いまをどう生きるのか

  • 致知出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784884748364

感想・レビュー・書評

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  • 副題 現代に生かすブッダの智慧

    松原泰道と五木寛之の対談本。

    松原泰道さんは、既に2009年に101歳でご逝去されていらっしゃいますが、生前は臨済宗の高僧。

    この対談が発表された段階(2008年12月)では、東京港区の龍源寺の住職でもあったようです。

    対する五木寛之氏は、「青春の門」など数々の文学作品を発表されている日本の文壇を代表する作家先生。

    この二人が、ブッダという人物の生き様やブッダという人間が伝えたかったメッセージについて語り合うという趣向の本。

    仏教という宗教について話すのではなく、ブッダという個人にフォーカスを当てて話が進められていくという点が素直にコトバが入ってくる感覚で読めた理由かも知れません。変に宗教っぽさがない、というか。

    仏教というか、ブッダの教えについては、スマナサーラ師や小池龍之介氏の本などを何冊か読んで、ちょっと基礎知識があったので、このお二人の対談は、とても面白く読めました。

    ブッダが悟りを開くに至るまでの人生、その時代背景や彼を巡る様々な出来事、その中で感じたであろう葛藤などが語られていくわけですが、なるほど、そうした周辺知識を得ることで、余計にブッダの教えの真髄が見えてくるような気がしました。(あ、いや、全然悟れていないですけどね。)

    思ったのは、ブッダの教えに忠実にあろう、と思う方々のおっしゃることは、当たり前ですがみなさん似通ってくるものですね。

    特に「無常」というコトバについては、このお二方ともとても詳しくお話になられていました。

    我々は、無常というと、ややネガティブな印象を持ってしまいがちですが、そうではなく、あらゆるものが常に変化していることが、当たり前である、ということが、「無常」なんですよね。

    だから、決して悲観的なものでもないし、概念的なものですらない。

    ただただ、あるがまま。それが、「無常」ということなんだと、ワタシは理解しました。

    もっともっとたくさん、いろんなコトバがありましたが、この「無常」の理解こそがブッダの教えの根底なのではないかと思った次第です。

    勉強になりました。けど、もっともっと、勉強しなくちゃ。

  • 松原禅師と五木寛之氏の対談。五木寛之氏はブッダの足跡を訪ねたり、日本仏教も研究されて造詣深く、対話がキリキリと鋭いものになっている。今の時代にブッダが生きていたらブッダは何を教えるのかという観点が大切との指摘があった。いまに通じる教えがあるからこそ、古今東西に通じる宗教なのだ切実に感じる。付箋を多く付けた一冊。

  • 少し難しかった。

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著者プロフィール

1932年、福岡県生まれ。作家。生後まもなく朝鮮半島に渡り幼少期を送る。戦後、北朝鮮平壌より引き揚げる。52年に上京し、早稲田大学文学部ロシア文学科入学。57年中退後、編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、76年『青春の門筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞受賞。ほかの代表作に『風の王国』『大河の一滴』『蓮如』『百寺巡礼』『生きるヒント』『折れない言葉』などがある。2022年より日本藝術院会員。

「2023年 『新・地図のない旅 Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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