ヒトがいまあるのはウイルスのおかげ! ―役に立つウイルス・かわいいウイルス・創造主のウイルス

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  • さくら舎
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865811797

作品紹介・あらすじ

ウイルスはわれわれ生物の創造主!?

ウイルスと聞くと「病気の原因」と思いがちだが、病気を引き起こすウイルスはほんのわずか。ほとんどは無害だ。われわれの身のまわりにはそんな知られざるウイルスがいっぱいいる。細菌と混同されがちだが、ウイルスは生物ではなく、「生物と物質のすきま的存在」とされる。だが遺伝子をもち増殖していく。極小サイズで基本形は正二十面体。毒にも薬にもなる。

そんな不思議なウイルスの基礎知識から、2003年に発見された「巨大ウイルス」がひらく新しい生物進化の可能性まで、巨大ウイルス研究の第一人者が一般向けに楽しく面白く語る。ヒトゲノムの半分以上はウイルス由来だ。「ウイルスはわれわれ生物の創造主なのか? われわれはウイルスが増えるための存在なのか?」――読み終わったとき、世界の見方が変わるかも!? 楽しいウイルスのカラー口絵つき!

感想・レビュー・書評

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  •  ウイルスについての知見が初歩から応用(仮説)まで紹介されています。
     サブタイトルとして「役に立つウイルス・かわいいウイルス・創造主のウイルス」と書かれています。
     研究者は研究対象に愛を持つようです。
     本書でも著者の武村博士がウイルスについて愛を持って熱く語っています。
     ヴァイロセル仮説というのが面白い。
     そう考えるとウイルスとゾンビや精子とのアナロジーも可能だということです。
    (意味が分からない方は検索して調べてみて下さい)
     ウイルスは生物進化の秘密も握っているようです。
     ウイルスを研究することで『種の起源』に匹敵する大発見があるかもしれない、とのことです。
     今後のウイルス研究の進展を待ちましょう。
     そして我々一般人も本書を読んでウイルスの知識をつけておきましょう!
       https://diletanto.hateblo.jp/entry/2020/06/01/200205

  • 本来、ウイルスは宿主を殺したりはしない。例えばインフルエンザウイルスは、もともとは水鳥の腸内にいるウイルス。水鳥の中にいる限り病気を引き起こすこともなく静かに引き継がれるだけ。ところが、何らかのきっかけで、本来の宿主でないヒトの中に入ってしまったため、インフルエンザを追い出そうとするヒトが高熱を出し、場合によっては死に至ってしまうというもの。エボラウイルスも本来の宿主は蝙蝠。蝙蝠はエボラに感染しても何ら問題ないのに、ヒトに感染してしまうと血管や臓器を破壊し破滅的な結果をもたらしてしまう。武漢から流行したコロナウイルスの感染は当然といえばあまりに当然の帰結。何とも遣る瀬無い。
    他方、ヒトがいまあるのはウイルスのおかげ。本書では、この事実を丁寧に紐解く。ウイルスは人類にとって必要不可欠な存在でもあるのだ。

  • 【配架場所】 図・3F開架 
    【請求記号】 465.8||TA
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/450352

  • 好き、自分が言いたかったことを言葉にしてくれた。
    コロナ流行で再版されてたが、それ関係は全くないし、コロナに関連しては何も役には立たないと思う。
    後半は著者の論説を説明するためのものになっていたが、それに至るまでも説明は丁寧で、面白かった。
    難しい言葉も多く、その場では理解したつもりでもやはり覚えきれず、何度も読み直した、ただ後からキーワードを確認する際には若干読みにくさあり。

  • 第1章 あなたの隣の不思議なウイルス―生物ではないのに増えていく
    第2章 ウイルスは何をしているのか―ミニマリストで働き者
    第3章 ウイルスと人間―毒にも薬にもなる利用法
    第4章 ウイルスのスゴい能力―変身したり爆増したり
    第5章 ウイルスは元は生物だった?―ありえない存在がぞくぞく発見
    第6章 ウイルスはわれわれ生物の創造主!?―世界の見方が大転換

  • <学生コメント>
    かわいいウイルスとあったら選ばざるを得ないでしょう。 私はバクテリオファージの見た目がもの凄くだい好きなので、表紙の右下を見て、あ!と思い即座に買い物かごに追加しました。

  • ウイルスの基礎の基礎が少しわかった…?身近なものなな例えて説明しているので、わかりやすいです。


  • 読了。面白かった。コロナウィルスがあまり怖くなくなった。


  • ウイルスと生物の関わりについてとても面白いことが書かれている。本の構成もよくできている。

  • 非常に分かりやすく書かれている。

    ①ウイルスは細菌の1/10から1/100
    ②2003年巨大ウイルス発見1)ウイルスが生物の創造主2)生物はウイルスを増やす存在
    ③ウイルスは24時間で100万倍増える
    ④生物の定義1)細胞2)代謝3)自己複製4)巨大ウイルス
    ⑤ウイルスの基本形 カプシド 二十面体 バクテリオファージ
    1)吸着2)侵入3)脱穀4)合成5)熟成6)放出
    ⑥ジェンナー パスツール ワクチン
    ⑦レトロウイルス RNA →DNA に変えて増やすすごいやつ
    ⑧バクテリア アーキア アメーバ P 133
    ⑨セントラルドグマ: DNA 転写 RNA 翻訳アミノ酸
    ⑩ウイルスの起源1)細胞がリボソーム捨てる 2)細胞からプラスミド分離
    ⑪ミミウイルスは rRNA を持っている翻訳遺伝子あり
    ⑫真核生物は巨大ウイルスと遺伝子やり取り
    ⑬人の胎盤シンシチンはウイルス遺伝子
    ⑭ウイルスは種をまたぐ遺伝子の運び屋
    ⑮全生物と巨大ウイルスの祖先は DNA レプリコン
    ⑯まとめ
    巨大ウイルスの祖先が真核生物の祖先に感染→細胞核

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著者プロフィール

武村政春(たけむら・まさはる)
東京理科大学教授。
巨大ウイルスの生態と進化にオタク的興味をもつ。
真核生物の起源にも多大なる興味。
現在は筋肉(筋トレは趣味ではなく、そのための単なる方法に過ぎない)にも大いなる興味をもっている。
もともとの専門は生化学とか分子生物学とか。
2001年細胞核ウイルス起源説を提唱。
2019年メドゥーサウイルスを発見。
出身は三重県津市。
1998年名古屋大学大学院医学研究科修了。
博士(医学)。

「2022年 『ウイルスの進化史を考える ~「巨大ウイルス」研究者がエヴィデンスを基に妄想ばなしを語ってみた~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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