- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887597365
作品紹介・あらすじ
実際、戦後の高度経済成長期からバブル崩壊まで、私たちの幸福とは、「物質的豊かさと幸福は関係ない」と頭ではわかりつつも、モノを買い続けることであった。しかし、社会の成熟と経済不安の両面から、今ようやく「物質的豊かさ」を超える幸福の物語の兆しが見えている。新しい幸福をもたらす消費行動が始まっている。わたしたちが、幸福のために、モノに代わって求めているものとは!?
感想・レビュー・書評
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[private]次長のお勧め本[/private]
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図書館
挫折 -
中央大学教授 山田昌弘氏と電通チームハピネスの共著です。
現在の日本では、高度成長時代の「幸福を生み出すと期待される商品を買う」という幸福のストーリーから、新しい幸福=脱消費社会の幸福へとシフトしています。
新しい幸福のストーリーとしては、「自分を極めるという物語」「社会に貢献するという物語」「人間関係のなかにある物語」などが代表的なものになります。
これらの究極的な幸せの形が「仕事」としてこれらのストーリーを具現化しているケースだと結んでいます。
この本の発行が2009年9月で現在2018年2月です。
本書で扱われた内容はどうだったのでしょうか?
「自分を極めるという物語」で例に挙げられたコミケも盛況ですし、こだわりのある趣味用の高級品は好調に売れているとのことです。
「社会に貢献するという物語」についてもボランティア文化もより根付いていますし、盛況と感じます。
「人間関係のなかにある物語」もインスタ映え商品のヒットなど好調です。
本書で書かれている内容は、順調に消費を伸ばしており、ある程度流れを読んだ内容であったことがわかります。
時間を置いて読んでみるのも検証できるという観点から面白いなと感じました。
ただ、電通さんが社会的に批判を受ける事態となったのは、少し残念ですが・・・ -
消費はどう変わっていくのか?
→モノを所有する幸福を求めているのではなくて、モノを所有する先にある幸福を得るための手段として消費するようになってきた
幸福を解くカギとして、自尊心、承認、時間密度、裁量の自由、手ごたえ実感
3つの物語として、自分を極める物語、社会に貢献する物語、人間関係のなかにある物語 -
婚活のワードを生み出した山田先生と電通チームの共著。
特にフロー型の幸福、ストック型の幸福の考え方と幸福のペンタゴンモデルが面白かった。
幸福のペンタゴンモデルに乗っとり自分の目標を。
1,時間密度
週末に楽しみを1つ作っておく事で平日を充実させる。
将来の夢をもつ
2,手応え充実
これは特に無いかな。達成可能なマイルストーンを着実に乗り越えていく。そのくらいでしょうか。1が達成されれば必然的についてくるかと。
3,自尊心を持つ
これも私の場合は必然的に1が達成されればついてくるのかなと。
4,承認
これは難しい。私の承認は、言い換えれば評価。
社会的影響力に置き換えて考えてしまうから、社会的影響力を持った個人からの承認もしくは、量的な面での社会的影響力がそれにあたる。ゆえに、組織内部での小さな評価とかはどうでもいいと考えてしまう。
普段生活している中でこれを得るのは難しい。
5,裁量の自由
今もある程度は裁量はあると思う。けど、どちらかというと制限に阻まれた裁量権の喪失が多い。限られた時間、明確に与えられた役割、組織編成、会社という枠組みでの制限。これらを解決する必要がある。
上記を解決すると、自分が最も幸福な生活になるんだとすると、割と見えた気がする。
面白い本でした。 -
幸福の定義、その捉え方が時代とともに変わっていっていること、
そのへんは予想通りの内容で納得もした。
また、後半の新しい消費の形(物語)の部分では、
確かに自分の消費行動も本書で説明されている5つでカバーできる。
自分の消費を分析することで、自分がどのような人間か
(どのような行動に価値を置いているか)がわかるなぁと思った。
ただ最後に、幸福のペンタゴン・モデルのすべての要素を包含し得る活動として、
「仕事」をあげているところは、意外。
要するに、幸福や消費の形が変わってきていることを理解したうえで
今の働き方を見直し、幸福を得られる仕事、働き方にシフトしていきましょうよ、
ということが最も言いたかったことなのかなと感じた。 -
幸福論かと思いきや、どちらかというと消費論でした。
変にスピリッチュアルな物や宗教談義は期待してないけど、もう少し心理的な領域に踏み込んだ本かと思っただけに残念。 -
曖昧な根拠、都合のいい解釈、論理破綻が散見されます。幸福や消費に関するモデルがいくつか提示されているのですが、これも納得感がうすい。
ただあとがきにあるローマ帝国、ベネチア共和国滅亡の理由は興味深く、「未来に続く幸福の物語」の重要性には共感しました。