朧小路の恋の花 (Holly NOVELS)

  • スコラマガジン(蒼竜社)
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883864294

作品紹介・あらすじ

光希は子どもの頃から顔見知りだった吉澤に、祇園の路地でばったり出くわした。久しぶりに再会した吉澤は高級料亭の板前になっていたが、相変わらず無愛想で素っ気ない。そのうえ光希に煙草がにおうから「そばに寄るな」とすげない態度だ。男が姉の美代春を好きだという噂があったことを思い出した光希は、意趣返しに姉に似ている自分の容姿を利用して、朴念仁の吉澤をからかってやろうと思いつく。だが吉澤は予想外に真摯で優しい男だった。-京都・祇園を舞台に絡み合う、駆け引き上手な男と恋に不慣れな男の恋のおはなし。

感想・レビュー・書評

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  • 朴念仁×ビッチ受
    芸妓の私生児として生まれた光希は早くにその母を亡くし、同じく私生児で父親の違う姉、美代春が若い頃から働いて育ててもらった。
    今はその姉に小さなカフェバーを任されている。
    ある日、有名料亭の裏口で女に水をかけられる男を見かける。
    それは幼い頃近所に住んでいた吉澤だった。
    幼い頃から無口で、年もひとつ違ったためあまり接点のなかった男との再会。
    ビッチな光希は面白半分で吉澤にコナをかけ、身体の関係となるが、他の男たちのように吉澤は光希にハマることもなく、彼氏ヅラすることもなく、休みの日にコーヒーを飲みにくる程度。
    まったくなにを考えているかわからない吉澤に光希の方がヤキモキして、次第にイライラしてくる始末。
    でも吉澤の料理の勉強がてら一緒に食事をしたり、彼の仕事への姿勢に影響もされていて…

    世渡り上手な女王様系ビッチが朴念仁にハマって最後ににゃんこになる話ですね!
    いつも平気な澄ました顔してるけど、信頼できる大好きな真面目な吉澤に心を許して甘えん坊になります。

  • 高級料亭板前・吉澤×カフェバーバーテン・光希。最初どうにも光希の恋愛観というか、客のあしらい方にモヤっとしたな… だけど、ただの興味から落としてやろうと吉澤に近づいていくも、一緒に過ごしていくうちに色んな表情が出てきた辺りから光希が可愛くなってきて楽しめた。SSは吉澤視点、本編では分かりにくかった吉澤の気持ちに「ほほぅ…」とにやけたw あまえたな光希が可愛いです♪

  • 京ことばよろしおすなあ

  • かわいさんの書かれる京都舞台のお話好き〜♡

  • かわいセンセの京都ものは大好きです。まるで自分もそこにいるかと錯覚してしまうくらいの臨場感がありますよね~
    それに京都弁がナチュラルで美しいです。
    以前の作品「いとし、いとしという心」も保存版だけど、今回も保存版になりそう。何度でも読み返したくなります。

    「いとし~」は、攻がめっちゃ腹黒系で、受が清純で健気だったんですよね。今回は逆に受の京美人カフェバー店長のほうが、無骨でストイックな男前の高級料亭板前を翻弄しようとする、イケズなびっちでした。

    仕事も恋愛も深く先のことまで考えることなく刹那的に生きてきた光希を初めて混乱させたのは、久し振りに再会した吉澤。誰でも振り向かせることができると内心自信を持つ自分に、まるで興味を示さないノンケの男を絶対落としてやろうと光希はムキになってしまいます。
    光希は、唯一の売りである色気を前面に出してつくってみせて、吉澤の気を引くことについに成功するんですが、その気持ちの裏には昔の思い出とか、芸妓の姉のこととか、生い立ちとか、いろいろな思いが絡んでいてかなり複雑。
    何より、身体の関係を築いたのはいいけれど、そこから先はどう吉澤と向かい合っていけばいいのかさっぱり判らない光希の戸惑いっぷりがよかったです。
    Hは百戦錬磨でも、恋愛は初心者マークw
    初恋だったのにキュンとさせられました。

    後半、光希が自分の心を掻き乱す吉澤に、体裁をかなぐり捨てて素になったところは、さすがに愛想を尽かされるんじゃないかと心配しました…
    かなり毒舌。
    でも、意外にも子供っぽくて甘えっ子な光希が、なぜかとてもかわいいです。
    吉澤は寡黙だけど、やさしさが態度にあふれ出てるタイプで、どんどん魅力的に思えてくる人。
    彼ならば、まるごと光希を受け止めてくれるんじゃないかと安堵できたのがよかったです。
    エロ的にも光希が積極的に絡むHに色気があって満足。

    「今宵逢う人」は4ヵ月後の話で吉澤視点。彼がどう思ってこれまでを過ごしてきたのかがこれでわかりました。
    ラブラブです。てか、バカップル。

    初回ペーパー「素直になりたくて」は、US●のあの新しい場所ネタ。ナチュラルにラブラブで羨ましいくらいです!

  • 後半甘くなってからがいい。吉澤視点の短編も。
    蛍のシーンなど素敵ですが星が少ないのは光希が微妙に私のツボから外れていたからです。

  • 互いにストーカー被害に合うのだが、わりとあっさり流されて終わる。

  • 祇園でのビッチの誘い受けと武骨で動じない男の話

    攻め:一流料亭で働く吉澤克也
    受け:姉の店のカフェ兼バーを任されているバーテン宮川光希

    祇園花街で働く光希は子供のころからの器量と愛想で男女問わずモテるバーテン。ある日子供のころから知ってはいたもののそこまで仲が良かったわけでない吉澤が女性に水を浴びせられるところに出くわす。
    それをきっかけに光希の店に通うようになる吉澤はしかし光希がそれとなく誘ってみても光希に興味があるような感じではなく、つい自分から攻略しようとして、、、。


    京言葉がはんなりしていて、とてもいい雰囲気を作品に作っています。
    受けはビッチでじぶんに言い寄ってくる男女を上手にあしらっていますが、吉澤はなぜかあっさり落ちてはくれない。半ば意地のようにして3度目の時に自分から誘って体の関係ができているのにやはり吉澤の気持ちが今一つつかめずに悶々とする。
    それまでそれなりに遊んでいたし、熱くならないと思っていた光希は自分の感情も持て余し気味で…。
    吉澤の気持ちがつかめなくてジレジレするところが、淡々と描かれ、そこがまたきりきりした切なさとは違う柔らかな切なさが出ていて、先が読みたいと思わせる作品でした。
    スピードがあるわけではないけれど、だからといってダレているのではなくてじんわりと二人の関係が熱くなっていくさまが京言葉によってさらに柔らかく感じました。


    挿絵は、、、、うーん?
    微妙にデッサンが狂っているところが逆にそれが色っぽさを出しているような絵柄です。
    決してうまくはないけれど雰囲気だけで上手さを感じさせる、ちょっと得な絵柄かも。
    できればもう少しデッサン力を身に着けていただきたい。

  • かわいさんで京都というと、某作品を思い出してしまいますが、当然ながら今作はまったく違うお話でした。小悪魔系受けがちょっと気になる相手と親しくなっていくうちにハマっていくという、最近のかわいさんによくあるなんとなく進んでいく話です。それが京都という舞台に合ってるっちゃ合ってるんだけど、恋に落ちる過程を省いていつの間にか恋人同士になっていた感じがするので違和感が残ります。個人的には受けか攻めどちらかに、相手を強く意識するエピソードが欲しかった。

  • しっとりして素敵な雰囲気のおはなしでした。ツンデレかな。

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