腹話術師 (三橋一夫ふしぎ小説集成 1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882932819

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  • 雑誌『新青年』で活躍した三橋一夫のふしぎ小説。23の短編からなる短編集だ。三橋自身が私小説だと言うように生活に苦労した三橋一家をモデルに彼の妄想を小説にしたような「勇士カリガッチ博士」「招く不思議な木」「ばおばぶの森の彼方」「親友トクロポント氏」などの作品。もうひとりの自分と逃避願望を描く「鏡の中の人生」や「戸田良彦」「まぼろし部落」。ほとんど脳内で起きてるもうひとつの世界が現実に入り込んで来る三橋一夫の世界なのだ。彼のコンプレックスや願望や焦りが反映されてストーリーが作られる。それでも表題作「腹話術師」のような気味の悪いふしぎな話は秀逸だ。列車の中で話しかけて来た奇妙な男は腹話術の芸人で、腹話術を始めたなんとも奇妙な事件を話し出す。ファンタジーと私小説の中間というのだろうか。かなり面白い

  • シンプルで柔らかい文でつづられた、怪談、伝奇、SF、ファンタジー短編集。

    「自分なりの私小説」と三橋さんは書いていますが、お父さん、お母さん、小さい女の子が登場する話がたしかに多くて、どれも心に残ります。読んだ後におなかがポッと温かくなるような、「勇士カリガッチ博士」、「招く不思議な木」、「親友トクロポント氏」が特によかったです。

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著者プロフィール

1941年、千葉県生まれ。三橋庭園設計事務所代表。日本庭園の伝統に新しいデザインを加えた作庭家として、専門誌等で発表しながら、造園界の指導的役割をはたしている。一級造園技能士。日本庭園協会理事、日本庭園研究会理事。「わが家の庭づくり(主婦と生活社)など編著書多数。

「2013年 『実践 造園図面の描き方 プロから学ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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