深潭回廊 (ポーバックス Be comics)

著者 :
  • ふゅーじょんぷろだくと
4.29
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本棚登録 : 149
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865896022

感想・レビュー・書評

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  • 1~3巻読了。
    前作でやらかした柳田が主人公。
    導入が完全にホラー。
    南條と引き離されて止まってしまった時は動き出すのか。そして逃げ着いた島で連鎖する地獄。

    もっと断罪とか荒療治のストーリーになるかな、と思ったら意外と美少年お色気サービス盛り盛りで拍子抜け。しっかりと堪能させていただきましたが。

  • 何も情報を入れず、永井さんの新作出たんだ、とりあえず2巻購入、1巻取り寄せ、スメルズのスピンオフ作品と解ってから読んだが、柳田か、柳田の後日談か!!となれて、知らない方が喜びが増す読み方もあるなぁ、と。帯は目に入ってしまうのでスルー出来ないが、裏表紙のあらすじとかも、極力読まないで、いきなり読み始めるんだけど、こう言う方が珍しいのかなぁ。作者買いの場合は特に何も情報入れずいきなり読み始めるのが癖なんだが…情報入れない事で、最初のページ読んだ時に、初めて読むものを手探りで読んで行く感覚が好きなので、ネタバレされてても全然平気なんだけど、何も知らん状態で買ったものは、読んだ後に読む事多い。

  • スメルズよりも分かりやすく地獄。
    救いと福祉……。救いと福祉を……。

  • スピンオフ。青春ものだった本編よりもJuneっぽさがあってエロくて良い。続きが楽しみ。

  • ▼あらすじ
    人を放棄したくて、モッさんと呼ばれていた。
    同性が恋愛対象であることに苦悩してきた柳田(やなぎだ)。
    教師だった頃に生徒相手にレイプ未遂事件を起こす。
    彼はその場から逃げて、逃げて、いつの間にかモッさんになっていた。
    それは自分の過去も名前も捨てたのに、生き続けるしかない悲しい妖怪。
    何もかもを失ったかのように思えたが一人の少年が手を差し伸べる。

    痛くて愛おしい青春を描いた『スメルズ ライク グリーン スピリット』から7年。
    あの時、こぼれ落ちてしまったキャラクターの物語。

    ***

    ストーリーの完全度:非常に高い
    トーン:シリアス・ダーク
    エロ度:低い
    萌え度:非常に高い
    総合評価:★5.0

    2014年度「このBLがやばい!」で第7位を獲得した名作「スメルズ ライク グリーン スピリット」のスピンオフ作品。
    まさかスピンオフが連載されていたなんてコミックスの発売情報が出るまで知らなかったのでめちゃくちゃ驚いてしまいました。

    今作は「スメルズ〜」で教師の立場でありながら教え子である三島に性的暴行を加えようとした柳田が主人公のお話です。
    事件後に行方をくらました柳田は、あれから死に場所を探し求めて各地を転々としていたご様子。髪も髭もボーボーで目は血走り、その形相の恐ろしさから目撃した小学生達の間で「モッさん」という妖怪に仕立て上げられある意味有名な存在になってしまいます(笑)

    このままではまずいと床屋で身なりを整えた柳田は見違えるほどのイケメンに大変身。おばさま達にちやほやされて愛想良く対応しながらも、一人になった途端に真っ黒に塗り潰される柳田のその鬱屈とした心情と二面性の描き方が圧倒的でさすが永井先生だと思いました。

    死に場所を求めていたはずなのに気が付けば生きようととしている自身の行動の矛盾に悩みながらも貯金を切り崩しながらぼんやりと日々を過ごしていく柳田。周りに愛想良く振る舞いながらも相手に聞こえないように呪詛を吐くのも忘れません(笑)
    そんな彼がある時出会ったのが、村の中学校に通う一人の少年、渚です。
    入江でぼんやりとしていた柳田の前で突如海から上がった全裸の少年は柳田を見て、何を思ったのかにんまりと笑うのですが…この時の渚の妖しさと中学生とは思えない色気にゾクッとしてしまいました。

    一方、そんな渚の顔を見た柳田はトラウマを刺激され、大いに動揺。その場から逃げるように去るのですが、後日また再会します。
    渚は柳田が誰にも聞かれないように吐いていた呪詛を聞いてしまったのがきっかけで彼に興味を持ったみたいですね。
    友達同士で馬鹿騒ぎする渚の様子は一見するとどこにでもいる普通の男子中学生なんですが、柳田に対しての態度がもうただの子供のそれじゃないんですよ。目つきといい表情といい魔性のそれなんです。

    その証拠に、何と渚の方から柳田を襲います。
    最初に襲い掛けたのは柳田の方なんですが、三島の時と違って今度はギリギリ自制して渚を逃します。
    しかし、自らの意思で柳田の元に戻って来てしまった渚。「なんで…」と問う柳田に「辛そうだったから」と返した渚は、柳田の口から“南條くん”の話を聞きます。
    「好きだったの?」っていう渚の質問に柳田は「憎んでる」と答えましたが、渚は多分、柳田が抱えている感情が憎しみだけじゃないって分かったんじゃないのかな。それとも、苦しむほど柳田に想われてる“南條くん”が羨ましくなって奪ってやろうって気になったのかな。

    ともかく、その場で全裸になった渚は動揺のあまり動けずにいる柳田の上に乗っかってそのままエッチしてしまいます。
    そんな直接的な描写はあまりないんですが、それでもめちゃくちゃエロく、興奮しまくりでした(笑)
    渚は柳田を堕落させる美しい悪魔ですよ。柳田を食ってる感じがたまらなくエロくて、いいぞもっとやれって感じでした(笑)

    こんなふしだらな事してるのに、学校では相変わらずやんちゃで子供っぽいイメージの渚。(そういうの大好き笑)
    クラスメイトには「家に内緒でペットを飼い始めた」と説明して柳田に会う為に一目散に帰宅するのですが、そんないつもと違う渚の様子を離れたところから見ていた親友?の男の子が何やら思うところがありそうな気配…。
    そして最後の方でその親友の父親と渚が肉体関係にあると判明。いや、まだ確定ではないんですけど多分そう。

    渚は家庭も訳ありっぽいですし、本人もウリをしている事からかなり闇が深いキャラクターだと思われます。
    正直、2巻はもっと苦しい展開になると予想しているのでここで満点評価にするのはどうなのかな…と思ったのですが、「スメルズ〜」の時から変わっていない永井先生の圧倒的な表現力に感動したのと、既に何度も読み返すほどストーリーが面白かったので満点評価にしておきます。

    ただ、この作品…場合によっては心中ラストもありそうなのでそこだけが不安です。(ほら、海がある村だしね…?)
    途中、どれだけ辛くてもいいから死ネタだけ勘弁していただきたい。メリバとかそういうんじゃなくて、この二人がちゃんと幸せになってくれますように。最後はハピエンである事を望みます。

  • スメルズ~のアノ教師柳田先生スピンオフ。
    相変わらずの露悪的な表現力。ストーリーも切り口が斬新すぎる。同性愛=病気、悪とか考えられていた時代はこんな風に自分のなかに怪物がいると思って生きていたのかなぁ…。
    受けのほうも、なんだか地元の大人にダッチワイフ?みたいな目に合わされているっぽい…。そういう部分を露悪的にみせるのが本当にお上手です。
    受けは中学生なのですが、どんな方向であれ、二人の救済の物語になるのかなぁと思い、2巻を待っています。

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