どもたちに読んであげたい。

  • 帰り道、ちいさなハリネズミがねえちょっとまってと大きなハリネズミを引き留めます。その引き留めたくなった理由がどれも素敵でこんなふうにのんびり帰るのって悪くないなって思いました。

  • この2匹は歳の離れた兄弟なのかな?
    夕方からの初夏の帰り道。
    ゆったりとした時間が流れる。

  • 大きなハリネズミと小さなハリネズミ、二人は家に帰るところです。そのとき、小さなハリネズミが言いました。
    「ねえねえ、ちょっとまって」

    夕日を見ては立ち止まり、
    お月さまをみては立ち止まり。

    大きなハリネズミが、一緒に立ち止まってくれるのが何とも素敵です。
    こんな風にゆっくり、ゆーっくり帰るのもいいものですね。

    そう言えば、今夜は中秋の名月。
    ゆっくりと見上げてみます。

  • これは絵も文もいいなあ。
    寝る前に読んであげたい絵本。

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

ドイツ・ハンブルグ生まれ。ロンドンのセントマーティンズ・カレッジ・オブ・アートで学ぶ。夫と息子とベルリンで暮らしている。日本で訳された作品に『とらさんおねがいおきないで』『おなじそらのしたで』『おおきなおおきな木みたいに』『いえがあるっていいね』『かえりみち』(以上、ひさかたチャイルド)『いのちの木』(ポプラ社)、『かべのむこうになにがある?』(BL出版)など多数。

「2023年 『つきはかがやく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ブリッタ・テッケントラップの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×