探偵三影潤全集 (2(青の巻))

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  • 出版芸術社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882932642

感想・レビュー・書評

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  • 三影潤短編集!
    青の巻、ということでテーマは…なんだろう?どうして青なの???全体に、悪い男が出てくるなぁ…と言う印象。悪い女もいるけど、でも、説教くさくなくて人間らしい善女もいて、この人物造形が好き〜って思った。『しめっぽい季節』の蒔子さんとかね。

    『沈丁花の家』ちょっと変わった作りの家ミステリ(というジャンルはないかもだけど)。
    『蜜月の月』原稿をなくした編集者からの依頼。原稿と作家の秘密…。
    『青い風景画』これは別の短編集で既読だった。三影探偵が真相を見破る瞬間の風景が美しい。
    『美しの五月』子どもが殺され、同級生の少女が自分がやったと名乗り出るが…。探偵の結末の選び方が、ハードボイルドだなぁと。かっこいいな三影探偵。
    『しめっぽい季節』いわゆる重症心身障害児の民間施設に札束と一緒に預けられる子供と、別の子供の誘拐未遂からの殺人…。身勝手な金持ちにうんざりしつつ、市井の人々のやさしさや思いやりにほっとする。蒔子さんがとても素敵で、こんな素敵な友達がいた三影さんの奥さんも、きっと素敵な人だったんだろうと思わされた。
    『色彩の夏』これもひどい人たちの話で、でも自分が殺されかけたなんて思いもよらない若い女性が、残された幼い甥っ子ときっと強く生きていくのだろうとそんなことを思ったりした。三影探偵は暗躍しているね。ハードボイルドっぽいね。
    『夏の終る日』殺人?自殺?証拠隠滅?と二転三転する話に翻弄されつつ楽しく読んだ。これ面白い。

  • 『沈丁花の家』

    『密色の月』

    『青い風景画』

    『美しい五月』

    『しめっぽい季節』

    『色彩の夏』

    『夏の終る日』

  • 高校時代、夢中になって文庫本で読みました。いまでも、その文庫本は手元にありますが、さすがにカバーも色あせ、中の頁も茶色く変色・・・。
    本書は、仁木悦子没後25年にして、作品がハード本で再度出版された嬉しい企画。

    仁木兄妹凸凹コンビに続く、この三影潤シリーズも魅力的な作品。
    本書には「沈丁花の家」「蜜色の月」「青い風景画」「美しの五月」「しめっぽい季節」「色彩の夏」「夏の終る日」が所収されています。

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著者プロフィール

1928 - 1986。小説家。ミステリーや童話を手がけ、1957年に長編デビュー作『猫は知っていた』で江戸川乱歩賞を受賞。明快で爽やかな作風で、「日本のクリスティー」と称された。1981年には「赤い猫」で日本推理作家協会賞を受賞。無類の猫好きとして知られる。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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