ゴドーは待たれながら

著者 : いとうせいこう

• 太田出版 (1992年4月1日発売)

感想・レビュー・書評

[hosomichiさんの感想 · 2011年11月13日]

タイトルからも察しの通り、サミュエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」のパロディ。待たせているゴドーの視点から描かれています。誰を待たせているのか、いつどこで待たせているのか、やはり明らかにされません。そういう意味での閉塞感というか終末観は原作と同様ですが、原作の登場人物が二人なのに対して、こちらは一人芝居なので、反復による執拗さは原作以上かもしれません。

著者プロフィール

1961年生まれ。編集者を経て、作家、クリエイターとして、活字・映像・音楽・テレビ・舞台など、様々な分野で活躍。1988年、小説『ノーライフキング』（河出文庫）で作家デビュー。『ボタニカル・ライフ―植物生活―』（新潮文庫）で第15回講談社エッセイ賞受賞。『想像ラジオ』（河出文庫）で第35回野間文芸新人賞を受賞。近著に『「国境なき医師団」になろう！』（講談社現代新書）など。

「2020年 『ど忘れ書道』 で使われていた紹介文から引用しています。」