旅のネコと神社のクスノキ

著者 : 池澤夏樹 黒田征太郎

• スイッチパブリッシング (2022年8月1日発売)

作品紹介・あらすじ

被服支廠には枯れ草があった。それだけでも嬉しい
—— 作　池澤夏樹

この建物は生きている
—— 絵　黒田征太郎


現存する被爆建物「旧広島陸軍被服支廠」をテーマに、日本を代表する作家の池澤夏樹と黒田征太郎が言葉と絵と木工作品を交えた新しい絵本を作りました。主人公のネコとクスノキの対話を通して、戦争、平和、そしていのちとは何かを読者へと問いかけます。

【あらすじ】1945年7月、煉瓦造りの大きな建物を見つけたネコは神社のクスノキに尋ねます。「あれはなに? あの大きな建物」「りくぐんひふくししょー」。兵隊の服を作り、穴が空いた服を繕い、再び兵隊へと着せる。なぜ穴が空いているの? 人も草木のように生えてくるの? そんなネコの疑問に答えながら、クスノキは人間がやがて引き起こすだろう凄惨な未来を予見して怯えます。そして、同年の9月。再会したネコとクスノキが、互いが目にした2カ月間の様子を語らいます。
*池澤夏樹による解説「ヒストリー陸軍被服支廠」収録

感想・レビュー・書評

[猫丸(nyancomaru)さんの感想 · 2022年7月1日]

『旅のネコと神社のクスノキ』刊行記念/黒田征太郎トークイベント | 本屋アンラーン
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[翠さんの感想 · 2023年2月15日]

目線が人間でない分、心にグサッとくるものがある。戦争の怖さが十分に伝わったんじゃないかな。

[hosinotukiさんの感想 · 2024年4月20日]

広島，陸軍被服支所廠について，旅の猫がクスノキに尋ねます．あれはなあに？戦争についての恐ろしさ，悲惨さ，理不尽さが，優しい語りと絵の中に広がっていました．

[読生さんの感想 · 2023年10月7日]

子ども。
大切に育てた子ども。
未来を担う子ども。
子どもたちさえいれば繋がる。
子どもたちさえいれば。

[books friendさんの感想 · 2023年8月9日]

戦争、原爆について考えさせられる。
高学年の平和授業に。
2023絵本50

[小春さんの感想 · 2023年8月3日]

夏読21冊目。
太平洋戦争中、広島県陸軍被服支廠で何が起こっていたか。
池澤さんのあとがきも必見。

[poohchan2525さんの感想 · 2022年9月19日]

著者プロフィール

1945年生まれ。作家・詩人。88年『スティル・ライフ』で芥川賞、93年『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、2010年「池澤夏樹＝個人編集　世界文学全集」で毎日出版文化賞、11年朝日賞、ほか多数受賞。他の著書に『カデナ』『砂浜に坐り込んだ船』『キトラ・ボックス』など。

「2020年 『【一括購入特典つき】池澤夏樹＝個人編集　日本文学全集【全３０巻】』 で使われていた紹介文から引用しています。」